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シンデレラの家族を家族療法的にみる

今回はシンデレラを家族療法的な視点でみてみます。

家族療法とは、家族を個人個人の集合体とみるのではなく、家族全体をシステムとしてとらえて、そのシステムの歪みを解消することで家族の問題を解決していくアプローチを行う心理療法の一つです。

なので、家族療法では何かが問題が起こる原因を一つ見つけて、悪者を探すということはしません。問題行動を起こしている家族の一人も患者とは呼ばず、問題を表面化する役割を担っている人とみて、家族全体のバランスを整えることを目指します。

と言うことで、ざっと家族療法について話したところで、早速シンデレラについてみていきます。

家族構成

シンデレラ一家の家族構成は以下の通り。

二重丸がシンデレラです。
シンデレラの実の両親は亡くなっており、継母と継母と別の男性との間にできた二人の姉と4人で暮らしています。パッと見て思うことは、この家族に男性がいないことでしょうか。それと、やはりシンデレラと残りの家族との距離感が気になります。

シンデレラ

世代間境界

家族療法の一つの考え方に世代間境界があります。親世代は親世代、子世代は子世代で、しっかりとした境界線が引かれていることが家族のあり方を安定化させるという考え方です。

世代間境界

シンデレラの家庭でいうと、上の図のように継母と子ども達の間にしっかりとした境界線をくことが大切です。親は親、子どもは子どもの間で、ちゃんと互いの役割をこなす。食事の用意や洗濯の主な担い手は親が、子どもは子どもらしく振る舞うという状態ができればいい状態と言えます。

ここで誤解して欲しくないのは、もちろん食事の用意や洗濯などを親が一手に担う必要はありません。お手伝いという形で子どもが手伝うのは教育的にもとても大切なことです。しかし、その責任を最終的には親世代が取るという態度がとても大切です。そういった家の中での役割というのをちゃんと決めておくことが、世代間境界がしっかりしているということです。

実際のシンデレラ一家

しかし、実際のシンデレラ一家は、下の図のような形で境界線が引かれていました。

境界ができてない

親と子という境界ではなく、継母&姉とシンデレラとの間に境界線が引かれている状況でした。

料理や洗濯といった家事はシンデレラの役割となり、継母と姉達が連合してシンデレラに親役割をされるといった形での関係性が出来上がっていたのです。

こういった家族の関係の歪みから、シンデレラへの不当ないじめが起こっていたのかもしれません。

世代間境界を強化する

そういった意味では、世代間境界をしっかりと強化するプロセスを踏んでいけば、ひょっとするとこのシンデレラ一家の関係も少しは変わっていくのかもしれません。

幸い裕福な一家なので、継母が率先してお手伝いさんを雇って金銭的な負担を親世代が引き受けることで、掃除や洗濯、料理といった家事を親世代が責任をもつのも一つの方法でしょう。

また、姉とシンデレラの間に子世代の連合が生まれるような取り組みも有効かもしれません。姉達も、ひょっとすると母親のシンデレラとのやりとりを見ながら「いつか自分がこうなるかも」っという不安を感じているかもしれません。そういったストレスを共感してあげるだけでも何か変化が生まれるかもしれないのです。

継母にも大きなストレス

こうやって家族図を見てみると、やはり継母へ期待される役割というのが大きく感じられます。

世代間境界で言えば親世代を一手に引き受けなくてはいけませんし、男性がいない家庭なので、父性の発揮も期待されるところです。また、裕福な家庭ゆえに仕事といったルーティンの業務の発生もなく、自己を発揮する場面もなかなかなかったのかもしれません。そういった意味では、継母も大きなストレスを抱えるような状況であったように感じられます。

近所に親戚や親しい知人などがいれば、もう少しそういった部分を肩代わりできたかもしれません。娘達が学校に行っている風でもなかったので、学校に行くなどの制度があれば、もう少し状況は変わっていたのかもしれませんね。

まとめ

ということで、今回はシンデレラの家族を題材に、家族療法のさわりの部分に触れてみました。いかがだったでしょうか?

今回はシンデレラの物語を読んで私が勝手に解釈したもので、ご家族の方と面談をしたわけでもなく、ましてや相談に訪れたわけでもないので、実際の家族療法のカウンセリングと比較するとこちら側の勝手な解釈が多分に含まれています。なので、実際のカウンセリングとは程遠いものであることをご承知おきいただいて、読み物として読んでいただけるとありがたいです。

ただ、今回、自分でやっていてとても楽しく記事を書くことができました。普通に読んでいた物語の中にも、登場人物への想いを馳せれば、色々な解釈ができるというのを、改めて感じたところです。

また、思いついたら他の物語でもやっていけたら面白いだろうなっと思いました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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