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【with wedding vol.36】ウィズ&アフターコロナで考えておくべき8つの仮説(後編)

REXIT(リクシィ)

※株式会社リクシィ代表安藤が寄稿したウェデングジャーナル
連載号:2020年7月号 第126号 の内容を転載しております。

本稿を書いているのは6/30になりますが、新規来館、施行の動向が非常に気になっているところだと思います。新規来館については、大阪や名古屋といった都市部は新規来館が徐々に回復してきており(前年比4-6割)、一方、東京ではそこまでいかず、地方によってはまだ冷え込んだままという話を聞いています。実質的には、4-6月に見学控えをしていたお客様が見学に流れていると考えると、回復は2割程度と言えるかもしれません。トキハナにおいても、情報収集としてご利用くださるお客様は広告を控えている中では想像以上に多い状況ですが、「見学に行きますか?」となるとまだ様子を見たいという態度になるケースもまた多いです。

施行については、5-10%程度のお客様がキャンセルをされており(トキハナはキャンセルだと式場様に返金をしているため等しく打撃を受けていますが…)、エリアによっては少人数化の流れも出てきているという話も聞かれます。一方、結婚式をオンラインで配信されるケースも増えているなと、工夫も見られ始めています。

今後、結婚式をめぐる現状がどのように変化していくのかはまだまだ読めない状況かと思います。リクシィでは先日、「ウィズ&アフターコロナ8つの仮説」という資料をリリースさせていただき、前回のvol.35では、前編としてそのうち4つの仮説を紹介させていただきました。今回は、残り4つの仮説について紹介をしていきたいと思います。

おさらい:ウィズ&アフターコロナ8つの仮説(前編)

①変化する顧客動向

Before:媒体&販促写真勝負
After :衛生対策・企業姿勢勝負
Solution:媒体だけに依存しない自社集客

②オンラインで情報収集

Before:まずはブライダルフェア
After :まずはオンライン見学
Solution: ハイレベルオンライン接客

③パーティの少人数化

Before:70名前提の婚礼単価
After :30名前提の婚礼単価
Solution:商品開発と施行枠の新しい概念

④リモートワーク普通時代

Before:週5日現場勤務
After :週3日自宅勤務
Solution:リモートワーク環境整備

ウィズ&アフターコロナ8つの仮説(後編)

⑤不透明な先行きへの予測

Before:感覚的な組数予測
After :リアルタイム予測
Solution:forecastの運用

今、必要なことは、楽観的なケースと悲観的なケース、両方の想定です。今年の秋~冬は施行数も今のままだと多くなっている式場が多いと思いますが、2020年12月までに新規来館ペースが100%に戻るケース、30%にとどまるケースを考えておく必要があるでしょう。後者の場合は、2021年1月に100%になるのか5月になるのかそれぞれのケースを考えておかねばなりません。それによりキャッシュフローの計画も大きく変わるはずで、今広告をかけるべきなのか否かも大きく判断が分かれるでしょう。いつ見学控えのお客様が雪崩のように来館され始めるかもわかりません、その時に体力を残しておけるかも非常に重要なポイントになるでしょう。

必要なのはシミュレーションです。昨年対比や感覚での想定施行数には何の意味もなく、ロジカルなシミュレーションに基づく運営に脱皮する必要があります。少人数化のオペレーションを想定すべきなのか、新しくプランナーを採用すべきなのか、広告費を投下すべきか否かの判断全てを未来予測から逆算して実施する必要があるでしょう。データ経営に変化するチャンスとも言えるでしょう。

⑥固定費⇒変動費

Before:重い固定費
After :軽い固定費
Solution:外部リソースの活用

第2波の懸念、いつ市況が戻るかわからないという観点では、費用をいかにコントローラブルな状況にできるかが重要です。結婚式場の3大費用は、地代・人件費・広告費と言われます。サロンと本館が別の場合は本館内に移設させるなど地代面でできることはあると思いますが、どこかに限界があるもの。広告費は出し入れをするとした場合に、人件費やそれ以外のコストを変動費へと転換させる考え方が必要になると考えられます。

業務負荷を軽減できる領域としては「媒体入稿作業、SNS運用、来館予約対応業務、新規接客(オンライン接客 / 対面接客)などが、専門性が高い領域としては法務・経理・会計などが、仕入れや分析といった面もアウトソーシングできる部分があるでしょう。在宅を認めることにより、社員の雇用形態の切り替えなどが必要というケースも考えられます。非常に難しい判断になると思いますが、早めの打ち手が必要となるでしょう。

⑦ITによる効率化

Before:アナログ&FAX
After :オールデジタル
Solution: 最適なITツールの導入

まだまだ日常業務をアナログ中心で行っている式場が少なくないと思いますが、効率面を考えると議論の余地なくデジタル化すべき状況にあると言えるでしょう。詳細な理由の説明は省きますが、「今までのやり方でこれ以上効率化できるのか?」と考えれば答は明確かと思います。産業全体の視点でも、ITシステムの導入の遅れが、競争力の低下を招いていると言っても過言ではないでしょう。

⑧経営者デザイン

Before:過去の経験則を活用
After :未来の想像力を戦略化
Solution:戦略思考に基づくトータルデザイン

全ての施策・方針が一貫したビジョンの元に成立しているのか、矛盾が無いかを考える必要があるでしょう。リモート化を推奨するのにITシステムを導入しないのは成立しませんし、予算が無いのに導入することもできません。整合した手段を選ぶ必要があります。経営者が「IT化を推進する!」と宣言しておきながら、使えていないと社員はついてこないでしょうし、この努力がとてつもなく重要になる状況と言えるでしょう。

おわりに

8つの仮説を2回にわたって紹介してきました。前編でも申し上げたことになりますが、最も重要なことは、ビフォーコロナで苦戦していた式場ほど、このタイミングでの変化に賭けるべきだということ。危機感を口にしない結婚式場は一つもありません。

が、実際に何かアクションにつなげている結婚式場がどの程度あるかというと思いのほか少ない印象です。元に戻ることを期待しているとすれば、忘れるべきではないのは、その前も負けていたということ。広告費をかけられないなら、SNSを活用して自社の価値を発信する、HPを変えるのであれば自分で勉強して見よう見まねでも良いのでページをつくってみる、それくらいの気概が必要でしょう。システム化についても、外部のプロダクトを導入せずとも、スプレッドシートやslackなどの安価なツールで十分対応可能なはずです。経営目線で考えると、いつまでキャッシュが減っていくのかわからない、いつ回収できるのかわからないという状況。市況が元に戻れば、自社のやり方を元に戻すことは誰にでもできます。新しい戦略を練り、必要な施策を講じていく、または、新たな戦略を練るためのトライを重ねていく。それが今、最も重要なことではないでしょうか。我々もヒントになるような事例をつくれればと努めていきます。この危機を産業全体で乗り越え、ピンチをチャンスにできればと思います。

安藤 正樹 - Masaki Ando
株式会社リクシィ代表

花嫁の不安を“トキハナツ”式場探し「トキハナ」を提供するウエディングプラットフォーム事業、ブライダル企業の事業をサポートするブライダルコンサルティング事業、ブライダル特化の人材紹介サービス「リクシィキャリア」などを提供するブライダルビジネスサポート事業を柱に展開。
ブライダル業界の構造改革、結婚式であふれた世界を創ることを目指しています。

twitter:
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Clubhouse:@antimo0926
note:https://note.mu/masakiando


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