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NVIC "おおぶね" 月次レポートを読んで ー 2020年5月

今回の記事をどう書き出すか、色んなアイデアが浮かんだのですが、このツイートをまず貼り付けさせてもらいました。理由は後述します。

おおぶねJAPAN(日本選抜)、おおぶねグローバル(長期厳選)の初回の月次運用レポートが昨日、公開されました。

2つのファンドとも、毎月investしています。

先発の、米国の会社に長期厳選投資している #おおぶね も昨年から毎月追加investをしていますので、おおぶねシリーズのファンド全3本にお世話になっています。先発の「おおぶね」はNVICさんは運用助言という立場でファンドに関わっていることもあり、月次運用レポートはファンドを設定されているNZAMさんからの発信となっていますが、JAPANとグローバルはNVICさん自身が設定、運用しているファンドですので、月次運用レポートがどんなものになるのか、大きな期待を寄せていました。

2つのファンドの初の月次運用レポートを読んでみて感じたこと。それは、期待に違わぬ内容の濃さ(濃ゆい!)でした。

2つのファンドの月次運用レポートです。

https://www.nvic.co.jp/data/fund/obune_japan/id200001_report1_200519.pdf

https://www.nvic.co.jp/data/fund/obune_global/id401002_report1_200519.pdf

ポートフォリオ、組み入れ資産の内容について、詳しく定量的なデータ、事実が示されていました。これは私の期待の範囲だったのですが、一点、期待、予測を超えていた情報提示がありました。

スクリーンショット 2020-05-20 6.21.14

ファンドのCIOである、奥野一成さんのファンドの保有状況が示されています。今回のレポートはいずれもこのように締め括られています。

私を含めNVICの乗組員一同は、「おおぶね」の舵取りの責任を担うとともに、一緒に乗り込んでいただいた受益者の皆様とまさに同じ船にのっています

常々、奥野さんは「同じ船に乗っている」と幾度となくお話しされます。ファンドを運営する側とファンド保有者(受益者)だけでなく、

投資家と経営者は⻑期的な企業価値増大という同じ船に乗っているのです。

ということも強調されています。

この「同じ船に乗っている」ことを明示するために、このファンドの保有状況をレポートに載せられたのだと思います。

もう一つ。イベントのQ&Aで奥野さんに投げかけられる質問に「いつ買えば(投資すれば)良いのでしょうか?」があります。いつも奥野さんは「僕は毎営業日、買っています」とお答えになるのですが、それもこの表で確認することが出来ます。

おおぶねJAPAN(日本選抜)

今回のレポートでは2つ、印象的な箇所がありました。一つはTOPIXについて、もう一つは投資先との対話、エンゲージメントについて、です。

日本の株式市場はとりわけインデックスで考えた場合、この30年間の平成の時代、基本的にずっとレンジ内での揉み合いであり、同期間に米国株式インデックスが9倍以上になったことと対照的です。これは、この30年間、多くの日本企業がグローバル競争の中 で競争優位性を失ったこと、それからそのような状態なのにも関わらず、競争力を失った企業群に退場を促すようなインデックスの構造になっていないというTOPIX独特の問題に起因すると考えています。

これは以前から奥野さんが主張されていることです。レポートでも述べられていますが、この問題に何らかの対応を検討されていたようですが、問題の本質を捕らえた解決策には至っていないようです。私自身、TOPIXをゴチャゴチャいじっても仕方ない、仮に新しい株価指数をつくるなり、東証一部上場の基準を厳しくするなり、そんな小手先の対応ではダメだろう、時間と労力の無駄に終わるのでは、と予想していました。問題の本質は投資家のマインドそのものだと感じていたから、です。株式投資のリターンの源泉は、未来につくりだされる価値にあると私は考えています。ですから、そんな価値をつくりだせる、つくりだし続ける会社を、丹念に探し、調査し、分析し、判断してくれる、と信頼を寄せることのできる投信会社、ファンドマネジャー、チームに自分のお金を託したい、と考えています。

企業の⻑期的なステークホルダーの一人として、企業価値増大に関する「Win-Win関係」を模索します。このような事業の本質にかかわる建設的な対話、議論をポートフォリオ企業80社程度のすべては不可能だとしても、相当数の企業に広げることは可能であり、それに よって期待される⻑期的な企業価値増大は本ファンドの受益者の皆様に還元されるものであると信じています。

投資先との対話、エンゲージメントに「長期的なステークホルダーの一人として」取り組む、挑戦することを宣言されています。この「長期的」ということが非常に重要な要素だと思います。これが無いことには、対話の相手、すなわち、投資先の企業も「構えて」しまいます。特に、株主のみならず多方面のステークホルダーに対して、既に均整の取れた対応がある程度出来ている会社なら、尚更、突然、「対話」だと押しかけられても、ね、って。なんでしょう、イマイチな会社に「ここ、イマイチでしょ!」っていうことばかりが「対話」ではない、って思います。「ここ、もっとこうしたら、もっとイケる会社になるよ」といった「対話」。でも、これも「長期的に」というスタンス、そう、「同じ船に乗っている」人じゃないと、会社側も付き合いきれないですよね。来年にはいなくなる投資家の話なんて、って。

