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高度消費社会の過渡期

高度消費社会への過渡期(吉本隆明の発言から:1999.8) 内容は一部要約
 
「①高度消費社会の不況は、どう脱するか。まず公共投資です。しかし大企業や金融機関を助けるような投資では、景気など上向くわけがない。現在は超資本主義時代ですから、個人消費に直接響くような公共投資にすべきです。たとえば具体的には、スーパー、百貨店などへの投資です。

 ②また、政府は国民の生活を第一に考えることを、政治主題にしなければなりません。そのためには消費社会の高度化を実現できるようにする。それには景気の問題だけに目を向ければいいわではない。

 ③防衛費は、ガイドライン法が問題になっていますが、無作為に選ばれた国民の承認なしに自衛隊を動かせないようにすればいい。たとえば農業従事者から100人、工業従事者から100人といように選んで、人は固定化せず、その人たちの賛成が得られた時だけ自衛隊を動かすようにする。それだけでいいと思います。

 ④教育は、小学校高学年から、中学二年くらいまでの教育が非常に大事です。その時期だけ、元大学教授のような人に任せるのがいいでしょう。そういう人は老人であることが多いでしょうが、少年少女教育には一番ふさわしい。

 ⑤大学の制度を変えて先生の意識を変えることです。先生は必ず何年かは必ず他大学で教鞭を取るようにする。教育問題は上から変えれば、すべて解消します。学生も、どの大学へ行ってどの先生について勉強して卒業して良いと決めれば、それで終わりです。誰の不利益にもならないはずです。

 ⑥文芸誌に代わりテレビを中心にしたコミュニケーションが主体になってきています。時代の必然と認識すべきです。また、テレビに出ているコメンテーターは、物書きより程度が低いという考え方は辞めるべきです。テレビの方が活字より程度が低いなどといってしまうのと同じです。それもやめるべきです。ただし、高度消費社会だからこそ、活字機関の存在感は増していくだろうと思います。問題は、その中身です。

 ⑦高度な消費社会の耐えうる社会の実現を、政府は第一に考えるべきです。新自由主義といった考えは、その真逆の政策です。第三次産業こそが主体であるといと徹底的に考えるべきです。日本が不況で苦しんでいるのは、政府や政党が愚図なことばかりをやって、高度な消費社会の対応できていないからでしょう。」

 さて、なにか考えるヒントになりますか?ぜひ、闊達なご意見やお考えをお待ちしています。

よろしくお願いします。