笑うバロック展(277) マニア垂涎「タワレコ限定」の21世紀「好し」

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少年合唱を用いたアルカイックな美しさは、譬えるなら木彫りのマリア像か。これほど素晴らしい演奏がここしばらく輸入盤でも手に入らず、何度お客様にお詫び申し上げたか知れないが、今回の再発でようやく皆様に胸を張ってお薦め出来るようになった。バイヤー冥利に尽きるとはこのこと。なお、晩課と同時に、時の教皇パウロ5世に献呈されたミサ曲も同時に収録、こちらは厳格な対位法を用いた佳作。(新宿店 城 義忠)

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オルガンと言えば、誰しもバッハの「トッカータとフーガ」のようなパイプオルガンの荘厳な音色を思い浮かべることでしょう。しかし、このアルバムでは、様々な種類の小型な歴史的オルガンが登場し、パレストリーナからコレットまでの10人の作曲家たちの作品が弾き分けられています。あるオルガンは可愛らしい音色、またあるオルガンは渋く燻んだ音色、と楽器毎の音色を聴き比べるのは実に愉しいもの。心癒され、座右に置いておきたくなる1枚です。

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これまでご好評をいただいているMAKの再発シリーズにまた新たな1ページが刻まれます。1978年に収録されたアルバム「ル・パルナッス・フランセ」以降のフランス作品のうち、これまで散逸されていた(1980年代後半以前までの)アルバムを元の通りに戻すことを前提に、今回のVol.1と次回Vol.2に分けてボックスで発売いたします。曲によっては別の盤に収録されており、未CD化の曲もありましたが、今回初めて収録時期順にオリジナルの形でCD復刻いたします。4枚すべて国内盤初発売当時のオリジナル解説も再現。永久保存盤です。全32ページの解説&歌詞対訳付き。

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大胆で過激な音によるドラマ、アーノンクールの名盤『バロック期の標題音楽集』が復活!2010年、30年ぶりに来日をはたしたアーノンクール&ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの数多い録音のなかから、ひときわ異彩を放つ名盤『バロック期の標題音楽集』。「音の模倣」、「絵のような情景の音楽による描写」、「考えや感情の音楽による表現」と標題音楽の一面を語るアーノンクールらしく、大胆さと過激さをあわせ持った名演奏です。弟フランツ・アーノンクールを語りに迎えたマレ「膀胱結石手術図」をはじめ、音のドラマが生き生きと繰り広げられます。

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生誕100年記念盤。3種あるミュンヒンガーの「四季」の最終回答! 有名なバルヒェットとの第1回目録音を特別収録! 第2次世界大戦により大きな痛手を受けたヨーロッパでは、戦後その深い傷を癒すようにバロック音楽ブームが巻き起こります。若手アーティストたちによって、イタリアではイ・ムジチ合奏団、フランスではジャン=マリー・ルクレール器楽アンサンブル(後のパイヤール室内管弦楽団)、そしてドイツではシュトゥットガルト室内管弦楽団などが組織され、演奏会に、レコードに活躍しました。1948年にLPレコードが開発されると、彼らの清新な気分をもった演奏はこの新しいメディアに乗って世界へと広まりました。この流れの中で、戦前あまり顧みられることのなかったヴィヴァルディの『四季』が一躍人気作品となります。1951年3月に英デッカによりモノラル録音された、カール・ミュンヒンガー(1915~1990)指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団盤(英デッカLXT2600)は、その草分け的なLPレコードでした。(中略)日本でも1954年に発売され、多くのリスナーを魅了しました。その後、1955年にイタリアのイ・ムジチ合奏団が『四季』を録音すると、対照的な演奏スタイルによる二つの名盤として一層親しまれるようになります。ミュンヒンガーが1958年に『四季』をステレオ再録音すると、イ・ムジチも1959年にステレオ再録音してつばぜり合いを演じ、イ・ムジチが1969年に再々録音を行うと、ミュンヒンガーも1972年に再々録音を行いました。このCDにはミュンヒンガーの1951年盤と1972年盤の2種の『四季』を収録しています。ソリストは前者がドイツ人のラインホルト・バルヒェット(1920~1962)、後者がポーランド人のコンスタンティ・クルカ(1947~)です。明るい音色と弾むようなリズムで拍節をきちんと刻み、バルヒェットがしっとりとした抒情的なソロを聴かせる1951年盤、テンポがずっと速くなり、クルカの流麗なソロともども流線型のスタイルを見せる1972年盤と、両盤は新古典主義からネオ・ロマン主義への時代様式の変化や、ミュンヒンガー自身の芸風の変化を映した大変興味深い組合せとなっています。今回の復刻では、ジャケットにLP初出時のオリジナル・デザインを使用し、従来通りオリジナルのマスター・テープからハイビット・ハイサンプリング(192kHz、24bit)音源をCDマスターに使用しました。

