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空と自由とロコバスと

寅さんに憧れてフリーランスになった僕ですが、あの当時は、とにかく熱くエネルギッシュで、活動的な毎日でした。

画家として絵を描きながら、夜はお店の店主にもなり、しかも車でいろんな所に出掛けては、行商もしていたのです。

週末は、県内外のいろんなイベントへ行き、平日も、それこそ毎日、ほとんど休むこともなく、地元の町のあちこちで。

ある時は家具屋さんの前で、またある時はパン屋さんの前で、またある時は美容院の前で、またある時はカフェの前で。

もちろん、無断で販売するわけではなく、古物商(行商OK)の免許も取り、お店の人にも断って販売していたわけですが。

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ちなみに、☝︎この写真は、今は無き地元のカフェ 「lamp」さんの駐車場にロコバスを停めて行商をしていた時に、僕が撮った写真です。

目の前には瀬戸内の穏やかな海が広がり、どこまでも澄み渡る青空の下、気分はまるで遊牧民のように、自由を感じていましたが…。

自由にはいつも孤独と責任が伴うもので、降り注ぐ眩しい陽射しを浴びつつも、吹き寄せる冷たい風に、身震いをする僕もいて。

もしかしたら寅さんも、世間の冷たい風に吹かれつつ、海を見ながら人知れず、コートの襟を立てていたのかも知れません。

それでも前を向きながら、ロコバスに乗り町から町へ、レトロ可愛い絵本や雑貨をたずさえて、行商をする僕なのでした。

ロコバスで行商をする日日もあり光あふるる青空の下/星川孝


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