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【RESEARCH Conference 2022】 当日レポート

こんにちは、RESEARCH Conference事務局です。

みっちりとリサーチについて語り合う1日だったRESEARCH Conference2022について、ざっくりと振り返っていきます。各セッションについては、少しずつ詳細な記事化をしていくほか、参加いただいたみなさんのレポートについても順次追加していきます。それではどうぞ!


RESEARCH Conferenceとは?

RESEARCH Conferenceは、2022年5月28日(土)10:00〜17:00で開催された、リサーチをテーマとした日本発のカンファレンスです。今回初開催であるにも関わらず、2510名の方にオンラインでご参加いただきました。

今回、リモート・現地の双方で計12本のセッションが行われました。配信会場は、メルカリ本社をお借りしての開催でした(ありがとうございました!)。

頼れる配信チームのみなさん
スタッフはお揃いのTシャツも!
カンファレンスの雰囲気を盛り上げるスタンド

今回はmiro会場が用意されており、ときには同時接続で230名を超える方々に参加いただきました。

miro会場の様子
全国、海外からも参加者がいらっしゃいました

その裏では体験設計チームのスタッフが、見事な付箋捌きでmiroを盛り上げました!

そのほか、YouTubeライブとTwitter上のハッシュタグ#ResearchConfでも当日の質疑応答や嬉しい感想を多くいただいています。

Twitterの様子はこちら。臨場感たっぷりに当日を振り返りたい方は、こちらもご覧ください。

Opening Message

Opening Messageの様子

オープニングメッセージはRESEARCH Conference発起人のひとりであるアンカーデザイン・木浦幹雄より、当カンファレンスの概要をはじめ、今回の参加者のデータをご紹介しています。

参加者のリサーチ経験年数
参加者の職種

リサーチについてはこれから始める方が多いこと、そしてリサーチ専業ではない方が多いということが、connpassの参加者アンケートの結果から見えてきました。互いに学び合う、はじまりの場となりそうな予感がしますね。

1. 誰もが満足するデジタルサービスの実現に向けて ~顧客視点でデザインし、都政のQoSを向上させる~

東京都 副知事 宮坂 学さん

オープニングキーノートでは、東京都 副知事の宮坂 学さん、そしてリサーチの現場から、東京都デジタルサービス局 デジタル改革担当部長 巻嶋 國雄さんに登壇いただきました。

これまでユーザーの声を聞く機会が行政になかったところから、ユーザーテストを都庁のスタンダードにするというところまで、行動規範の策定などどのように実施してきたかがわかる内容。加えて、「ユーザーテストは鏡を見ることと同じ」「テストしないものはリリースしない」など、多くの言葉が心に残りました。

特に、このツイートは多くの人の心を打ったのではないでしょうか。

ユーザーテストガイドラインや事例公開など、精力的に活動されているシン・トセイに今後も着目していきたいですね。

そのころmiro会場も大いに盛り上がっており、多くの質問が投稿されていました。左側の黒い付箋は、スタッフがリアルタイムで公演中のトピックをまとめており、話題の可視化がされています。この取り組みは、実施中の全セッションに対しても同様に行われました。miro上で出た質問への回答は、スタッフが記入しています(ときには登壇者本人からの直接記入もあったようです!)。

miroの様子

2. リサーチ文化を組織に埋め込むために実践したこと

株式会社ユーザベース コーポレート執行役員 CDO 平野さんからは実際の組織のジョインの段階から、リサーチ文化の醸成のための行動や当時の思いなども詳細にわかる内容をいただきました。公開できない事例に対しても、「実はカレーの福神漬けも価値の一つだった……!」などわかりやすい例えを用いつつ、アツいセッションとなりました。

「社外の力を借りるときの適切なフェーズについて」など、質疑応答の内容も大変ためになりました。

リサーチ文化を組織に埋め込むために実践したこと - Speaker Deck

当日のスライドはこちらで公開されています。気になる方はぜひご覧ください。

3. カミナシにおける ”現場ドリブン” なプロダクト開発 

ここからは3社からのスポンサーセッション。Lunch Breakとしながらも、とても休み時間にはできないような濃い内容が続きます。

株式会社カミナシ UXデザイナー 渡邊 光一さんには、ベトナムから登壇いただきました。毎日数千枚の紙から大量かつ重大なミスを生む状態から、どのようにリサーチを進めてきたのか。現場の動画を用いた発表はTwitterやmiro会場でも大好評でした。

