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23時間耐久ラジオ聴取~FM PORT最後の日~

新潟県民FM放送、愛称「FM PORT」が閉局・停波となる。
第二局とはいえ、県域FM局の倒産。このニュースを知った時、衝撃というより呆然としました。 不幸中の幸いは3ヶ月猶予があった為、聴く機会を増やしたり、閉局日をシフト休み申請出来たりしたことです。

そして閉局日のプログラムが発表。 前夜25時~30時まで生放送の特番、帯番組4枠のそれぞれ最終回、20時より特別番組。よし、ぶち抜きで聴こうと決意。 閉局日と、それに翻弄される一リスナーの奮闘記である(※聴取しながらメモ取ったので聴き間違い、失言書き漏らしはご了承下さい)。

6/29 25~30時 「“SPECIAL THANKS TO YOU”リクエストナイト」

ナビゲーターは「遠藤洋次郎」。
停波前夜、PORTの秘蔵音源と共にお便りやリクエストを生放送でお送りする、特別プログラム。queen→ポルノグラフィティ→Negicco→山下達郎→綾香コブクロ→松本愛というそうそうたるスタート。最後の誰だっていう。 PORTのパーソナリティで、以前の番組で制作したオリジナル楽曲だそうで。「愛のしずく」という曲で、スクール水着10年前は似合ったのにと、閉局前夜にぴったりな曲。どこが。
懐かし音源1発目は、平日帯番組の番宣集。 モーニングゲートのパーソナリティが違ったり「使える情報満載」など今とはまるで別番組。
リスナーとの生電話1発目でいきなりプリキュアの話になるところとか、本当にPORTだなぁと。

2時台。 実はFM PORTの愛称は公募だったという裏話。公募から漏れたと思われるハガキの中から一部を紹介。「FM越後」「FM万代」「N-WAVE」「○○21」などの他、「日本海荒波FM」というインパクト一発のネームまで。日本海荒波MUSIC CRUSINGという転覆必須の番組もある種聴いてみたかった気も。1クールで潰れてたと思いますが。
懐かし音源2発目は、休日番組の番宣集。 サタデーオールリクエストの番宣がド演歌に合わせて小芝居してるので、完全に日本海荒波FMじゃねぇか!ってなりましたね。 そのほか、生電話2発目もあり。

3時台。 懐かし音源3発目は、サッカーW杯開催時の特別番組の番宣集。そして番組作成のオリジナルWELCOME to 新潟ソング「together」。
午前3時半にリクエストはXの紅。 寝かさないぞ感。
続いて懐かし音源4発目は、2002年~2003年の番宣音源。今の出演陣が徐々に登場。佐藤智香子さんの声がちょっと高くて若い。

4時台。 外が明るくなってきた頃。懐かし音源5発目は、この番組を担当している遠藤洋次郎氏の以前担当していた番組「ポートピアンパーティー」という番組最終回のオープニング音源。誰よりも声が違うという。 Twitterで見たところ、6か月で終わった番組らしい。 そして懐かし音源6発目は、2004~5年の番宣音源。遂にモーニングゲートのパーソナリティが遠藤麻里さんに。声が若い。そしてまだ番組の雰囲気が朝からどす黒いって感じではない。 生電話4発目、「泣きそうになった事はありますか」という質問に、「正直ありましたねぇ」と。別の人の最終ニュースを担当してるのを聴いて実感して泣いたとの事。

5時台。 懐かし音源7発目は2006~7年の番宣音源。大分今の路線に近づいてきた頃でしょうか。かなちゃん先生懐かしい。 生電話5発目。
挨拶もほどほどに、この後のプログラムの紹介、最終プログラム終了後随時HP・SNSの削除、radikoタイムシフトも終了の紹介。 そして直後にPORT最後のジャンクション。

6/30 6時~6時50分「PORT WAVE」

中越運送による6時の時報。 最後の録音番組、PORT WAVE。 ヒーリングミュージック中心の、所謂フィラー番組。 この間に洗い物などを済ませる。生ではない為、休憩タイム扱いだが、勿論携帯ラジオで聴いてました。

6時50分~10時 「MORNING GATE」

ナビゲーターは「遠藤麻理」。
6時50分。 いきなりスタッフの泣き声から始まる朝のワイド番組・モーニングゲート。 重大発表は7/7に入籍するという嘘からの、遠藤麻理氏スマホデビューという話。 そして最終回1曲目はマツケンサンバII。