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テレマン没後250年企画。有田正広氏参画のオトテール・アンサンブルによるアルヒーフ・レーベル2作目を、約20年振りに復活。日本の古楽演奏の世界的水準を初めて鮮烈にディスク上に刻印した、歴史的録音のひとつ。(中略)1979年の「18世紀のフランスの音楽」から始まったこのプロジェクトは、その後日本コロムビアの「アリアーレ」シリーズの母胎ともなり、当時最先端であった日本の古楽界を牽引する礎となりました。オリジナル楽器による演奏を日本でも根付かせたい、という彼らの熱意と当時の製作者たちの共感する想いがこのプロジェクトに結実しています。今回は1986年録音の歴史的録音を、2017年のテレマンの没後250年にあわせて復刻いたします。オトテール・アンサンブルは花岡和生氏、有田正広氏、本間正史氏の3名が中心となって1978年に東京で結成されたバロック室内楽演奏グループです。3名はほぼ同じ時期にオランダとベルギーに留学した折に、アンサンブルを帰国後結成する構想を持っており、結成後1年を経てアルヒーフに第1作を録音。

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“初期“コープマンの凄みを感じさせる「幻の名盤」が遂に世界初CD化!オリジナルを重視し、自身のライナーノーツも復活掲載。矢澤孝樹氏による新規序文解説付 今年(2018年)10月に74歳を迎える古楽界の巨匠、トン・コープマンが若干35歳の時にPHILIPSレーベルへ録音した「幻の名盤」と言える、1980年収録の"ハープシコードの世界"を世界初CD化で復刻。1973年にTELDECレーベルでレコードデビューを果たしたコープマンは、70年代には独奏者、伴奏者、室内楽奏者として、複数レーベルに30枚ほどの録音を70年代に既に残していました。その後は79年に自身が組織したアムステルダム・バロック・オーケストラで世界的に注目を集めることになりますが、その狭間とも言える70年代後期のアルバムの中には埋もれたままになっているものが多くあります。今回の"ハープシコードの世界"も、80年にリリースされた後は、その後すぐCD時代に突入したこともあってか、その注目すべき内容に対して再び注目を集めることはありませんでした。
しかしながらコープマン自身が選曲したこのアルバムは、その妥協のない姿勢と演奏に、今さらながら驚く内容と言えます。本来は35歳という年齢でこれから世界に羽ばたいて行く若手の注目演奏家に対して、顔見世的な意味でも有名曲で固めるのがレーベル側の戦略の最も有効的な手段と思われますが、ここに収められた曲は有名曲どころか、あまり知られていない曲が多く、バッハであってもいわゆる超有名曲が収められている訳ではありません。そこにコープマンの拘りとマニアックとも言える特質性が見て取れます。
解説書もコープマン自身の曲目解説に加えて、曲毎に使用した楽器の説明(モノクロ写真6点付)を加えているという拘りようです。今回の復刻では当時の解説をそのまま掲載しました。

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