4. サービス品質として取り組むUXリサーチ 

株式会社LIFULLテクノロジー本部 品質戦略部 ユーザーファースト推進Gからは小川 美樹子さんが登壇。同社では、多数のサービスを横断する品質戦略部があり、その中で「ユーザーファースト推進グループ」を立ち上げたとのこと。その際の文化の醸成について、UX成熟度のLIFULL版を定義した話などを始め、実践的な内容をいただきました。

5. 未来探索型リサーチ「みらいのしごと」

NTTコミュニケーションズ株式会社内組織であるKOEL Design Studio
Head of Experience Designの田中 友美子さんからは、ビジョンデザインについてのお話しをいただきました。そこから、「みらいのしごと after50」という2日間のワークショップを開催したとのこと。

今回の事例については、KOELの公式noteでも詳しく紹介されているそうです。さらに知りたい方はぜひ一読を。

6. Shippio全社員UXリサーチャー化計画 - 顧客理解・仮説検証を全社員で行う組織へ

ここからは、公募スピーカーとして多数の応募のなかから、採択された3名に登壇いただきました。

株式会社Shippio Product Design Managerの西藤 健司さんからは、会社全体で同じ問や仮説を持って検証を行う取り組みについてお話をいただきました。「顧客目線を押しつける構造ではなく、自然と顧客を向く構造を作る」という部分には多くの共感が集まりました。

登壇資料や当日紹介しきれなかった内容は、こちらのnoteにて!気になる方はぜひご覧くださいー!

7. リサーチ&データサイエンスで「AI」をより良いものに 

株式会社リクルート データサイエンティストの後藤 真理絵さんからは、量的データを主とするデータサイエンス領域において、質的データやその解釈をどのように活かすのか、というところを、わかりやすいプロセスに分けてお話しいただきました。質・量ともに相互に良い影響をもたらすもので、リサーチャーとデータサイエンティストの協業がさらに深まる未来が見えてきました。

8. 主体性ある未来をヨコクする

「そもそも企業が未来を語ることが困難になってきた」と語るのはコクヨ株式会社 ヨコク研究所 所長 山下 正太郎さん。創業118年目をむかえるコクヨでは、「自律協働社会」の未来シナリオをたずさえ、内製にこだわったリサーチや解像度を高めるフィールドリサーチを進めているとのこと。視座の高い取り組みに感銘を受けた参加者が多かったようです。

この3組の公募セッションの後には、質疑応答を実施。Twitter、Miroなどに多くの質問が寄せられました。

9. サイボウズにおけるカスタマーサクセス×UXリサーチの取り組み

ここからは2社からのスポンサーセッション。

サイボウズ株式会社 開発本部 デザイン&リサーチチーム UXリサーチャーの齋藤 雄太さんからは、社内の「体験入部制度」を通じて、UXリサーチャーとカスタマーサクセスとの協働についてのセッションをいただきました。

10. Making and Meaning - 作りながら考え、考えながら作る、日々の営為としてのデザインリサーチ 

株式会社インフォバーン執行役員 IDL部門 部門長 辻村 和正さんが語るのは、建築について学ぶプログラムに参加した経験から、「つくること」と「意味づけること」の重要性、そしてデザインリサーチの実践について。

さらに深く知りたい方には、INFOBAHN DESIGN LAB. [IDL] のラジオがあります。
Stream INFOBAHN DESIGN LAB. [IDL] | Listen to podcast episodes online for free on SoundCloud

11. ゼロからのスタートアップ立ち上げにおけるリサーチ事例

株式会社スマートバンク 取締役CXOのtakejune(Jun Taketani)さんと、UXリサーチャーの瀧本はろかさんから、一人目のUXリサーチャーが入社するまで、そして入社してからの経緯をテンポ良く語っていただきました。

なんとご本人たちからのセッション書き起こし記事がありますので、詳しくはこちらをご覧ください!

