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結婚式DX支援として「Withコロナ・Afterコロナ時代に適応した 結婚式場運営に対する8つの仮説」を発表(無料公開資料はクローズ)

リクシィ代表取締役社長の安藤正樹です。

6/11に「リクシィ、結婚式場向けDX支援メニューをスタート」ということで、このようなリリースを出させていただきました。

リクシィブライダルコンサルティングのサイトも、良い塩梅にリニューアルされています。

リクシィブライダルコンサルティングについて

リクシィブライダルコンサルティングは、リクシィ創業事業です。

私や取締役山口淳司を中心として、ブライダルXテクノロジーの観点から、20社200会場以上のウエディング事業者様の支援を行ってきました。

単店舗の立て直しから、KPI指標の導入、デジタル領域(ネット広告HP、SNSの活用)まで、業界内で先進的と言われる案件を多数手掛けてきています。

が、必ずしも積極展開をしてきたわけではなく、引き合いを頂戴したらご提案をするというスタンスで展開をしてきました。今回のリリースは、新しいメニューということになります。なぜこのようなリリースをすることにしたのかを語ってみたいと思います。

背景:なぜやるのか

新型コロナウイルス感染症は、ブライダル業界にも大きなダメージを与えましたが、6月になり、徐々に新規来館は復活し、7-8月に挙式予定だった方々も予定通り実施されるという話も聞こえてきます。まさに新たな局面に進んでいる状況だと見ています。

今後、世界はどう変わるのか、第2波がいつくるのか、この問いの答は誰にもわかりません。コロナ感染懸念に対する、式場探しをされる方々のスタンス、結婚式予定の方々のスタンスは様々で、消費動向も読めません。

そのような中で重要なのは、結婚式を挙げたい方々が安心して挙げられる環境をつくること。そして結婚式場をもたない我々にできることは、そのような変化にスピーディに対応できるように結婚式場を支援すること。

「過去の経験」が通用しない時代に、必要とされるのは「未来への想像力」。

リクシィでも、無料ウェブセミナーである、REXIT WEDDING ONLINE LAB(#リクシィラボ)を毎週木曜日に開催し(延べ視聴回数7857回・6/9時点)、様々なディスカッションを社内外で行ってきました。

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我々は、結婚式場の本分は、良質な結婚式を顧客に提供することに尽きると考えています。そして、その領域は非常に得意なのは言うまでもありません。

一方、率直に言って、デジタルの活用など、新しい取り組みは非常に苦手としていることも知っています。

リクシィブライダルコンサルティングを始めたのも、インターネットがわからないだけで集客力を落とし、良い結婚式を提供しているのに組数が減るという誰得かわからない状態は不健全という問題意識が根底にあります。

果たして、結婚式場各社は今回のコロナによる変化にうまく対応できるのだろうか。コロナ禍で経営が不安定になったり、デジタル化・オンライン化のような必ずしも結婚式場として得意ではない領域でつまずいてしまうのはもったいないと感じています。

事実、「オンライン接客」などは、早々に取り組むべきところ、対応の差は歴然としており、横一線で4月に始まったはずの新しい競争も早々に差がついている状況を目の当たりにしています。

このコロナのピンチは、結婚式産業全体をトランスフォーメーションする絶好の機会にすべきであり、結婚式をアップデートして、結婚式をしたいと思える構造に組み替えるチャンスなのです。

「ブライダル業界の構造改革、結婚式であふれた世界を創る」というミッションを掲げるリクシィにとっては、ここで動かなければなりません。

そう考え、「今、何ができるか」についてをオープンに共有すべきと「Withコロナ・Afterコロナ時代に適応した結婚式場運営に対する8つの仮説」として資料にまとめ、公開することにした次第です。

仮説:Withコロナ・Afterコロナ時代に適応した結婚式場運営に対する8つの仮説

8つの仮説は以下の構成になっています。

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その内容をチラ見せ。
デザイナーを入れて作成したわけではなく、リクシィが誇るコンサルタントが一生懸命夜なべして手づくりでつくった暖かい代物になっています。
Withコロナ・Afterコロナ時代に適応した 結婚式場運営に対する8つの仮説200610

Withコロナ・Afterコロナ時代に適応した 結婚式場運営に対する8つの仮説200610 (1)

