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「令和を迎えてウエディング各社は何をすべき」/ブライダル産業フェア 2019レポ


こんにちは。リクシィ広報の星野です。

2019年7月31日に開催されたブライダル産業フェア 2019 「令和を迎えてウエディング各社は何をすべき」というテーマに、安藤が登壇させて頂きました。今回は、トークセッションの内容をレポさせて頂きたいと思います。


ファシリテーターとゲストスピーカーとして、バリューマネジメントの他力野さん、ホテル雅叙園東京の森木さんも一緒に登壇して頂いてトークセッション。

他力野さんは、リクシィ創業時に無償で事務所を貸してくださった恩人。「お返しとかいらないから、安藤さんの周りで起業する方がいたらその方に同じことをしてあげてください!」という逸話はリクシィ内でも伝説化しています!

森木さんも、リクシィ創業以来応援くださっているお兄さんのような方。「起業は大変知ってるから、何でも協力するよ!」という言葉に偽りなく、gensen weddingからリクシィキャリアまで本当にお世話になっています。

安藤は、社員旅行の軽井沢で調達した新作のメガネをかけて、初の公の場への登場となりました!

会場は、朝一のステージだったにも関わらず、たくさんの方々がお話を聞きに来ていただいました

昭和、平成、令和と年号も変わり、ウエディングの業界も変化はしてきているものの、結婚式は世間から見るとウェディングはまだまだ画一的なイメージと唱える安藤が、多様化する婚礼ニーズに求められる在り方について話させて頂きました。

Q1.最近、イベントや業界とのセッションなどもっとも動きの多いリクシィさんどこ狙ってるの?

安藤 : 産業全体を考えると、なし婚を減らしたいですね。
結婚式は画一的なイメージがまだまだ世間にあって、花嫁の手紙は読まないといけない、ケーキカットしないと、などお客様が勝手に結婚式のパッケージを決めつけてるところがあると思っていて、そこに違和感を持った方々がなし婚を選択している部分もあると感じています。世の中の結婚式は変化している!結婚式は多様化してきている!ということを伝えるためにも、最近はメディアへの露出を増やして、メディアに軸足を置いています。
安藤 : WEB招待状やご祝儀のネット決済が「まああるよね」という感じでTVで扱われていたり、TVの結婚式のシーンもデニムのようなカジュアルなスタイルもあるよねという感じで取り上げられるようになってきたので、産業としては令和っていう区切りをうまく利用するのが良いと思います。
安藤 : お客様が結婚式場を探す際に、チャペルやパーティ会場といった見た目の雰囲気は写真でわかるけど、どんな結婚式ができるのかはわかりにくいし、こだわっているのに伝え方がわからない結婚式場さん多い。私達はプラットフォーム的立場で、質が高く個性的な結婚式を挙げたい方は、genessen wedding、お客様がやりたいことを自由に叶えたい方は、Choole Weddingという2つのサービスでお客様と結婚式場をマッチングしています。

Q2.REAL X ITってどういう意味ですか?どんな世界観なんですか?

安藤 :  REAL X ITはリクシィの社名の由来なんですが、ウエディングに限って言えば、お客様から見た時の業界のブラックボックスを変えたいです!
もともと学生の頃にインターネット業界にいたんですけど、ネット業界は昔ほどフロンティアな無いよねと言われていて、リアルなところに入っていかないといけないという状態だと捉えています。自分自身、ブライダル業界に10年いて、ITが苦手な方が多いなと感じていたと同時に、IT業界側もブライダルわからない。我々のコンサルティング先でも、例えば無駄なネット広告に年間1000万円使っていました、みたいなことが多々あってもったいないと思っています。
安藤 : ビジネスの観点で、ネット業界側からウエディング業界をとらえても、ウエディング業界を変えたくて立ち上げた会社ってほとんどありません。両方がわかるプレイヤーが必要なんじゃないかというところからリクシィを起業しました。
安藤 : 結婚式のブラックボックス、自分たちの結婚式がわからない(初めての壁)、会場がどうなってるのか見ないとわからない(見学の壁)、その向こうでプランニングやアイテムだったりどんな体験が待っているのかもわからない(準備の壁)。それらを打破するには、テクノロジーしかないと思いました。テクノロジーによって選択できる、理解できる、結婚式の業界が広く見えると思います。


Q.森木さんはウエディング×ITをどう考えますか?

森木さん:  リアルな部分で言うと、gensen weddingさんには恩恵を受けていて、正直辞められないなーと感じています。お客様の正しい情報が来ますし、それによって私達側も準備もできるのでいい接客に変わってきています。

Q.gensen wedding経由と、一般ってどう違うんですか?

安藤 : gensen weddingさん経由のお客様は、なぜ結婚式をするのか、カウンセリングシートに書かれていることが多くて、新郎新婦の好きなものや理由まで根拠づいた内容が共有されていて、そこを踏まえた提案を会場側することでお申し込みに繋がりやすいですね。
私達でも接客に取り入れようとはしているんですけど、なかなかできていなくてgensen weddingのプロフィールシートは勉強になっています。


Q3 ぶっちゃけ、婚礼業界どう思う?

