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ボンカレーのパッケージに迫る

こんにちは「所長」です。

ここではレトルトカレーのパッケージを不定期に紹介します。

茶道で茶器を楽しむのであれば、
「レトルトカレーを食べる前にパッケージを見て楽しむのもアリなんじゃないかな」と思う次第です。

紹介するパッケージについて

最初は大塚食品社の「ボンカレー ゴールド」のパッケージを紹介します。


ボンカレーの販売地域は広く、販売期間も長いです。
認知度で言えばドラえもんに匹敵するのではないでしょうか。


2021年1月時点のボンカレーのパッケージは以下のデザインです。

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なんとなく見覚えがあるのではないかな、と思います。

ボンカレーのパッケージの特徴としては、やはり三重丸と色使いです。
今回はそういった印象は抱きつつも、改めてパッケージを見ていきます。


優先度の高い情報

正面のデザインで大きく目立つ情報としては以下の4つかなと思います。


1:商品名

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2:辛さレベル

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3:電子レンジで調理が可能なマーク

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4:国産の野菜を使っていること

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この4つかと思います。

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ボンカレーのパッケージにはカレーの写真は無いイメージでした。
ボンカレーの公式サイト(https://boncurry.jp/)によると、2013年に電子レンジ調理対応した際にデザインも変えたようです。

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改めてパッケージを見て、気づいた点がいくつかありました。

・なぜ写真を使うようになったのか?
・電子レンジ調理可能なマークの訴求
・辛さレベルの伝え方について
・国産野菜の使用のマーク

この中でボンカレーのパッケージならではの要素として…

・なぜ写真を使うようになったのか
・国産野菜使用のマーク

これらについて考えてみたいと思います。

・電子レンジ調理可能
・辛さレベルの伝え方のデザイン

この2点については別の機会に書いてみたいと思います。


なぜ写真を使うようになったのか?

なぜ写真を使うようになったのか、疑問に感じました。
これについては…

・心理学からの視点
・消費者の認知を助けるため

などが考えられます。

まずは心理学の視点から、写真を追加する理由について補足します。

商品パッケージに商品の写真を使うことは一般的に見られる手法です。食品なら

高級感を出すなら別ですが、特にキャッチーさ、低価格で手に取りやすい価格帯のデザインの場合、情報量を多くする手法があります。
例えば、スーパーの広告などは紙面を埋めるほどの情報量ですが、高級ブランドの広告は情報量を絞ってデザインします。
レトルトカレーのパッケージでも高級感を出したい商品や、価格帯が高めな商品にはカレーの写真の採用率は低くなっています。

これは心理学で言うところの「空間恐怖」とか「ホラーヴァキュイ」と呼ばれるものに該当します。
興味のある方は以下に参考資料を紹介しておきますので本屋で見かけたら手に取ってみると良いです。


次に消費者の認知を助けるため、という理由について補足します。

日本には海外から多くの方が訪れるようになりました。その中にはまだ日本語が分からない方も多くいます。
そういった方がボンカレーを見た時、写真があると安心して手にとってもらえる、という考え方です。

「情報を埋めた方が低価格帯を訴求できる」
「日本語が分からない方にも安心して手に取ってもらえる」

以上の2点からパッケージに写真を追加したと考えます。


国産野菜使用のマークについて考察

次に国産野菜のマークのデザインについて紹介します。
こちらのマークの特徴として

・文字とグラフィックで伝えている
・パッケージの左上に配置されている

といった特徴があります。

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さらにデザインをよく見ると…

・文字だけではなく、グラフィックでも伝えている
・文字のサイズが変わることにより、キャッチーさが表現されている
・シンメトリーが意識され、信頼感のあるデザインにまとめられている
・ジャガイモが明るく描かれており、個々の野菜の視認性が高まっている

・文字と野菜の並びが一致しており、認識しやすくされている

国産野菜の訴求については、ボンカレーの公式サイト(https://boncurry.jp/)によると、2016年から訴求されている要素です。

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またYouTubeの公式チャンネルの動画でもアピールされています

https://www.youtube.com/watch?v=1fqJJLibRNo


なぜ国産野菜をアピールしているかについて、もう少し考えてみます。
レトルトカレーの原材料については産地表示の表示義務がありません。
しかし、だからと言って産地を気にする消費者が消えたわけではありません。
「国産」と書くことにより、産地にこだわる消費者を取り込む意図が感じられました。


また「国産野菜使用のマーク」の配置位置が、パッケージの左上であることについても取り上げておきます。

視線の流れの法則の中に「Fの法則」というものがあります。
主にweb画面や紙面などサイズが矩形で、且つ文字ベースのコンテンツである時に用いられやすい法則です。写真があったり、文字にジャンプ率があるようなデザインにはあまり当てはまりませんが、いずれにしろ、画面の中央と物体の四隅には視線が止まりやすいです。

したがって、左上は自然と目がいく場所のひとつであります。

そういった目が行きやすい場所に「国産野菜を使用しているマーク」を配置することにより、訴求効果を狙っている意図が感じられました。

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以上です。

さいごにまとめ

整理すると、
ボンカレーのパッケージに写真素材を使うようになったのは、
日本で生活している海外から来た方にも分かりやすいようにするためなのかな、と推測しました。

国産野菜の配置については、
見た目やレイアウトなど、訴求効果を狙っていると感じられました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。





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