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三陸では、混沌(カオス)から価値が生まれる (10月6日)

 昨日は、大船渡に向かい、「三陸沿岸地域連携シンポジウム」で基調講演をおこない、またその後のパネルディスカッションで司会役を務めました。

 昨年12月、三陸沿岸道路が全線開通しました。これは三陸地域の長年の悲願であり、震災後に道路開通が復興にむけたリーディングプロジェクトに昇格し、10年の月日を得て実現したことになります。

 この催しは道路開通を目的として開催されていましたが、今回から、道路を活かして三陸がいかに連携するかを考えていく会議に変わっています。その第一回で話ができたのは、ありがたい機会でした。

 パネルトークでは、四人の方に話を伺いました。

菅野一代さん (唐桑御殿つなかん、気仙沼)
浅間勝洋さん (三陸花火競技大会、陸前高田)
臂徹さん (キャッセン大船渡、大船渡)
戸塚絵梨子 (パソナ東北創生、釜石)

 印象に残ったのは次のような点です。

・大船渡の入込客数は100万人から40万人に減少。地元向けサービスばかりになる中、いかに地域外の人たちむけの価値を作り込むかが重要
・三陸の飲み屋は匿名性がないが、そのことを強みに転換させる (釜石の飲み屋では、始めてきた東京人も釜石の人もみな繋がってしまう)
・副業やインターンで三陸に関わりたい方は多い。少ないのはむしろ地元の受け皿
・外の人を消費者で終わらせず、地域の動きに参画してもらって、価値を創る側にまわってもらう
・受け皿は、混沌から生まれていく

 三陸では都会的な洗練されたサービスは少ないかもしれません。しかし、都会の人と三陸の人が混じり合って、そこから新しい動きがうまれるような、”混沌”とした場がいくつもあります。そんな実例を四人の皆さんから伺えて、三陸の価値と可能性をあらためて感じられるセッションになったように思います。

 福島沿岸部も、ともすると計画経済的なプロジェクトが表に出がちですが、実は多様で混沌とした人や機会があります。そんな価値も、移住支援センターとして発信できたら、と思います。

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