【with wedding vol.38】「DX」はウェディング業界に何をもたらすのか?

REXIT(リクシィ)

※株式会社リクシィ代表安藤が寄稿したウェデングジャーナル
連載号:2020年9月号 第130号 の内容を転載しております。

コロナ影響によりあらゆる業界で進むデジタル化

本稿を書いているのは8/31になります。8/6(木)全国の結婚式場(サービス)17ブランドに協力いただき、トキハナウェディングオンラインフェスを開催しました。その模様はYouTubeでもご覧いただけますし(YouTubeで「トキハナ」で検索するとわかると思います)、トキハナのサイト上でも順次レポート記事をアップしていきますのでご覧いただければと思います。

3時間半のオンラインイベントでしたが、契約関係の柔軟化に取り組む式場、オンラインでの内覧、100名の施行の様子、換気や飛沫感染防止の取り組み、2部制のお話など、多様な事例がシェアされ、結婚式を控える新郎新婦のみならず、業界の方々にも参考になる内容になっていたと思っています。
(その後の、出演くださった皆さまとのオンライン打ち上げも熱いトークが繰り広げられました)

さて、コロナがもたらした影響の1つにデジタル化という現象が挙げられます。ウェディングにとどまらず、あらゆる業界でデジタルによる変化が注目され、DX(デジタルトランスフォーメーション)などと呼ばれています。DはデジタルのDとして、Xがトランスフォーメーションなのは不思議に思われるかもしれませんがこれは海外の慣習だそうです。リクシィでも2020年6月に業界に先駆けて、「DX支援メニューをスタート」というリリースを出しておりますが、果たしてDXとは何かについて簡単に触れていきたいと思います。

DXとは何か

DXという言葉は急速に流行ってきており、その定義も様々で、人によってその定義の仕方は様々です。関心のある方はぜひネットで検索されることをオススメしますが、す。ガラケーがスマートフォンになり、4Gが5Gそして6Gに展開していく中で、デジタル環境が数年前と圧倒的に変化して、今までデジタルの影響や恩恵が少なかった領域にも当たり前のように溶け込んでいる様子が、この言葉が誕生した背景と言えるでしょう。

例えばZOOMというツールはコロナ以前から存在していたわけですが、ビジネスのシーンで「ZOOMでどうでしょう」という会話が普通になり、「ZOOMをベースに商談をすることで、全国でも世界でも移動なく打合せができ生産性が劇的に向上した」「フルリモートで会社を運営できる状態になった」という変化が起きていることがまさにDXの事例でしょう。

「デジタルで効率化すること」「それが新しい文化や様式・体験を生み出していること」がDXの定義と私はとらえています。今回のコロナの影響で、その動きが加速したという実感
は大なり小なり誰もがもっていることだと思いますが、ウェディング業界への影響はどう考えるべきでしょうか。

ウェディングにおけるDXとは?

皆さまお感じの通り、ウェディング業界はまだまだDXできているとは言い難い産業です。それではどの領域にその可能性が眠っていると考えられるでしょうか。toCとtoBで考えると非常にわかりやすいです。

toC
式場見学のデジタル化
結婚式準備のデジタル化
結婚式当日のデジタル化
toB
顧客コミュニケーションのデジタル化
社内業務のデジタル化

こう見るとなんとなくどんなことが進んでいきそうかイメージしやすくなると思います。toBの観点では、業務効率化システムなどを使用することで時間効率が良くなるだけでなく、リモートワークが可能になり事業所間の人的リソースのシェアや、在宅ワーカーの活用による定着率の上昇、結果としての採用力の強化、育成スピードの上昇など、企業経営の前提を変えることは可能になります。ここまで進むとDXできたと言えるでしょう。

toCの観点では、式場見学のデジタル化は、オンライン接客への期待の高まりがあげられます。実際にウェディング特化のソリューション開発に動いている会社が複数登場しています。オンライン接客は、見学したいという顕在層をターゲットにするとミスマッチであり、見学するか悩んでいる潜在層向けのソリューションになると私は見ており、このあたりの価値がどこで発揮されるかは非常に注視しているところです。なお、リクシィではオンライン接客用システムを開発する予定はありませんが 笑

ちなみにマスメディアでは、結婚式当日のデジタル化が非常に注目されており、オンライン結婚式についての期待が高まっていますが、当日集う価値を見出している方々にとってはデジタルでの集まりで満足できるとは考えにくく、デジタルネイティブな関係性におけるお祝いの在り方として位置付けられるように思います。ニュース的価値が先行していると言えるでしょう。

業界としてDXはどう理解すべきか

今後、様々なテクノロジーが発展し、消費者や世の中がよりデジタル的な思考や手法に慣れれば慣れるほど、そうではないものへのストレスや批判は高まる方向に進むでしょう。顧客の支持、社員の獲得、両面において影響が及ぶのは必至です。ここのツールを導入するしないといった観点は、各社が是々非々で判断すると考えられるので、本稿では産業全体の着眼点をシェアしたいと思いますが、デジタル化とは、「人の手では非効率的すぎてできなかったことが効率化することでできるようになる」とも言い換えができるでしょう。

不透明な事象も、事実が集まれば透明になります。

結婚式に置き換えると、ブラックボックスの構造を利用して、社会的に理解してもらいにくかった事案がクルクルと裏返っていく流れが加速するとも言えるでしょう。口コミサイトで見積もりが掲載され、SNSで顧客ごとの特別対応が公開されるごとに、「余計なものができて…」という感想も聞こえたものですが、その認識は明確に間違えていて、社会全体がそこに向かって変化をしており、それは利用者のニーズがあるからに他ならないのです。

結婚式の契約時と当日の見積もり差の問題は、顧客が自然に把握できるような状況が生まれるでしょうし、契約内容の妥当性についても検知される仕組みが登場するでしょう。

また、集客のあり方についてはDX化の影響が最も大きく出るのではと考えられ、ここは先行して取り組んだ企業が優位性を維持する流れになることは間違いないと見ています。リクシィでも、「SNS&PR支援」「LINE運用代行」といったメニューを打ち出していますし、冒頭のトキハナウェディングオンラインフェスも、その世界観を見据えた実験とも言えるわけです。

おわりに

DX化について簡単に紹介させていただきました。ウェディングにおいては、個々の新郎新婦にいかに対峙するかが重視されてきましたし、会社経営のマネジメントにおいても個々の人と人との結びつきが非常に強いものでした。

その長所も大いにあることは理解しているつもりですが、DXにおいては足かせになってしまう可能性があることも意識しておく必要があるでしょう。社会の変化に対応することが、自社の強みを捨てることになりかねません。印鑑ですら電子化に切り替わる世の中。遠いと思われていたその時代は、コロナの影響で5年前倒されたと言われています。

コロナは全員の意識が変化したタイミングです。長期で見据えたときに、今だからできることに注力してみるのも良いのではないでしょうか。

安藤 正樹 - Masaki Ando
株式会社リクシィ代表

花嫁の不安を“トキハナツ”式場探し「トキハナ」を提供するウエディングプラットフォーム事業、ブライダル企業の事業をサポートするブライダルコンサルティング事業、ブライダル特化の人材紹介サービス「リクシィキャリア」などを提供するブライダルビジネスサポート事業を柱に展開。
ブライダル業界の構造改革、結婚式であふれた世界を創ることを目指しています。

twitter:
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Clubhouse:@antimo0926
note:https://note.mu/masakiando



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