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#77 受験生クロコの奇行

これは僕が浪人生の時の話だ。
もう世の中にはスマートフォンが広まっていて、今や小学生でも持っている。

便利なものだとは思うが、中毒性が半端じゃないのは事実だ。
iPhoneの生みの親であるスティーブジョブスは自分の子供にiPhoneもiPadも触らせなかったというのは有名な話だ。

中毒性が半端じゃないからあそこまで人を惹きつけ爆発的に流行しているとも言えるだろう。

浪人生クロコもジョブスの術中にまんまと引っかかった1人だった。

受験生にとっての最大の敵は予備校周りにウロウロする宇宙人大学生でも、ゲームセンターでも、強力なライバルでもなく

スマートフォンだ

簡単に時間も睡眠も奪っていき、受験生にとってはほとんど恩恵がないものだ。
何も用もないのにSNSを見たり、見た後に時間の経過にがっかりするとわかっているのに見てしまうのだ。

ただでさえ自己肯定感がだだ下がっているのに、できない自分にさらにがっかりしていた。

そこで、最初はベッドにスマホを置いて予備校に行き始めた。
授業が終わり21時まで自習して帰ってくる。
とても集中できて効果覿面だった。

しかし、ここからだ。
しばらく飼い主と離れた犬状態で尻尾をふってスマホが僕の帰りを待っているのだ。

僕の視線も一直線にスマホに向かい「頑張ったから、10分だけ。10分だけ触ったらまた勉強しよう。」

お分かりでしょう。

10分で済むわけがないのだ。
1時間、2時間と時間が過ぎその日1日台無しにした気がしたのだ。

そんな日々が続いて最後まで自制できない自分にイライラしてきたので、少しどうかしていた部分もあったが、

僕はガラケーにした

もう一度言います。

スマホを実家に置き、使ってなかったガラケーを持って寮に戻った。

自制できないなら、そんな自分は見限って強制的に制御しようと思ったのだ。

予備校の先生との面談ではスマホでマイページにログインしたりするのだが、それもできなくなり驚かれたのを覚えている。

メールと電話だけ。

受験生に必要なものはこのくらいだろ。
ヤケになったのもあるが、この決断ができたのは偉かったと思う。

おかげで自分を嫌わずに済んだし、生活がとてもすっきりとした。
寝る直前まで携帯を触るなんて事もなくなり熟睡できたし、気を乱すものもなくなった。

寮の友達には驚かれたのと同時にぶっ飛んでるやつだと思われたけど、変わらず仲良くしてくれたので感謝している。

できない自分と向き合うとき、そのままできないままでいるか無理やりにでもできる方に持っていくか決断するタイミングがある。

今している事が自分の目標よりも大切なのか必要な事なのか、考えたうえで行動する事が何より結果をだす近道だと思う。

できない自分が嫌ならば、荒療治せよ。
これを機に僕はそう思うようになった。

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