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家庭における父

家庭のために汗水流して働く父、それこそ朝早く行って帰りが遅かったり、逆に朝遅くて夜番を担当する。

それ故家にいる時間が短く、妻子に顔を合わせる機会が減ってしまう。

毎日顔を合わせる家庭という環境で、その顔合わせの量が減るとどうなるか…?

悲しくもやはり妻子の対応が冷たいものとなる。

父の発言・問いかけに対し、子は無視をしたりひどい時には話しかけてくんな等、父が少し口を開くだけで機嫌を損ねるといった有様である。

特に妻は酷い。

まず無視は当たり前となる。それに反して逆に父が無視をしないまでも、ちょっといいかげんな返事をすればそこをぐちぐちと父に食ってかかる。

挙げ句の果てに、「臭い」、「邪魔」、「死ねばいいのに」等の罵詈雑言。それに加え、隙あらば嫌がらせの襲撃。

ちょっとでも父が妻に対して嫌がらせしてみろ。倍返しじゃ済まされない。

勘弁したってくれや。父は仕事で肉体的疲労に苛まれてるのに、家に帰れば次は精神的打撃ということか?!

食事よ!出来る限りでいいから父を癒してくれ!父に力を!

しかし現実は甘く無い。

仕事に疲弊して夜遅く帰ってくる。

そこにあるのは夕食の残りとは形容し難い、もはや食いちらかされた微々たるおかず。

これで仕事帰りの父を癒すことなど出来るであろうか?

父は仕事帰りに食料確保のため、惣菜を買って帰ってきた。

当然である。父に食べ物の屑など食べさせられない。それを見た妻はすかさずこういうのだ

「また買ってきてる。毎日なんか買ってるよね?お金無いんじゃ無いの?」

妻は必ず、”毎日”と言うのだ。明らかに毎日なんて買ってないのに毎日と言うのだ。


やはりその言葉の通り、妻は父の死を望んでいるのか?

だってそうであろう?単純に精神的・肉体的苦痛を与えている。家では自由のはずだぞ?

しかしそんなことをするのは悲しいかな、幼い頃一緒に分け隔てなく遊んだ子もまたそうなのだ。

諸君もお分かりの通り冬の真夜中は恐ろしいほど冷える。

そう、夜番を務めくたくたになった父を苦しめるのは冬の夜にも存在する。

暖かいであろう家にたどり着いた父は疲れと寒さからの開放で、食事もとらずそのままこたつで寝てしまう(気持ちよく寝なさい)。

朝を迎えると子は学校の準備で、朝食やら着替えやら忙しい。

そんな中、体の大きい父がこたつでドーンと寝ているものだから、朝の機嫌が悪い子は父にあたるのだ。

父がこたつの布を巻き込むと、子は容赦無く父の巨体に力強く蹴りを飛ばす。

憐憫の情を抱かずにはいられない。父は気持ちよく朝を迎えることもできないのだ。

ここまで読んでくれた諸君はもうお分かりかもしれないが、家庭における「父」(少なくとも私のイメージのそれ)には癒し・休息などありゃせんのだ。

家庭のために働き、家庭に苦痛を強いられ…。

諸君には是非とも家庭における「父」を大事にして欲しい。日々の感謝を忘れないで欲しい。

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