7時台。 エンタメフラッシュランキング。過去の名場面集。 「こよりが作りやすいティッシュランキング」と題してスタッフの鼻にティッシュ突っ込んだり、「どの豆が一番鬼を退治できるか」と題してスタッフにいろんな豆をぶつけてたり、「きんまたをきん○まと読み間違えた」事件、「初売り中継で思いっきり店員アナウンスと被る」事件、「ダサい曲紹介」事件など。 本当に朝からひどい番組(褒め言葉)だが、これも県域第二局だから出来る代物かと。さすがにFM新潟でコレやったら朝くらいちゃんとしろってなるところ。 そしてスタッフへの差し入れとして、わさびとからしのサンドウィッチが振る舞われ、スタッフの悲鳴しか聞こえない最終日の朝。

8時台。 街角物まね選手権。最初のいつから物まねが始まったのか分からない松任谷由実を筆頭に、ジャイアンの歌う歌のエコー、マリオのジャンプする音、コーナー(スポーツエクスプレス)BGMの物まね、スポンサーCMの男性役の真似などなんでもあり。特にコーナーBGMはCLICK HOUSEというかTECHNOというかな曲を、ボイパというか歌ってるんで訳が分からなくて爆笑しました。

9時台。 いよいよラスト1時間。 無法地帯は収束することなく、無法地帯のまま終わった。そんな印象です。 石原裕次郎の我が人生に悔いなしが流れたあと、いつものエンディングテーマであるA New Morningが流れスタッフ勢揃いし一言ずつ。からのいい湯だなの合唱でスタッフがスタッフに「気持ち悪い」と言ったり、各々一言言って大団円。

10時~13時 「mint condition」

10時台。 ナビゲーターは「立石勇生」。 「前の番組が9時頃から遊び始める、バトンリレーというよりバトンをぶん投げられる」という前番組の苦情からスタート。
アルビレックス新潟の元選手が電話出演。萬代橋にいるがスタジオはラブラ万代側を向いている為萬代橋は見えないというオチ。からの電話出演しながらスタジオに突撃。著名人といえどそんな簡単にラジオ局って入れるのか。

11時台。 あいさつに来た女子サッカーのアルビの元選手と社長が生出演。からのDragon AshのFantasista。最終日にDragon Ashが聴けるとは光栄です。

12時台。 ナオトインティライミからのメッセージと、録音だけど生弾き語り。長かったらカットしてもいいと本人は言っていたが当然フル尺。正直ナオトインティライミはファンではないけど、こればっかりはわざわざありがとうとしか言いようがないですね。俺がいう事じゃないんですが。
2曲繋ぎの2曲目はOPにドラムだけ使用されてる曲…らしいが全く分かりませんでした。 ラス前はOP曲のラッパの部分の原曲。TOKYO No1 SOUL SETだったそうで。 そしてラストの曲は番組エンディングで使われていた曲。これもRHYMESTERと、実はJ-POPだったという。 個人的には驚いたまま番組終了。

13時~16時 「four seasons」

13時台。 ナビゲーターは「佐藤智香子」。 普段とは異なり、オープニング前の1曲目がなくいきなりオープニング。 リーディングリストのコーナーでは過去のコーナーなどを振り返る企画。サイドブレーキを引き忘れてパーソナリティが残された車が走り出す等OAと関係ない部分のハプニング話など。 そして放送中にハウリングさせる等、ゆったりした番組なのに地味に荒々しい幕開け。

14時台。 アンテナのコーナーは本来街中の人に声をかけて好きな物を紹介してもらうコーナー。今回は常連リスナーが電話出演。 それとは別に、この番組では珍しいリスナーとの電話コーナーも。

15時台。 フォーシーズンズコンピレーション、テーマは「さよなら」。つぶやきレシピでは過去のレシピを複数紹介、そしてスタッフへの実食付き。というかもはやレシピ紹介は省略されスタッフへの試食がメイン。わさびからしサンドウィッチ食わされる朝の番組とは大違い。 スタッフからサプライズで表彰状のプレゼント。その際読んだのが、どこかで聞き覚えのある声。おそらく、S-POP ゴールデンアワーのナレーション読みしてた人ではないかと予想。まさかスタッフがやってたとは。 答え合わせは無かったですが、智香子さんが「ラジオで聴いた事ある」って言ってたので多分あっているかと。

