消息不明ピアニスト

リコーダー奏者のリコーダーコレクション、リュート奏者のリュート系楽器のコレクション、チェンバロ奏者の----ピアノ奏者が時代と作曲家で楽器を変える、というのはなかなか大変だと思いました。クリスティさんとか、センペとかお金持ちらしい。

オルガ・トヴェルスカヤのウィキ。「その後は情報が殆どなくなり、近年は公の演奏活動を行なっていない模様」と。体調不良で実質引退みたいな方もいるはず。ただ仕事がないだけ、ならむしろよいと。しかし、録音以外目立った写真も見つかりません。

思いのほか親しかったのです。ビデオも残っているし。CDもシューベルト、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、ヴォジェシクのソロ。

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デビュー数年後には、フォルテピアノの最も優れた演奏者のひとりとしての評価を30歳前後の年齢にして確立するに至った。(中略)しかし、惜しみない賛辞にもかかわらず、録音は2001年リリースの ヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェク 作品集で途絶える。2003年時点では、コンサート活動が続いているのにもかかわらずCDは廃盤となっていた。その後は情報が殆どなくなり、近年は公の演奏活動を行なっていない模様である。

メルヴィン・タンも一時情報が途絶えました。彼はまたCDをだしたりウィグモアライブにでたり。消息がもどってなぜか安心したりして。どこかの時点で、モダンピアノに回帰したらしい。改めてネットだけれども、モーツァルトのピアノ曲を検索したりすると、古い楽器のが点々。概ねヴァルターの音なので、昔より画一化した雰囲気に感じます。楽器を選定することが奏者の個性を表現する時代ではなくなりました。

発見の時代だったのですねえ。タンはシュトライヒャーのベートーベン。同様にトベルスカヤはブロートマンだったかでシューベルト。先輩インマゼールはシュタインでモーツァルトという具合。そのうちに「古いピアノ」屋が跋扈するようになり。製作家や修復楽器コレクターの方が有名に。ベートーベン、シューベルト、ハイドンの独奏鍵盤曲の全集が揃うようになってピークかしら。この中にはベートーベンのハンマークラヴィアソナタが含まれます。(ビンズ、ゼルキン、ウィリス、ブラウティハムくらいしか知らない)

1991年、三谷幸喜の戯曲『12人の優しい日本人 (映画)』の劇中に流れるフォルテピアノの演奏----エリザベータ・ステファンスカ。当時よく見かけたCDから、下のハッキラかと思いましたが。ハッキラの方はまだ活動しています。

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かと思えば、ローラ・コラダンみたいな人もいます。意図的かモーツァルト、ベートーベンに見向きもしない。


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