森木さん : この業界17年位で、この業界変えたいみたいな思いで飛び込んだんですけど、常に変化は感じています。SNSを中心に色々なことが情報として出ていくので、僕らとしてはなるべくありのままをお客様にお伝えしようとは思っています。ここ10年では、日本のマーケットでもまだまだリーチできる部分が残っているんだなと思っているので、全国的にやっていきたいです。日本人らしいからという理由でホテル雅叙園東京を選んでいただいているので、日本人らしい結婚式はもっと増えるべきだと思うしそこに正しい姿があるのかな。
安藤 : お客様が多様化してきている今はチャンス!だと思っています。
自分達の会場の特徴を出していけばお客様にも見つけてもらいやすい時代。インスタでも「画像をあげて以上」ではなく、その裏側にあるストーリーや背景をいかに伝えられるか。販促写真を載せるのもいいと思いますが、リアルを探している花嫁さんも多いので、普段の結婚式の成果、どこにどうこだわったのかとか、どんな想いに寄り添ったのかを伝えて、活用していけると会場としての発信レベルが高まると思います。
安藤 : コンサルでHPの相談もよく頂いたりするんですけど、ビジュアルがどーんと出てきて、フェアフェアフェア、特典!みたいなのが多いんですよね。媒体見てHPを見に来ている人をターゲットにするならそれでも良いと思います。ただ、ネットの広告や検索からきた人には、ブリッジが必要で媒体の情報量が増えているからこそ、HPは特別な世界観で、どんな結婚式ができるのか、デザインから個性を発揮していくべきだと思います。
安藤 : またリアルで起きていることはSNSで話題になる!とも実感していて、自分自身のtwitterで1番フォロワーが増えたのは「日経新聞に出ました!」だったんです。RTがたくさんあって、新聞を読む人は減ったとか言われていてもやっぱりリアルで起きてることは話題になるんだなと。そういうやり方も参考にしてもらえれば。

Q4 gensen weddingやチュールウエディングでは、どんな価値を提供したいですか?

安藤 : 私達のサービスなら、叶えたい結婚式が、すっと決まるよみたいな感じにしたいです。私達のサービスには、会場の雰囲気だけ見てぽんって決められるという人は来なくて、わざわざ探してたどり着くっていう人が多いので、自分達の結婚式がどんなのがいいかしっかり考えて、本質的な話から入ってこんな結婚式だったらやってもいいかなって方が利用くださっています。
安藤 : 「ケーキカットの代わりにマグロ入刀したいですけどどこならできるかわかりません!」みたいなお客様だったり、ハードありきではなく、やりたいこと、どういう世界観か決まっている人が多いので、チャペルこれが好き!で選ぶ人がいないというのは象徴だと思います。あと、エリアの優先順位も低いのも特徴的でした。


Q.そういった価値観の新郎新婦って、感覚的にどのくらいの割合でいるんですか?

安藤 : 僕らのサービスを気に入ったお客様がいらっしゃるので、世の中の割合はわからないです。ただ、インスタの広告を見て知って頂いた方が増えていて、インスタで探している人自体が確実に増えているのは実感しています。インスタの集客は、フォロワーを増やすのも大事ですが、広告を回して来店を増やすも効果的だと思います。今のところ、インスタでの導入は増えているのでこの流れは今度も加速していくと思います。インスタとの相性みたいなところでどの会場も向いているとは言い難いなという実感がありますが、向いてそうだったらインスタはぜひ取り入れてみてください。


Q5 常に新しい価値を創造している安藤さん、次に狙っていることは?

安藤 :  17人の会社で4つのサービスやっているのは頭おかしいと言われたりもするのですが(笑)、最近、東京カレンダーさんとのコラボや、宇宙兄弟ウエディングもリリースしたのですが、今後も外部の会社さんとのコラボを増やしていけたらと思っています。
安藤 : あと、やはり一番やりたいのはなし婚ですね。
結婚式をやらなかった方の2/3くらいがお子様が産まれていると思っていて、「子どもが生まれたタイミングだから結婚式をやろう」というのはありなんじゃないかと思っています。いつかやろうと思っていても、やりそびれてタイミングが見つからない。かといって、自分で誕生日会開くみたいな感じで結婚式を開くのもちょっと億劫という感じの方々が多いと思うので、子どもをきっかけに家族を確かめるような位置づけはフィットするような気がしています。メディアや全体でもなし婚にリーチするムーブメントが作れたらいいですよね!
他力野さん : ヨーロッパだと自分で誕生日をセッティングしているけど、日本だと祝われるのが主流だったり、その辺の違和感があるのかもですね。

Q6 gensen weddingをやってみてわかったこと、ユーザーの本音、会場に伝えたいことは?

安藤 : 立ち上げ当初は、プロデュースノートを作ってプランニングをしていたんですけど、そこに思ったほどニーズが無いことがわかりまして(苦笑)
実際にお客様とお話ししていく中で、やりたいことが見つかりませんではなく、何もしたくない、やりたいことがないっていうのが結構たくさんあったんですよね。「祝福される」ということ自体に違和感があって、結婚式はやりたいんだけど日常の延長に位置づけたいという新郎新婦さんの考え方を発見しました。

Q.そういう新郎新婦には、会場側はどう対応したらいいのか?

