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【WOTD受賞】独自価値を魅せるリブランディングの鍵──Dr.トレーニングCEO・山口 元紀さん対談

2022年3月27日、reynato.tokyoがブランドデザインを担当したtraining BOXX様のサイトが、「Website Of The Day(※)」を受賞しました。

※世界3大Webアワードのひとつ「CSS Design Awards 」にて、世界中でその日最も優れたWEBサイトに贈られる賞。略名:WOTD

training BOXX(旧名TRAINIG PARK)とは、医学的な視点から独自のトレーニングを提供し、パーソナルトレーニングジムを都内に20店舗以上構える株式会社Dr.トレーニングによる「セミパーソナルジム」。

リブランディングの一貫で、弊社はヴィジュアルアイデンティティの制作を行いました。サイトだけでなく、ブランドネーム、ブランド戦略、ステートメント開発から実店舗の内装やユニフォームデザインに至るまで、包括的に手がけています。

2本目となる今回のnoteは、(株)Dr.トレーニングCEO・山口さんをお招きした対談記事。trainig BOXXに懸ける想いから、今回WOTDを受賞したサイト制作、リブランディングについて、弊社プロデューサー・北山と語っていただきました。

山口 元紀 / (株)Dr.トレーニングCEO
アメリカ大学院で準医療資格ATCを取得し、メジャーリーグでトレーナー経験を積む。ミスコン公式トレーナー。Dr.ストレッチ技術監修
北山 祥太 / reynato.tokyo プロデューサー
2019年、新卒入社したエン・ジャパン株式会社を退職しreynato.tokyoに入社。 創業80周年の老舗専門商社や、てもみんを運営するグローバルスポーツ医学研究所のリブランディング・採用コミュニケーション戦略支援等を担当。


「トレーニングをもっと身近なものにしたい」
という想いから、training BOXXが生まれた

北山:山口さん、ちょっとお久しぶりですね!今日はうちのオフィスまで来ていただいて、ありがとうございます。

山口:いえいえ全然!よろしくお願いします。reynatoさん公式note始めたんですね。

北山:そうなんですよ、4月から。僕らがリブランディングを担当させていただいた、training BOXXのサイトがWOTDを受賞したこともありますし、初の対談企画は山口さんとさせていただけたらなと!

山口:世界獲りましたね!僕らとしても嬉しいです。

北山:「セミパーソナル」を日本に持ち込んだtraining BOXXの着想は、N.Yで得たと仰ってましたよね?

山口:そうそう。今から10年くらい前になるのかな?N.Yのセントラルパークに行ったら、老若男女問わずみんなが一緒になって公園でランニングしたり、トレーニングをしていて。
日本だとまだ、「トレーニングはアスリートのもの」っていうイメージが強いと思うんだけど、ここではちゃんと「一般市民のもの」として定着してるんだなと感じたんですよね。単純に、その光景がすごく良くて。

山口:文化はコミュニティから生まれるものなので、「誰でも一緒にトレーニングをするコミュニティを、日本でもつくりたい」と思ったのが最初ですね。

でも当時はすぐに実現できる状態じゃなかったんで、帰国してから一回忘れて(笑)。

北山:一回忘れちゃうんだ!(笑)

山口:頭の隅には、「ああいうことしたいな」って想いがずっとあったんですけどね!自分のやるべきこととしては、まずDr.トレーニングがあったので。

トレボ(training BOXXの略名)を実現するための、具体的なビジョンが見えたのは2018年のL.A視察の時でした。L.Aでは1on1で行うパーソナルトレーニングよりも、10人以下で行う「セミパーソナル」がどんどん拡大していて。誰でも挑戦しやすい価格帯なのもありますが、エンタメ×トレーニングのうまい掛け算で、気持ちの良いコミュニティが形成されている感覚があったんです。

それを肌で感じた時に、N.Yで湧き上がったイメージがリマインドされて。「言語化できていなかったけど、俺がつくりたいとイメージしていたものはこれだったんだな」と確信に変わりました。

山口:「トレーニング」という括りで、Dr.トレーニングと比較されやすいんですけど、トレボは役割が全く違うんですよね。パーソナルよりもずっとカジュアルだし、高い目標や意識がなくても良い。
「クセになる、楽しさ」という言葉の通り、日常のなかに楽しいカタチでトレーニングの時間を増やしていきたい。

Dr.トレーニングの競合は「病院」ですが、トレボの競合は「ディズニー」なんです。エンターテイメント性が重要だから「ディズニーキャストに勝って欲しい」と、パフォーマンストレーナーたちによく伝えています。


独自価値を、デザインにどう昇華させるか

WOTD受賞時のキービジュアル
(現在のサイトとはキービジュアルが異なる場合があります)

北山:僕らはtraining BOXXの独自価値を「継続性」と紐解いて、「クセになる、楽しさ」というタグラインをつくりました。この言葉も、山口さんと一緒にトレボを体験して生まれた言葉でしたね。

