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発達障害の健康管理 その2 ~外部環境をモニターしましょう~


noteを読んでいただいて、ありがとうございます。注意欠如多動性障害(ADHD)・精神障害者手帳2級で博士(生命科学)のred_dash です。前回に続いて、体調管理に必要な方策について書いていきます。

 前回は、体調管理に必要な大まかな指針として、私が下記を目標として設定していると紹介しました。
1. 自己の健康関連の情報を見える化して分析すること
2. 固有感覚の強化
 
 また、具体的な実践として、
a. 歩数・睡眠・心拍数の計測
b. 室温・湿度の計測
c. 天気と気圧の把握
 の3点を、健康関連情報の見える化として行っています。今回は、bとcの詳細について書いていきます。


 まず、前回の補足から始めます。
 体調管理とは「身体の内部・外部環境とその変動に対して、適切に行動選択を行うことで、体調の悪化を回避すること」と私は考えています。要素に分けると
1. 内部・外部環境とその変動を検出すること
2. 内部・外部環境に合わせて行動選択をすること
3. 行動選択の結果、体調が悪化していないかを確認すること
 の3つに分けられます。

 この見方に従えば、前回の記事は、身体の内部の状態を検出する方法、と捉えることができます。今回は、身体の外部の状態を検出する方法として、室温・湿度・天気・気圧の把握について記載します。

 まず、室温・湿度についてです。室温や湿度は熱中症などのリスクに関わります。さらに、キータイピングの速度と精度が室温の上昇に伴って低下する傾向にある結果を示す論文があるため、室温は集中力にも影響しうることが報告されています。
室温・湿度の把握の方法についてです。天気予報である程度の気温の予測を把握することはできますが、実際の室温はその家がコンクリート製か木造か、木や建物の陰になっているか、風がどの程度抜けるか、など様々な要素の影響を受けます。そこで私は下記の温湿度計を使って、室温を把握しています。




 実際に計測した室温をスマートフォン上で記録し、確認することができます。室温の変化を検出したときには、窓を開けたりエアコンをつけて対応します。

 しかし、必ずしも室温の変化に気づけるとは限りませんし、動く元気がない場合もあります。そのような場合に備えて、エアコンを自動化しておくことが一つの対策です。上に挙げた温湿度計は、amazonのアレクサやグーグルのGoogle Home と学習リモコンの2つと連携して、気温に応じて自動的にエアコンのスイッチを入れたり消したりすることができます。


 設定に多少手間がかかりますが、一度設定してしまえば、全自動で室温の管理が可能です。これに限らず、スマートスピーカーは「口は動くが手は動かない」タイプのADHDにとって、生活改善に効果を発揮する場合があります。私のおすすめです。

 もっと古典的な方法ですが、例えば日光が入ることで高温になる場合はカーテンが有効です。特にアルミカーテンは、日光による気温の上昇をはじめとした、室温の大きな変動を避けるために有効です。

 安価なわりに効果が高いので、お勧めします。


 天気と気圧についてです。特に天気が発達障害の体調に悪影響を与える可能性について、当事者の報告が複数あります。私も気圧の変化で体調が悪化する傾向にあることを、下記ツールで確認しています。しかし、発達障害者が健常者と比べて天気や気圧の変化に弱いのかどうか、という問いに答えうる論文や文献に基づく検証結果を、私はまだ見つけられていません。
天気と気圧の把握については、私は頭痛ーるというツールを使っています。
https://zutool.jp/

 Andoroid およびiPhone 上で、無料で使用可能なアプリです。(有料版もあります。)住んでいる地域の情報を登録すると、その日の天気と気圧の変化を教えてくれます。さらに、体調の悪化を記録することで気圧の変化が、体調の変化と相関しているかどうかを確認することもできます。


 最後にで大事なことですが、外部環境は私たちの都合に合わせて変動はしてくれません。理不尽に変わります。そして、健常者は勿論、発達障害を持っている人は特にどうしようもなくその変動に振り回されます。したがって、ある程度の体調の悪化は避けられません。誰も悪くなくて、どうしようもない事なのです。

 神学者の二ーバーは、下記のように述べています。

神よ、

変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

ラインホールド・ニーバー(大木英夫 訳)

The Serenity Prayer(ニーバーの祈り)
http://home.interlink.or.jp/~suno/yoshi/poetry/p_niebuhr.htm
原著:大木英夫、『終末論的考察』、中央公論社、1970年

 環境の変動は、現在の私たちには変えることのできないものです。
受け入れたうえで、できる対処を考えていきましょう。

それでは、よい1日をお過ごしください。

red_dash

参考

【書籍】 大木英夫、『終末論的考察』、中央公論社、1970年

生産性を上げたければ「温度」と「湿度」に気を配れ!? 最適な作業環境を徹底的に考察してみた。 - STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア -
https://bit.ly/3hr3BDg

くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第五回 「発達障害者の大敵は気圧なんですよ!」ってお話|くらげ|note -
https://bit.ly/30zMbxD

発達障害者は低気圧に弱い?雨で体調を崩すワケ - ADHDでアスペルガー、詫磨一紫の日々徒然 -
https://bit.ly/30HVFqO

The Serenity Prayer(ニーバーの祈り)
http://home.interlink.or.jp/~suno/yoshi/poetry/p_niebuhr.htm

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