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【with wedding vol.37】2020年以降の業界の展望について

REXIT(リクシィ)

※株式会社リクシィ代表安藤が寄稿したウェデングジャーナル
連載号:2020年8月号 第128号 の内容を転載しております。

本稿を書いているのは7/31になります。過去2回、ウィズ&アフターコロナの8つの仮説について紹介させていただきましたが、この3か月でその仮説が何が正しくて、何がそうではないのかも一定わかってきました。一方、事実上の第2波が訪れている中、再度、今後の展望を考えるべきタイミングにきていると思います。

今回は、これまでのテーマに対する現時点の考えのアップデートと、事実上の第2波をふまえて現状の見通しについて、私見を紹介させていただきます。

<8つの仮説の振り返り>

①変化する顧客動向

顧客の志向性として、衛生管理への取り組み方や企業姿勢への関心が高くなっていることは間違いなく、自社の発信手段を用いて届けているかどうかで差はでているなと思います。情報開示は非常にセンシティブな状況だと思いますが、現況下では顧客ニーズを踏まえると、積極的な発信・開示(特に日程変更やキャンセル)をできるなら、メリットが大きい状況にあると見受けられます。

②オンラインで情報収集

5月から6月になり、見学が可能になるや否やオンライン見学は減少したという結果で、ブライダルフェアに参加しようと考える顧客にはオンライン見学はさほどメリットに感じないという結果だったのかなと感じられました。が、潜在層へのアプローチとしてオンライン商談は有効と考えられ、上手に活用できるかは差がつくことになると考えられます。

③パーティの少人数化

少人数化の傾向は、ダイナミックではないものの、一定顕在化してきているなと考えられます。お客様の意向ありきではあるものの、式場として2020年秋施行のお客様に対して、人数を減らしてでもそのまま施行いただきたいのか、延期いただいて未来のキャッシュインを狙う方が良いのかといった選択が必要になるでしょう。親族関係者だけでこの秋に挙式を行って、友人は2021年とという案が、お客様ニーズも収益面でも合理性もあると思われますが、お客様からの反応として費用がかさむことを懸念する声があがると思われます。少人数になって単価粗利が減るよりも、多少追加の値引をかけてでも少人数&後日披露宴という提案をする方が双方にとってプラスになる可能性が高いという考え方もあると思われ、柔軟な発想ができると良い答えが見つかるかもしれません。

④リモートワーク普通時代

多くの式場が、休業状態をとっている事実もあると思われ、リモートワークに向けてのアクションはまだこれからなのかなと見ていますが、②の動きとは連動するでしょう。

⑤不透明な先行きへの予測

ここは今日時点では2020年秋施行の売上がまだ見えない状況下では、50%程度になることを考える必要があるでしょう。コロナの影響がいつまで続くのかは依然誰にもわかりませんが、であるならばワーストケースを想定する必要があり、それはワクチンが完成・普及しない限りは元に戻らないという考え方になります。2020年、2021年は、1.4兆円と言われる市場規模が0.7兆円になる、というとらえ方をすべきでしょう。

⑥固定費⇒変動費

現実、人件費を変動費化することは難しいと思われ、広告宣伝費をいかに落とすかにフォーカスすることになるでしょう。広告宣伝費は下げても集客は必要です。全ての結婚式場が広告宣伝費を減らすと実は費用対効果が良くなる構造もある中で、人件費でいかに来館を増やすかという発想と行動が重要になり、具体的にはSNSの活用という話になります。

⑦ITによる効率化

業界特化型のITベンダーへの相談は多くきているそうで、この流れは加速的に進んでいくでしょう。

⑧経営デザイン

「土日に結婚式をする」を主軸に置くモデルから、場合によってはその前提を捨て、「土日に結婚式が入ればアップサイドになる」というモデルに変えていくという転換も検討する価値があります。貸会議室でもダメではないと思いますが、ウェディングにつながる可能性はありません。ケーキショップ、フォト教室など、1つ1つは小さなものでも地代家賃を賄えるものであれば良く、SNS等でのコミュニケーションを活かして、結婚式につなげるような取り組みをトライしていくことが有効でしょう。社員のキャリアパスをウェディングに関連する形で拡げていくことが極めて重要になるように思います。

おわりに

ウェディングにもゲームチェンジの波は確実に生まれています。大きな方向性は3つだと思います。

1つは、攻めること。他社が活動を停止している間に新しい集客手法を構築する。既にそのようなアクションをされている式場も生まれていますが、地方系の式場ほど動きが活発な印象です。

2つ目は、かがむこと。結婚式を前提にした施設運営を辞めて、地代家賃を結婚式以外で賄うモデルを見つける。そして、それらの活動の延長として結婚式の顧客を獲得して利益を残す。

いずれも人件費で集客を増やすということが肝になり、SNSの活用とリード獲得という話になります。具体的な手法の成功事例でオープンにできるものはまだ少ないですが、今後、確実に増えてくるでしょう。

3つ目はどちらも選ばないということ。この2か月、様々な式場の方と会話をする機会がありました。実際、8割程度の式場がここで、何もせずに元に戻ることを前提にしている姿勢のように感じます。

新型コロナにより、ピンチはチャンスと捉え、この産業自体がどう変革されていくかというきっかけになると考えていましたが、おそらくそれは起こらないなと思いました。

今後、生き残る確率が高いのはキャッシュリッチでなければ、1つ目か2つ目の会社になるのは間違いありません。必要なのは過去の成功体験や常識を捨て、新たな事業モデルを自社のアセットを活かしてどう構築できるか。まさにベンチャーマインドがすべてであり、市場規模半減の効果も相まって、激しい生存競争が進む可能性も十分あります。元々供給過剰と言われていた構造のリスクが急速に前倒され、残存者利益を手にする式場が復活していくというシナリオが目の前にきているということで、そちら側に到達する20%になれるかどうかが勝負どころ。非常に厳しい世界です。仮に今までは新しい式場をつくって媒体に出稿すれば成立した時代があったとすれば、それとは比べ物にならない難易度だと思います。が、必ず答はあります。

ポイントは、市場規模の半減(0.7兆円)、今まで通りの状況には戻らない事実の受容、社員の動かし方の変革(集客)、ベンチャーマインドによる新しい事業の創造。

トキハナでも、8/4(火)に式場のコロナ対応をサイトに掲載し、8/6(木)にトキハナ ウェディングオンラインフェスというイベントをYouTubeで実施します。我々も厳しい商環境に置かれていますが、少しでもヒント・アンサーになる事実をつくるべく努めていきます。

安藤 正樹 - Masaki Ando
株式会社リクシィ代表

花嫁の不安を“トキハナツ”式場探し「トキハナ」を提供するウエディングプラットフォーム事業、ブライダル企業の事業をサポートするブライダルコンサルティング事業、ブライダル特化の人材紹介サービス「リクシィキャリア」などを提供するブライダルビジネスサポート事業を柱に展開。
ブライダル業界の構造改革、結婚式であふれた世界を創ることを目指しています。

twitter:
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note:https://note.mu/masakiando


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