Withコロナ・Afterコロナ時代に適応した 結婚式場運営に対する8つの仮説200610 (2)

Withコロナ・Afterコロナ時代に適応した 結婚式場運営に対する8つの仮説200610 (3)

Withコロナ・Afterコロナ時代に適応した 結婚式場運営に対する8つの仮説200610 (4)

Withコロナ・Afterコロナ時代に適応した 結婚式場運営に対する8つの仮説200610 (5)

こちらの資料をご覧いただき、リクシィの出番があるならば喜んでサポートさせていただきたいと思っています。

また、資料全体をご覧になりたい方も、弊社のサイトより「8つの仮説資料希望」と書いて、お問い合わせください。
(問い合わせはこちらから!)

一方、「これ見れば自分たちでできるな」ということであれば、リクシィのお仕事にならなくても、ある意味理想的だと思っています。その理由は、以下のような未来の到来が早くなるからです。

展望:結婚式DXがもたらす未来

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、その時代やその先の未来で確実視されるテクノロジーやツールの可能性を最大限活用して、産業のあり方やバリューチェーンを最適化することで、消費者の体験価値を高めたり、サプライヤーの業務効率化を図ることと考えています。

DXはあらゆる産業で加速していくと考えられており、結婚式業界も例外ではありません。そして、結婚式業界でそれが進むことは、非常にポジティブな変化であると考えています。

結婚式DXの文脈でまず想起されるのはオンラインウエディングです。

結婚式DX⓪オンラインウェディング

リクシィでも、Vウェディングのサービスをリリースし、5/24に富田竜介さん・香菜子さんのオンラインウエディングを実施しました。

反響大きく、TVや各種メディアでも多数取り上げていただくことができました。

オンラインウェディングは賛否ありますが、
・参加経験がなくてイメージできないこと
・ご祝儀どうするのかなどのレギュレーションが謎なこと(我々は1000円から3000円が妥当と考えています)
・従来の結婚式をやりたい人にはただただ邪魔な存在であること
が議論の中心と思っており、本質的な価値があればいずれ落ち着くだろうと見ています。

オンラインウェディングの位置づけは
・なし婚層に対しては従来の挙式を代替するものとして
・あり婚層に対しては従来の挙式に加える形で実施されるものとして
利用されていくと我々は考えています。

が、結婚式DXはオンラインウェディングだけではありません。
ウエディングの未来は、どんな世界がまっているのかを想像してみました。

結婚式DX①情報の変化:式場の情報がオープンに

見学してもわからない情報こそ、見学前に知っておきたいという考え方が広まる。
ブラックボックスが多かった式場見学の構造は、見学前の体験をリッチに用意してくれる式場の話をまず聞いてみようという消費行動が広まる。
情報をオープンにできる式場が有利になり、不透明な見積もりは生まれにくくなり、式場ごとの金額の違いもわかりやすくなる。各社バラバラの見積りフォーマットも比較しやすいつくりに自ずと変わっていく。

オンラインでの接客は、ハードに依存しにくくなるため自ずと提案力勝負の環境を生み出し、セールスの強い式場ではなくクリエイティビティの強い式場が選ばれるようになる。

クリエイティビティは、人から生まれるものであり、結果、情報のオープン化は、式場で仕事をする個人も対象となり、個人レベルの活動が式場の認知形成に大きく寄与する流れになる。

Instagram、twitter、YouTube、tiktokなどで、結婚式場で仕事をする人の顔が見え、安心感も伴って個性が見えるようになる。

サービス業の価値は人がもたらすものであり、個性があり発信力のある個人が多く所属する式場が支持を得る。そして、反作用的に、伝統や歴史で比類なき実績を誇る式場も安定という位置づけで存在感を高めていく。

ウエディングプランナーはその実力を実績で示すことが求められ、思想や言語はtwitterやYouTube、画はinstagramやtiktokで発信されるようになり、スタープレイヤーが誕生する。

一方、顧客の不満を伴いやすい即決などの営業行為はオールドスタイルとして嫌悪され、世間から理解を得にくい婚礼約款も当日の金額に対するパーセンテージのチャージではなく、進行基準に基づく課金体系が導入されていく。

