笑うバロック展(387) バロック音楽「新3大」「独奏楽器のための協奏曲」

独奏楽器のための協奏曲は、バロックの発明品のひとつです。発明品なので、実はそんなにたくさんあるわけではありません。コレルリとかクープランは残していません。

ビバルディがほとんど協奏曲のチチといってよいかと。ミニマルの祖かも。いずれにしても「独奏楽器のための協奏曲の大王」であることは間違いなさそう。

ヴィヴァルディは書こうと思えば高度に対位法的なフーガなどの音楽も書くことができたが、より直感的で透明な音楽を主に書いた。この親しみやすさによって第二次世界大戦後のバロック・ブームはヴィヴァルディの再発見という形で進められた。その一方でヴィヴァルディの作品はどれも同じという批判的な意見もあり、たとえばダッラピッコラは「600曲の協奏曲を作曲したのでなく、1曲を600回作曲したにすぎない」と言ったとされる。ストラヴィンスキーも「同じ形式をあんなにくりかえしくりかえし作曲できた、退屈な男にすぎない」と言っている。皆川達夫は、個人的な好みとしながらも「ヴィヴァルディの音楽の品のなさが耐えられない」と言っている

それはそれとして、深夜テレビに倣って「新3大ほにゃらら」を。

チェロ協奏曲。ビバルディの作品群、レオ6曲、CPEバッハ3曲が「3大」とすると。それを除いたら、ポルポラモン。ナポリ派の誰か、あたり。ブリリアントとグロッサのソッリマという2枚で「新3大」とさせていただきます。

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バイオリン協奏曲。「四季」を除く標題付き、それでもビバルディの録音が増えた標題つきで「ムガール大帝」。ロカテルリ「迷宮」。テレマン「蛙」。

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初めから3大ない、ビオラ・ダモーレ協奏曲。謎のマルティネリは傑作かも。謎のガンスヴィントはほぼデータなし。グラウプナーは先日のモーリスのみ。あとはビバルディ以外は未発見の領域。

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ビオラ協奏曲。テレマン。グラウン。バロックとはいえなさそうヨハン・シュターミッツ選外。

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チェンバロ協奏曲。セイシャス。ガルッピミューテル

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オルガン協奏曲。ヘンデル「カッコーとナイチンゲール」。CPEバッハ。

フルート協奏曲。ブラヴェ。クヴァンツ。----。

オーボエ協奏曲。アルビノーニ、ビバルディ、マルチェッロが3大なら----新3大は。クセニア・レフラーを検索します。

ファゴット協奏曲。アッツォリーニを検索します。

トランペット協奏曲。エクルンドとかマデフを検索。

気長に探しては書き足します。


最近こんなのも。シュタイアーマルク地方のチェンバロ協奏曲集----って何?

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バロック期と前古典派期のちょうど境目であるマリア・テレジアの時代、音楽も世相も多様な発展を遂げました。このアルバムに集められた曲は当時、オーストリア=ハンガリー帝国の一部になるまえの「シュタイアーマルク」で編纂された「チェンバロ協奏曲集」から選ばれたもの。この地はかつて、オスマン帝国の攻撃にさらされ荒廃していたオーストリアの辺境の地でしたが、少しずつ周辺の文化が流入し、人々も様々な楽しみを享受するようになりました。チェンバロからフォルテピアノへと移り変わる時代ではありましたが、この地域の人々は変わらずチェンバロを愛しており、これらの曲が生まれたのです。ゲオルク・クリストフ・ヴァーゲンザイル(1715-1777)
ヨハン・ミヒャエル・シュタインバッハー(1700-1741)
ヨハン・アダン・シャイプル(1710-1773)

パルテノペの息吹~18世紀ナポリの木管楽器のための作品集

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18世紀のナポリはナポリ王国の首都として、パリ・ロンドンについでヨーロッパで3番目の大都市でした。シャルル・ド・ブロスが1739年に「ナポリは世界の音楽の首都」であると述べているほど音楽の最前線の都市であり、歌劇場も次々と建設・開場されていきました。その結果、新しい傾向の感情表現が要求されることによる斬新な音楽が発展。また当時のカストラートのほとんどがこのナポリで訓練を受けていたり、ナポリから各ヨーロッパの音楽に影響を与えました。そうした器楽の中でも管楽器の作品は、声楽と同じ発声・呼吸法を必要とされ、楽器の性能・運指以上に重視されました。このアルバムでの演奏は、そうした様々な作品から掘り起こした研究の結果によっているもので、木管楽器のリピエーノとアンサンブルとの対話など興味深い作風が楽しむことができます。『アンサンブル・バロッコ・ディ・ナポリ』は、2010年に結成。ナポリのアレッサンドロ・スカルラッティ協会の活動の一環として、特にナポリ楽派の音楽に焦点をあてた研究・演奏を行っています。『アプコルディス・アンサンブル』は、イタリアの17~18世紀の未知の音楽を発掘・研究・蘇演に力を入れています。
ニコラ・フィオレンツァ(1700-1764)フランチェスコ・パパ(1700-1750)アニエッロ・サンタンジェロ(1710-1771)フェルディナンド・リツィオ(1728-1778)フランチェスコ・リクペーロ(?-1803?)ドメニコ・サッリ(1679-1744)ケルビーノ・コレノ(1713-?)

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パルシャウのチェンバロ協奏曲。チェンバロ協奏曲はピアノとの過渡的作品多し。







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