16時~20時 「BEAT COASTER」

16時台。 ナビゲーターは「島村仁」。 帯番組が次々最終回を迎え、FM PORT最後のレギュラー番組。当然こちらも最終回。 アーティストによる電話出演はquasimode。 番組のOP曲もこの人らの楽曲らしい。 メッセージテーマは「電話」。 アメリカで使っていたポケベルは電話番号が表示されるだけのものであり、日本に帰ってきて技術の違いに驚いたという。

17時台。 アーティストによる電話出演は佐藤竹善。 ラジオに対する思いなど。 そして、私事で恐縮ですが、ようやく今日初のメールが読まれました! 帯番組では朝のモーゲーに続いて激戦区かと思ってたんで意外でしたね。因みに内容は要約すると、「実家は婆ちゃんのために未だに黒電話を使っている、回すだけの簡単操作だが、どこまで回したか分からなくなるようでしょっちゅう途中で切っている」という物。メールテーマがメールテーマなだけに、全く最終回っぽくないメールになってしまったわけですが。

18時台。 電話出演者が「だーれだ?」。正解は大黒摩季。新潟に島村仁を送り出したのは大黒摩季(らしい)。 新潟ローカルで録音メッセージじゃなく電話生出演。しかも10分以上のなかなかの尺。 18時半~19時の時報前までちょっとだけ寝たようで記憶がない。 気付いたらリスナーと電話していた。

19時台。 島村仁、布袋寅泰のライブでアコースティックギターでさらば青春の光を歌うさなか、斜め45度の後ろの席で大声で歌う奴の声を未だに忘れないという。 最後の電話は10歳の女の子。「いつからラジオ聴いてるの?」「小さい時から」「今も小さいよ」。「タカラジェンヌになったらノーギャラで仁さんの番組に出る」など。 仁さんから番組・リスナーへの思いを述べられ、スタッフ紹介で、FM PORT最後のレギュラー番組が終了、全ての番組が最終回を終えました。

20時~24時 「閉局特別プログラム Many Thanks from FMPORT」

メインナビゲーターは「遠藤麻理」と「松本愛」。 メインを中心に過去のナビゲーターが入れ替わり立ち代わり登場、時にメインも退き、現行ナビゲーターと過去のナビゲーターの対談など、PORTによるPORTリスナーの為の最終番組。
いきなり「眠い」「打ち合わせもやる気無さそうだった」からの、モーゲーのメール読みが終わったのが16時で仮眠もとれなかったという話。 初代モーゲーパーソナリティや、マイケルブライマー、立石さん・松村さんというスポーツコンビなど、入れ替わり立ち代わり、本当に最初期のナビゲーター含め様々なゲストが登場。既に飲んでいるという立石氏。  お便り紹介では「おばんです」の発音でゲラるメインパーソナリティ2人。

21時台。 本日に限っては、いつもの時報ジングルは番組切り替わり時のみであり、あとは番組中に時報が乗る。それにびっくりする松本愛。 「私も日本一のパーソナリティって言われたもん」「誰に?」「ソフト勃ち男さんに」流石夜の番組担当、リスナーにろくなRNが居ない。 遠藤洋次郎、島村仁、小方恵子、佐藤亜紀などがスタジオに登場。 後は電話を繋いで千葉ひろみの登場。時間帯的に番組は殆ど聴けませんでしたが、CMからして面白ぇー女だなーって思ってました。最後に終わった番組のタイトルコールをさせられるONE MORE EXTRAステージ。 そのほか、初代夕方帯番組担当の豊さんの登場。初代パーソナリティの中では唯一はっきり覚えてました。だみ声で、こんな人が夕方の帯やってて大丈夫なの?って中学生ながら思ってました。なんか、今日流れてた音声は少し声が綺麗になってたような。

22時台。 また時報で驚くメインパーソナリティ。 「そして、RN・ふぐりさんからです」という酷過ぎるRNのメッセージが読まれる辺り、PORTだなぁと。 佐藤智香子さん、JIROさん、我らが小山紗季ちゃんなどがスタジオメインに。 リスナー待望のタカハシカナコは録音メッセージ。大分テンションが低く感じたのは歳の所為なのだろうか。 再びメインパーソナリティに戻り、松本愛「2回目だけど殺していいかな?」 閉局が先か、遠藤麻理が殺害されるのが先か。 お便りは「旦那が閉局すればいいのに」という物。