山口:実際に来ていただいて、一緒にトレーニングしましたね〜。

北山:トレーニングは継続が最重要ということは周知の事実で、ゆえに腰が重くなる。そのうえ効果を実感できなかったら、そりゃ通わないですよね。

一方でトレボは、「楽しさ」と「効果」を両立しているから、自然と継続性が高くなるんです。この継続性こそが、独自価値。なのでサイトでも、ディズニーのような高揚感のある「楽しさ」と、トレーニングを通じて得られる「効果」を最大限表現することにこだわっています。

山口:楽しさの訴求って色々あると思うんですが、僕がN.Yで見たセントラルパークの光景のように、トレボでは「仲間」とか「コミュニティ」に惹かれる感覚が重要になってくるんですよね。

北山:まさに。training BOXXのサイトでは、お客様が「仲間になりたい」「一緒にやりたい」って気持ちになること=CV(コンバージョン)です。

店舗では、「ここにいる私」が好きになれるような、内装のデザインやキャストさんの演出が鍵になる。サイトでは、もう少し距離があってもいいんですよね。身近さよりも、「憧れ」とか「やってみたい」って感情を揺さぶりたいから。

コミュニケーションコンセプト
仲間同士励まし合いながら楽しめるトレーニングコミュニティ

ヴィジュアルコンセプト
多様性の尊重
→ブランドカラーは優しいポップカラー6色とし、キービジュアルには多様なモデルを起用。人種、年齢、性別、体型といった多様性を認め合い、包括的でポジティブな環境であることを訴求した

ロゴには自分の殻を破る= Outside of The Box してほしいというメッセージを込めた


“ブランドサービスサイト”を実現するために

山口:もちろんreynatoさんはデザインのプロなので、世界観については基本お任せしていたんですけど、このサイトはあくまで「予約数」が成果で、ブランドサイトじゃない。
そこだけは僕が握って、話し合いながら修正を繰り返しましたね。て言っても、俺あんま口出さなかったよね?ほら、20〜30回くらいでしょ?(笑)

北山:あははは!(笑)CEO自らこんなにコミットしてくださること、なかなかないと思いますよ。

北山:でも本当に「ベストなものをつくる」という同じ熱量で、フラットに意見を交わし続けられたこと、ありがたかったです。僕らの専門家としての視点と、山口さんの経営者としての視点をひとつも妥協せずに、完成させられた。

山口:僕らは、医学的・科学的根拠に基づいてトレーニングの効果を謳う知識と技術があるし、一流の専門家だからこそ、プログラム構成についてもエビデンスありきで開示する必要がある。

北山:世界観を壊さずに、伝えるべきことを漏れなく、わかりやすく伝えるバランスが一番難しかったですね。

山口:そうですよね。統一感と、匙加減。
何事も、どちらか極端に振るのは簡単な話。ダサくてわかりやすいサイトなら、素人でもつくれる。常に「グラデーションをどう実現するか」が技術であってさ。そのベストな着地点を実現してくださったな、と思います。

ブランドサイトじゃない。でもサービスサイトの機能だけでもない。
「ブランドサービスサイト」ですよね。予約への導線だけでなく、ギミックが色々あって見てて飽きないから、回遊率も高くなるし。

北山:ありがとうございます。
カーソルを合わせると動いたり、色が変化するような遊び心も楽しんでもらえたら嬉しいですね。

北山:賞のために取り入れたわけではないんですが、「Website Of The Day」の評価基準にもアニメーションや色彩のこだわりについての項目があり、遊び心を散りばめたことも受賞に繋がりました。


「ジムに行こう」から、「トレボに行こう」へ

training BOXX 吉祥寺店

山口:training BOXXのリブランディングは、シンプルにreynatoさんが一番カッコイイと思ったからお願いしましたし、今後とも一緒に仕掛けていけたらと思っています。既にトレボだけではなく、Dr.トレーニングのリブランディングもお願いしていますしね。


北山:そう言っていただけて、何よりです。将来的に、トレボは全国1,000店舗が目標ですもんね!駅や電車内での広告も打ちたいし、今後とも一緒に挑戦していきましょう。

山口:そう!1,000店舗ね。
みんなが「カフェに行こう」じゃなくて「スタバに行こう」。「遊園地に行こう」じゃなくて「ディズニーに行こう」って、当たり前に固有名詞を使うことは、本当にすごいことですから。僕らも「ジムに行こう」じゃなくて、「トレボに行こう」を目指していますし、自分の事業でそこまでいけたらもう、人生終わってもいいやって思いますよ。

北山:そこまでいきたいですね。

山口:いきましょう!

山口さん、対談にご協力いただきありがとうございました!



【trainig BOXX】


【山口 元紀さん SNS】
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 【北山 祥太 SNS】
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【reynato.tokyo 】

Twitter / Instagram


Writing:YUKI HOSHI
Photo:TAIKI OHNO(reynato.tokyo)


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