さらに、はろかさんからのフォローアップ記事も公開されています。

12. UX research for Human-city interaction

Woven Planet, Woven Cityから、Director of UXのYuki Houseさん、そしてManager of UX ResearchのSabrina Leeさんのキーノートセッションがこの日最後の発表です。

「Woven City」は、トヨタが取り組む「コネクテッド・シティ」のプロジェクトです。静岡県裾野市の工場跡地を活用し、ゼロから街を作っているそうです。

そんな都市開発におけるインクルーシブデザインを理解するため、プロダクト、自動車、そして街のデザインプロセスの違いを紹介。さらに、Woven CityのUXリサーチャーとしての心構えやダイバーシティのあり方なども盛り込まれ、充実したセッションとなりました。UXリサーチャーがテクノロジーとウェルビーイングの架け橋になれるという話は、多くの参加者を勇気づけたように思います。

Closing Message

最後は発起人の3名を代表して株式会社メルペイUXリサーチャー 草野孔希から参加いただいた皆さまへの御礼を申しあげました。

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参加者のみなさまからのnote

参加いただいた皆さまに、多くのnote記事を書いていただきました!こちらでご紹介させてください。本当にありがとうございました!

リサーチの実務経験0の大学生がResearch Conference 2022に参加してきました🔍|みかえる|note
UXリサーチの可能性を感じた私の学び ~RESEARCH Conference 2022に参加して~|ゆり|note
顧客に会おう、デザインはそこからだ ~RESEARCH Conference 2022とシン・トセイに学ぶ~

スタッフnote

当日、スタッフをしていたメンバーから、感想や裏話のnoteが届いています。来年の開催では、あなたもスタッフをやってみませんか?

なぜゲームデザイナーがリサーチカンファレンスでスタッフしてたのか|ミヤザキユウ

RESEARCH Conference 2022 に参加しての、メモ|ノムラジュ|note

【RESEARCH Conference 2022】miro体験設計の裏側|熊谷優介

スポンサーからの募集

忘れてはいけない、スポンサーのみなさまのJobboardのご紹介をさせてください。今回、スポンサーのみなさまのご助力あって、無事開催ができました。そんなスポンサーのみなさまが募集したいことがあるようです……!リサーチャーやデザイナーとして活躍されている・したい方、ぜひご覧になってください!

さいごに

撮影中のみマスクを外しています

さいごに、発起人の3名から、みなさまにメッセージをお送りします。

■本カンファレンスに多くの方が興味を持ち、参加くださったことをとても嬉しく思っています。本カンファレンスを通してデザインリサーチやUXリサーチに関する経験や知識が広く共有され、様々な現場で行われているプロダクトやサービス作りを少しでも後押しすることができれば発起人としてこれほど嬉しいことはありません(木浦幹雄)

■本カンファレンスに関わってくださった皆さま、本当にありがとうございました。私自身にも学びの多い時間となりました。皆さまも自分ならではの良いSTARTができることを心より祈念しています。それぞれが実践し得られた経験を、またどこかで共有して盛り上がれたら嬉しいです(草野孔希


■リサーチの知見を余すことなくご共有くださったご登壇者の皆さま、オンラインでも一体感を届けてくださった参加者の皆さま、そしてともに創り上げてくれたスタッフの皆さま本当にありがとうございました!今回のカンファレンスをきっかけにリサーチを「START」した方が、今後登壇側もしくは運営側としてご一緒に関わってくださる日を楽しみにしています(松薗 美帆)

RESEARCH Conference 2022に協力・応援・参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!当日を振り返っての感想がもしございましたら、ハッシュタグ #ResearchConf をつけてSNSやnoteなどで発信いただけると、事務局一同励みになります!

また次回開催の際には、お力添えいただけますと幸いです。

このカンファレンスが、今後のみなさまの良いリサーチにつながりますように。

[文・編集]若旅 多喜恵[写真]peach

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