23時台。 FM PORT最後の時報。 中村ちひろさん登場。 スタジオが変なにおいしたり、変な物が置いてあると大抵モーニングゲートの所為。 酔っ払いが乱入するわ、乳首連呼するわ、全員お暇しそうになって最終日にあわや放送事故とか、もう閉局特番じゃなきゃ許されないような内容。むしろ閉局特番なのかこれはという暴れっぷり。クレームなんてなんのその。後ろ盾のない、捨て身になった地方放送局の暴走は、Twitterも加速。新潟1位はもう揺らがず、全国のトレンドも1桁に食い込む。 そしてフリートークとして最後の言葉は遠藤麻理「47歳でした」松本愛「違います」。

そして23時50分、グランドフィナーレ。仁さんのアナウンスの後、新旧ナビゲーターが1人15秒程度挨拶。 ここでの各パーソナリティの「バイバイ」の言葉に涙腺崩壊。ラジオで泣いたのは初めてかもしれません。 23時58分過ぎ、コールサイン、技術案内(ただし通常行われる出力紹介は無し)。 

遠藤「JOWV-FM、JOWV-FM、こちらは新潟県民FM放送、FM PORTです」
松本「新潟79.0MHz、堀之内大和87.9MHz、高田83.2MHz、以上各周波数でお送りして参りました。FM PORTは本日24時をもって閉局致します」
遠藤「開局から19年と6か月での閉局は大変残念ですが、これまで新潟県民FM放送、愛称FM PORTを愛して頂いたリスナーの皆様に改めて感謝申し上げます、本当にありがとうございました」
松本「JOWV-FM、JOWV-FM、こちらは新潟県民FM放送、FM PORTです。リスナーの皆様、」
2人「「ありがとうございました」」

そして7月1日0時、停波、砂嵐へ。79.0MHzは新潟県では何も入らない周波数へ戻りました。


PORTから最後に発せられたのは、コールサインでも技術案内でもなく、リスナーへの感謝の言葉でした。 砂嵐へ戻った79.0MHzを止めることが出来ず、ただ何も鳴らないコンポ、呆然としながらTwitterのTLを追う俺。 たった20分前までバカ騒ぎしてたのに。あんなに体力のある放送からの砂嵐はこんなにもいたたまれないものか。 とにかく、喪失感しかない。起きてから24時間が経過したが、寝る気も起こらない。 涙はもう出ないですが、PORT逝かないでという思いも無くなった今、どうすることも出来ず、ただただ時間だけが過ぎました。

新潟県民FM放送の社名の通り、本当に最後まで県民思いの放送局だったと思います。経営不振で潰れる地方ローカル局がニュース・交通情報・天気予報、更にはスポンサー読み上げすらすっ飛ばしとにかく全力で駆け抜けた最後の23時間。ここまでしてくれたことに感謝しか無いのと同時に、もっと前々から聴いたり、参加すればよかったと後悔が押し寄せます。失ってから気付くという事に、また一つ気付かされました。

今はまだ気持ちの整理がつきません。 けど、つかないうちに書いた方がいい、このもやもや感は多分多少の喪が明けた後では書けないかと。などと思い書いていたら2度目の朝を迎えました。23時間ラジオだったはずが、30時間ラジオへ。PORTと一緒に逝くかもしれません。

本当に、最後の最後までいい音楽、笑い、そしてほんの少し感動をありがとう。 PORTの事は忘れません。 0時を迎えた後、Twitterの「#fmport」が全国1位に。地方ローカル局の、そしてそのリスナーの最後の意地でおそらく最初で最後の日本一になりました。間違いなく、PORTは日本一の放送局だった。例え一瞬でも(因みに世界ランキングは22位)。
俺のコンポやラジオから79.0MHzのプリセットが消えるのは当分先だと思います。きっと空振りを繰り返して慣れていくのだと思います。

さよならPORT…さよなら…大好きなPORT。

サポート頂けると、恵まれない大人にワクチン(リポD)を買ってあげる事が出来るので、気が向いたらよろしくお願いします。