安藤 : 結婚式ってこういうものだっていう押し付けをしない、ということが極めて重要だと思います。
ネットとかで見かける批判は、「結婚式はこうするものだ!って言われて嫌だ」みたいなのが多いと思っています。フラットに掲示するのがいいと思います。
他力野さん  : 老舗旅館とかもまさにですよね。全て段取りが決められている、という形式的なスタイルが若い世代にはウケていないのと同じなのかもしれないですね。


Q7 チュールウエディングがユーザーと会場を結んでいく 今の手応えと課題感は?

安藤 : 手応えと課題感にまみれています! 笑
手応えから話すと、結婚式場さんにはウケが良くて、お会いすると6-7割くらいの確率で参画をしていただけています。課題としては、お客様が結婚式場を決める前に、どんな制約があるのかということをわかっていないということです。持ち込みNGのルールを知らなかったり、知っていても「自分はあんまりこだわりないし、きっと好みのものが提携内にあるだろう」って思いこんでいるお客様が多いことですね。実際に結婚式場が決まって、ドレス試着した瞬間に、「あれ実は私、こだわりあるのかも」と、スイッチ入るパターン(泣)
安藤 : 結婚式場側も、申込み約款でしっかり説明されていると思いますが、お客様がその意味を理解できないんです。「申し込みの際には会場提供のもので良いと思っていたけど、実際にドレス着てみたら気に入ったのが無いし、こんなに値段が変わるなんて思っていなかった」とお客様は感じる。これって、ビジネスモデルの限界だと思っています。
安藤 : お客様の変化は結婚式場各社が感じているものの、持ち込みをいきなり全て自由にするのはビジネス的に非現実的だと思いますので、都合よくチュールウエディングを1つのチャネルにしてもらえたらいいなとkます。

Q8 スバリ、これから生き残っていける企業、会場の条件は?

安藤 : 個人の願望が半分入りますが、個性だと思います!
この会場だとこんな結婚式ができる、特別感、オリジナリティがキーとなってくるのではないでしょうか。持ち込みをブロックするならブロックするだけの価値を提供したり、ハードだけじゃなくソフト、体験、モノ、人と、ブランドが立っている必要があると思いますね。

他力野さん : 私達は、扱っているのが文化財なので特殊ですが、古い建物、街並み、その地にある歴史や文化、暮らしが残っていく、その生活の中に自分達の大事な場所が残っていくということを大事にしています。結婚式はワンショットだけど、その先そこに住んだり、街が活性化することで結果的に人口が増えたり。最近は、自治体から城で結婚式を頼まれることも増えてきて、G20の大阪城での夕食会も担当させて頂きました。結婚式価値が高い価値になっていて街の活性化に繋がっています。

Q9 求人も手がけるリクシィ 働き方改革も踏まえこれからのウエディングプランナーの在り方って?

安藤 : ずっとウエディングプランナーをしていきたいのかそうじゃないのかを意識しておくことが非常に大事だと思います。前者の方の場合、やはり会社ごとにウエディングの考え方って全然違うんですよね。それが、残念ながら新卒で入社する時は絶対にわかりません。ウエディングプランナーの立場で、自分のやりたいウエディングのサービスがそこにあるかをよく考えて、今の会社にないと感じるなら思い切って転職する方が良いと思っています。また、どこの会社がどんなことをしているのか、視野を広くするためにも横の繋がりを作るのも必要だと思いますね。

Q.最近見かけるフリープランナーはどうなのでしょうか?

安藤 : あんまり知見がないのでなんとも言えないんですけど、インスタやtwitterを個人で駆使できる方には、向いてると思います。お客様から見て、どのフリープランナーさんがいいのか、いいプランナーさんは会場にもいるんじゃないかと、お客様は悩まれると思いますので、お客様に認知され、信頼されているまでいかないといけないですよね。なのでSNSが駆使できないと、プランナーの能力があってもフリーで活動するのは難しそうな気がしています。

Q10 次世代のブライダル業界に向けてチャレンジしたいことは?

A.多様化とパーソナライズ!

安藤  : お客様が自分の結婚式がわかる、それに合わせた会場が見つかる
セグメントかけて探しているものを見つかる!各社個性を出していけるようになれば、業界も盛り上がると思います。
SNSの活用に関しては、コンサルだったり役に立てればと思います。

「令和を迎えてウエディング各社は何をすべき」というテーマに、リクシィとしては何を目指してここ数年で何を感じだのか、お客様のニーズの変化を元に各社何をするべきなのか、を赤裸々にセッションさせて頂きました。

画一化と思われがちな結婚式ですが、実は多様化してきているなと思いますし、それが伝わっていない部分はしっかりと世の中に発信していく必要があるよねというお話だったなと思います。

非常に盛り上がるセッションで、もっと話したかったと登壇者同士が一番盛り上がっていました(笑)


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