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2021.10.12

Every dog has its own day

いちばん書きたいことはいつだって書けないんだけどな、と思いながら今日も筆をとる。

10時

今朝はベッドの中でうっすら目を開けてもつよい光が入ってこない。どうやら今日は曇りらしい。

洗濯物が溜まっている。今日は曇り。ああ。
毎日愛用しているお天気アプリ「amehare」で今日の最高気温を確認してから、かろうじて残っている服を取り出してさっと着る。
基本、一度やったことのあるコーデはしないというマイルールを持っているのだけど、今日はもう曇ってるし部屋も暗いので無理。無理。
少し前に組み合わせたことのある、ここ最近で一番しっくり来る洋服を着て、出かける用意をする。

昼休みからキャンパスに行き、ソウルメイトのNと昼ごはんを食べて午後の授業を受ける予定だった。ソウルメイトと駆け込んだ今日のお店は...「三品」!!!
見ての通り、少し年季の入った、いかにも男しか入らないようなお店である。実際、私たちが入った時に周りにいたのは全て年下と見られる男子大学生だった。
コロナ前の私は一応、こういう場所での恥じらいを忘れぬかわいい女子大生だったので、ここに女子だけで入ることをきちんとためらっていた。

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それがどうだ、世界をものすごいスピードで変えてしまったコロナは、ついでに私の邪念までをも取り払ってくれたようだ。キャンパスライフが再開され、ぶらぶらと大学に戻った私は、恥じらいや見た目やモテという余分な自意識を失った代わりに、ただただ食欲や欲望のためだけにシンプルに動ける女となったのだ。ガハハハハ。

さて、本日いただくのは。

早稲田で知らない人はいない、キャンパスのうらで半世紀つづく牛めし。
牛丼ではない。牛めし。
これを学生の間に食らうことが、恥じらいのある頃からのずーっとずーっと念願の夢だったのだ。味わい深い色褪せた暖簾の向こうに広がるのは、カウンター席と少しばかりの座席。お昼時はすぐに混む。

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▲牛めし。540円(税込)
紅生姜と福神漬けはセルフで無限に大量にかけられる吉野家式。ヤッホーイ

言うまでもなく、美味だった。

この牛「めし」の何がいいかって、この味が染み渡った豆腐の存在に間違いない。カウンターの目の前では、炊き出しの時にしか見たことのない大きな銀色の鍋でグツグツと煮込まれる具材。そこでじっくり染み渡らせたこの豆腐こそ、美味しいのだ。

ソウルメイトNが、厨房の奥に掲げられている『私たちのお店は、国産米を使用しています』と書かれたカレンダーを見ながら、「国産米じゃないこともあるってこと?」と言った。確かに、米の自給率97%くらいの日本がわざわざ国外のものを使うか...?と思った。知らず知らず食べている米が国外のものだったら、なんだか怖い。国外のものだから、と言うより、目の前にある食べ物がどこから来ているのかわからないことが、怖い。

ちなみに、三品は牛めしだけではなく、カツカレーや牛めしのカレーがけなどもある。男性はとても満足できるお店だと思う。昼時しか空いてないけれど、日曜以外は営業しているのでぜひぜひ。

恥じらいを忘れ、本能のままに牛めしをむさぼったあと、ソウルメイトNと映像メディア論の講義をオンラインで受ける。同じ空き教室に、無言のまま2人でじっとPCを見つめる。
内容は、「ドキュメンタリーとは何か。」
私たちは、ドキュメンタリーと聞けばその映像に一切の加工が加えられていない映像資料と捉えることも多いが、本当はディレクターの目線を介入した、脚色のついた映像資料であることも多い。授業で扱った動画は、和歌山県大知町で伝統的に営まれてきたイルカ漁業に対して、海外(西洋)のイルカ保全団体が盗撮という形で勝手に切り込み、悲惨な様子に仕立てて一方的に撮影したドキュメンタリーというもの。
その手法だか真実の撮り方かわからないが、海外ではなんちゃら賞を受けて比較的評価されているらしい。

私個人としては、この映像はオリエンタリズムや植民地主義の匂いしかしない偏向的な動画だと思うのだが、ドキュメンタリーというジャンルが視聴者に与える映像資料としての期待はたしかに大きいよなあ、とぼーっと思った。ニュースやネットの情報はまだしも、プロが仕立てるドキュメンタリーにも脚色があるだなんて、一体僕たちは何の情報を信じれば良いのか....。

そんなことより、この授業を受けながら、私は夢中になってホロスコープの記事を読んでいた。

Fashionpressから出ている「日曜日22時占い」というそのまんますぎる名前のホロスコープ。

今まで私はファッション誌などのホロスコープ(しいたけ占いも含む)で一回もしっくり来た試しがなかったのだけど、これだけは全然違う。
私が最近ぼんやりと感じていたことが、これまたそのまんま書かれていた。

占い師にもバイブスってあるんだなあ、と感心しながらあれこれ眺める。星読みの場合でも、見ている世界、立っている場所で入ってくる言葉も変わるんだと思わされる。同じ世界に住んでいる占い師は多分同じ言葉でものを語るし、きちんと自分の星のめぐりと一致する。
占いは椎茸占いの他にもちゃんとあるのだ。自分のバイブスと合うホロスコープを見つけた快感はすごい。自分だけが知っているお気に入りの休憩スポットを見つけたような気持ちよさだ。

そんなこんなで、誰だこの星読み〜!!!とホロスコープに興奮しながら流し聞きしていたドキュメンタリー論が終わる。文化人類学の講義を聞き、寒いのでキャラメルラテを飲み、ここまでの日記を書く。

19時、帰宅して作業。ケミストリーを急に聴き始める。それ以来今日の永遠リピ。リリース当時の2001年、私は2歳とか3歳なんだけれど、ヒトとして持ちうる一番最初の方にこの曲の記憶がうっすらと残っている。自力でこの時代のR&Bに辿り着けたことに哀愁を感じるなど。

22時、ソウルメイト・Nと再びオンラインで企画会議。
この夏発行したZINEを一緒に作ったNと、また新たな企画を考えている最中。オンラインミーティングで、急遽そのリリースが今週の日曜に決定するなど。異常なほど楽しみ。

今週はもう、同時進行で進んでいるものや予定が多すぎて、ギリギリで生きてるReal face状態。これをいかに事故なくクリアするかが今週のミッション。なんでこんなに忙しいんだろ?日曜まで謎に予定が詰まっているではないか。とりあえず寝よう。

世界よ、きょうもおやすみなさい。また明日。

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