見出し画像

『模倣大国北欧』と『模範大国米国』

先日リリースされたスカンジナビア航空(SAS)のPR動画。「広く知れ渡っている北欧らしいものは実はコピーだった」という趣旨のもので、当事者からSASへ向けたバッシングが多数寄せられたようでプチ炎上しています。

動画内で取り上げられていたものとして、例えば現在のような民主主義はギリシャに由来し、育児休暇はスイス、ミートボールはトルコ、リコリスは中国、クリップはアメリカなどなどその他多数があります(詳しくは下記リンクからどうぞ)。

北欧はコピーにしか芸がなく、模倣することでここまで成長してきた、という見方もできるのでそれが反感を買ったようです。

確かに真似をすることは時として批判の対象になるなあと思ったわけですが、とは言っても世の中で出回っているもののほとんどが「コピー」である以上は、真似することはかもすると「悪」ではないように思います。

「模範大国米国」

そういえば、つい最近マイケル・ムーア監督の「世界侵略のススメ」を見ました。これからのアメリカをどうやってアップデートしていくかを探しに色んな国へ足を運び、その先々で感じた「良さ」を学ぶというもの。以前のブログでも書いたように、紹介されていた8カ国中実に3カ国が北欧の国(フィンランド、ノルウェー、アイスランド)であったことは驚きです。それくらい先進的で革新的なことをやっているのが北欧なのかも?それかある種意図的に北欧が選ばれたのかも(真偽は不明)。

この映画のオチとしては、世界の色んな国を見て回ってきたけれど、それぞれの良さは実はアメリカに由来することである、といったところです。まさに先ほどのSASのPR動画とは真逆。北欧が模倣大国であれば、アメリカは模範大国であるかのように綺麗に対比ができるなあと思いました。

1つまとめるなら、世の中のモノやサービスはほとんどコピーなので、そこまで「オリジナル」に固執する必要もない気もします。むしろ、オリジナルの素材にどんな調味料を加えたらより美味しくなるか、オリジナルと既存のものをどう掛け合わせたら、新しいものが出来るかが重要じゃね?って感じです。それがいわゆるポジショニングってやつかなぁと。

枝がどんどん枝分かれしていくことで木が大きくなるのであれば、その枝は思い思いに伸ばした方がその木の総量は大きくなる。「真似すんじゃねー」ってそこで枝を切ってしまってはあまりに勿体無い気がします。

意外にも真新しいものって少ないんじゃないかなって思っていて、大体が既存のものに改良・改善を加えたもの。例えば、映像技術であれば、大きなスクリーンに投影する映画に始まって、その技術が大衆化すればテレビになり、それが個人のデバイスとして機能するようになればスマホになる。それはもはや歴史で、だからこそ過去に学べば未来が見えてくる気もする。

古典の世界では、「まねる」は「学ぶ」であったように、結論学んでスパイスを加えてアップデートした方が良さそうです。

SASがリリースしたPR動画の意図を汲み取るのであれば、北欧は他地域のエッセンスを学ぶことが上手で、それを自分の型に合うように当てはめるのに長けている。それが北欧が革新であり続ける秘訣なのかもしれない。

0→1

これほど難しいものはないんじゃないかって思っていて、「1×1=10」を目指した方が正攻法として良さそうな気がします。

これって個人レベルでも意識すべきで、どんな成功者の武勇伝を聞いても、どんな失敗談を聞いても、それを自分なりに調理しないと体は受け付けないだろうなと思います。だから自己啓発本、ビジネス書の読みすぎは本質ではない。

コピーした、された論は結構不毛だなあと思うことがよくあって、そんな議論してる間に「1×1」をたくさんして、その解を10にでも、100にでもした方が人類は前に進みそうです。

「真似だ、真似だ!!」

と口うるさく叫ぶよりも、良いものはシェアして高め合った方が幸せの最大公約数は大きくなると思いますー。

良いところはどんどん真似していきたいッス。

画像1

いただいたサポートで、心の栄養を蓄えようと思います。よかったらサポートお願いしますo(^▽^)o