エンゲージメント、対話については、今後、どんな風に情報提供されるのか、非常に楽しみです。

おおぶねグローバル(長期厳選)

私たちのファンドは、「構造的に強靭な企業®︎」の企業価値増大に寄り添った形で、時間の経過とともに株価の持続的な上昇が見 込める、という哲学に基づくものであり、実態的な数字に基づくものであることから、受益者の皆様に対する説明能力が高いばかりでなく、再現性も高い運用手法であると考えています。
・・・
相場が大きく下落する時には、「構造的に強靭な企業®︎」の株価もその影響を逃れることはできません。だからこそ、そういう 局面であったとしても、「構造的に強靭な企業®︎」の事業の経済性が損なわれていない、ということに関する説明が必要なのです。

奥野さんのお話を何度かお聞きして、感じていること。それは市場がどんな値段を付けるかということは分からない(過剰とも言える超割高な値付けは別として)、を大前提として、大事なことは「何を持つか」「一体、この会社の何に投資するのか、賭けるのか」を調べ上げて独自の仮説を導き出し、その仮説を絶えず検証し続けること、それに徹すること、精力、資源を集中すること。これがNVICさんのプロフェッショナルとしての流儀なんだと思います。「おおぶね」の月次運用レポート で新しく投資先に加えられたCostcoが紹介されているのですが、投資開始に至るまでのプロセスにもそれが現れている気がします。

毎営業日ファンドを買っている、その奥野さんの行動こそが「市場は分からない」ということの表れなのだ、と私は感じています。

月次レポートに絶えざるイノベーションを!

再度、このツイートを貼らせてもらいます。

投信会社が「良き、善き会社」を選び出すこと、それはある種、当然のことだと思います。それがプロフェッショナルの仕事でしょう。しかし、投資信託が成り立つには投資家、受益者が必須です。ファンド運営という意味で、ファンドの哲学や理念を理解、納得し、それを支持する受益者を増やし、また継続して追加投資をしてもらうように取り組むことも、「良き、善き会社」を探し出すことに負けず劣らず、大切なことです。そのために投信会社は何が出来るか。成果、リターンはもちろん大事でしょう。先にご紹介したレポートにある通り、そのリターンはどこからどうやってきたのか、それは偶然では無く再現性あることなのかどうか、それを丁寧に説明し続ける必要があるのではないでしょうか。ですから、単に今月の基準価額が云々だけでは、全く不十分。それのみで、哲学、理念を理解、納得した新しい受益者は増えたりしませんし、既存の受益者の信頼が確かな形で深まることもないでしょう。

投資信託には目論見書や運用報告書という基盤がありますが、これらが発行される頻度は少なく、また、その体裁や記載事項は画一的です。発信の頻度が多く、体裁その他に制約が少ないのが、月次レポートだと思います。月次レポートは「善き受益者を育てる」ために極めて大きな可能性があるはずです。イベント、セミナーも確かに有効です。しかし、それは積極的に関心を寄せている、アクティブめの投資家が多く参加するもので、日々忙しく過ごしている人や、そこまで関心は無いけどファンド保有しています的な人には「届いていない」。でも、熱が込められた月次レポートは、イベント等には参加しない人、受益者の目にも届く可能性があります。

月次レポートには絶えざるイノベーションを!

投資信託を愛する個人投資家の一人として強くそう思います。

今回、NVICさんは月次レポートのあり方、発信する内容について、非常に大きな一石を投じられたと感じています。しかし、このレポートを見て「マズい」と感じている投信会社は数少ないのではないでしょうか。そもそもこのレポートを見ていない投信会社も数多いかもしれません。そうした投信会社に目を向けてもらうためにも、NVICさんには月次レポートの更なるイノベーションを期待します。

以上、勢いのママに、おおぶねの月次レポートの感想を書き連ねました。

先発の「おおぶね」のFactsは下記のブログに書きました。

もしかしたら、この記事でNVICさん、奥野さんのことを初めて接点をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんね。奥野さんの新著が近日、出版されます。

タイトルに「ビジネスエリートになるための」と付いていますが、ここはちょっと誤解を生みかねない箇所だと思います。

「自分自身で考えて、未来の可能性を拓くための」教養としての投資

と私ならタイトルを付けたいです。(ちょっと難しいかもしれないけれど)高校生、大学生、若い人たちに、一人でも多く、この本が届いて欲しい、そう強く思っています。


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