これらの情報を集約してみることができるプラットフォームも自ずと誕生する。

結婚式DX②組織の変化:プランナーはリモートに

結婚式当日に直接関連しない業務や、ショールーム・試着・試食・リハーサルメイクといった接触が必須になるサービス以外は、オンラインで行われるようになる。ウエディングプランナーは週3は自宅で仕事をしているのが、珍しくなくなる。

業務をサポートするデジタルツールや、シェアリングサービスの導入が当たり前となり、顧客データはクラウド上に蓄積され、社内コミュニケーションもデジタルなツールが当然のように使われる。

優秀なプランナーは、フリーランスないし会社間の事業提携により複数の式場の仕事を掛け持ちするケースがあり、過去頻繁に見られた出産をきっかけとする退職も一気に減少するどころか、復職する社員が増えることで結婚式産業の人不足は一定解消方向に進む。

プランナーに限らず、結婚式の準備段階でサービス提供を行うベンダーも接客のオンライン化により物理的な制約がなくなって、売れっ子と化したスタイリストや司会者、クリエイターが、全国の新郎新婦のディレクションを担うようになる。その指揮下でサービス提供をする組織がシンジケート的に構成されるようになる。

各組織固有のノウハウは、デジタルデータとしてアーカイブ化されていき、効率的にシェアされていく。

各式場ごとに導入されていた業務管理ツールは、多くの式場が共通で使用するインフラが整備され、どの式場・どのプレイヤーでも同じ規格のもと、結婚式の準備を進めることができるようになる。

結婚式DX③サービスの変化:結婚式自体が多様化し選択肢が豊富に

従来の、披露宴層・挙式のみ層・フォト婚層・海外挙式層にとどまらず、
・コロナをきっかけに少人数での結婚式を希望する層
・少人数の結婚式を2部・3部構成で実施する層
・オンライン結婚式を1.5次会的な位置づけで従来の挙式と組み合わせて実施する層
・海外挙式ではなくオンライン結婚式にシフトする層
・後撮りの代わりにオンラインパーティを組み合わせる層
など、多様化が進み、披露宴時間も2時間半の常識から1時間半のような短縮化されるなど、プライスダウンすることで経済的理由で結婚式を見合わせていた顧客層が実施するようになる。

個々の結婚式場の価値は、多様化した特定のセグメントにフォーカスするか、全方位的にプランニングやコンテンツの観点でいかに付加価値の高いサービスを供給できるかが問われるようになる。

結婚式場の施設は、物理的なスペースとしての価値は営業上も体験上も低下するが、ソフトの価値を象徴する役割の比重が高まるようになる。

結婚式DX④経営の変化:経営力の差が顕著に

オープン化、リモート化、多様化の流れに、自社の独自性と便益を価値提供できる式場は、コロナをきっかけに成長を遂げた成功モデルとして業界内外でも注目を集めることになる。

不確実性の中、ビジョンやミッションに忠実で変化する商環境の中ですべきことを貫き、前年対比による事業予測ではなく、1年後のPL・CFをリアルタイムにリバイズしながら最悪の状況も踏まえた経営管理を行えた企業が、生き残る。一方、これらの環境の変化に対応できない式場は淘汰されていく。

ただ、特筆すべきハードを有するプレイヤーは、様々な同業他社に場所の利用券を開放することで、場所貸しとしてのビジネスに特化し、広告費と人件費をかけずに地代家賃だけを負担するモデルとして生存していく。

狙い:今回のDX支援を限定メニューにする理由

上記のような世界は、結婚式を広告営業勝負から、商品サービス勝負に変える意味で、非常にポジティブな変化になると我々は考えています。

それが、自発的に進んでいく世界を待ち望んでおり、今回発表する「Withコロナ・Afterコロナ時代に適応した結婚式場運営に対する8つの仮説」がそれに貢献すると良いなと思っています。

自社でやってほしいという想いならば提供先の会社数を絞っても良いのではと、2020年6-8月の間、10社限定、特別価格にしようという背景でした。
(と言いつつ、こちらの支援をできる人的リソースが足りないというのが本当の話かもしれません)

このような未来が本当にくると思えるかどうか。
そう思えるなら、今何をしておくべきなのか。
ぜひ考えるヒントになればと思います。

リクシィはこれからも結婚式業界に、REal X ITをテーマに貢献していきます。

よろしくお願いいたします。


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