回復2

私の回復過程② 体ではなく心に目を向け始めた

この記事の続きです。4000字近い長文になってしまいました。お時間ある時に、ご興味があれば読んでいただけますと幸いです。


1.心療内科との出会い

私が初めて心療内科を訪れたのは2018年の3月でした。去年の春です。それまでは精神科の存在は知っていましたが、恥ずかしながら心療内科という言葉は聞いたことすらありませんでした。でも、心の苦しみが原因で体に症状が出ていると思っていた私にとっては、まさに願い求めていたような場所でした。

どきどきしながら診察室の扉を開けると、落ち着いた様子の女医さんが座っていらっしゃいました。まず初めに、体調を崩すようになった経緯を話しました。それから、家族のことを話したり。

すると先生が「今まで学校に行きたくないと思ったことはある?」と尋ねました。思い返してみれば、中学も高校も何度も「学校に行きたくない。人と喋りたくない…」という闇が襲ってきていました。それから、今まで死にたいと何度も思ったこと、自分が感じていた辛さ苦しさがポツポツと私の口を伝って出てきました。

私の話を黙って聞いてくれていた先生が一言「つらかったね」と。
その言葉を聞いて、話の内容に似合わないONモードの笑顔を浮かべた私の顔に一筋の涙が流れました。
生まれてはじめて、自分が抱えてきた苦しみを人に打ち明けて、生まれてはじめて今まで自分が抱えてきたものを「つらい」と言ってもらって、自分の中の”つらい”が”つらい”として通じること、分かってもらえたこと、あの時の感動は今でも忘れられません。


その時の診断結果は「心因性嘔吐」と「うつ病」でした。心理検査みたいなものを受けて思ったのは、「人生ずっとうつ状態だったんじゃないか…」ということです。心理検査の項目が、幼い頃からずっと考えてきたことに当てはまることがとても多くてびっくりしました。表面上はいつもニコニコして元気そうだけど、心の中は全く正反対で暗く深い苦しみや辛さが広がっていました。

だけど、自分にとってはそれが当たり前で、自分より苦しい思いをしてる人なんていっぱいいると思っていたので、辛いけど辛いと言えない…言っちゃいけない感じがしていたのです。先生に「結構深刻だね(重症だね)」と言われた時は、驚いたと同時に少し安心しました。自分で自分の辛さを認められないから、人にそう言われて初めて自分が「つらい」と言うことを許されている気持ちになれて、まずは専門家に「つらい」と認めてもらえたことが私にとっては大きな一歩でした。



2.初めてのカウンセリング

初めてカウンセリングを受けたのは、心療内科の初診から1か月後くらいだったと思います。心療内科でのカウンセリングが始まるのが少し先だったので、それまで待つのが不安で、何かに追われるように焦る気持ちもあり、ネットで色々調べまくって、ここなら自分の苦しみが解かれるんじゃないか…という病院外のカウンセリングルームを訪ねました。

そこのカウンセリングを受けて1番良かったことは、物心ついた頃から「死にたい」と思っていた理由が分かったことです。なぜ5歳くらいの幼い私が「死にたい」という気持ちを持っていたのか、ずっと分かりませんでした。5歳くらいの年齢だと”原因は家庭環境にある”ということはなんとなく考えていましたが、でも何かスッキリしない、引っかかるものがありました。その謎が解けたのがこのカウンセリングでした。


幼少期の私の家では毎日怒鳴り声が聞こえていました。でも、私自身が怒鳴られていたわけではないので、その怒りのエネルギーがこの「死にたい」という感情と繋がっているとは思えませんでした。ところが、カウンセリングを受けて、自分の繊細な気質ゆえに、他人に向けられた怒りを全て自分事として引き受けてしまっていたことが分かったのです。

だから、自分が全否定されているような感覚を持っていつも怯え、自分が常に悪いような気がして、自分の存在自体が迷惑なんじゃないかと思っていました。「怒られないように、迷惑をかけないように、負担にならないように」幼い頃から私の行動基準はこれでした。

でも、迷惑をかけないようにしようと色んな感情を自分の中に抱え込んだり、気持ちを押し殺したりすればするほど、その反動で破壊の感情が襲ってきて。幼い頃はその感情を自分で処理しきれなくて、モノを投げたり、拗ねたりしていました。そうすると、迷惑そうな顔をされるから、迷惑をかけたくないのに結局迷惑をかけてしまったと、とても苦しい感情に呑み込まれて、もう死にたい…となっていたと思います。


また『対人関係の基本は親との関係にある』ということもカウンセリングで学びました。確かに、学校の先生、先輩、友達... 常に相手の顔色を伺って、機嫌を取るように行動してきました。自分の気持ちを抑えて、どうすれば相手が満足してくれるか=私は怒られないのか/嫌われないのか という考えが無意識のうちに私の脳を占領していたと思います。

とにかく失敗しないように、迷惑をかけないようにと超完璧な行動を目指しているのに、それができないとき、一気に無力感に襲われて、度々「死にたい」という気持ちが襲ってきました。

このカウンセリングをきっかけに、より一層過去の傷に向き合うようになりました。幼い頃の自分を思い出し、どんな気持ちだったのか、押し殺してきた感情や欲は何だったのかを掘り起こす作業が始まりました。過去の傷だけでなく、現在の対人関係で何がつらいのか、一人でいるときにもずっと頭の中を回る強迫観念的な思考とも向き合い始めました。



3.カウンセリングに行かない空白の期間

それから、順調に回復していくと思いきや… 1回目のカウンセリングは良かったけど、2回目のカウンセリングでカウンセラーさんと意見が合わなくて、残念ながらそこに通うことはやめました。また、心療内科のカウンセリングも始まったのですが、距離が遠いこともあり、心の治療は年単位で時間がかかるから、これから長く通うことを見据えて、新しく家の近くで心療内科を探すことになりました。

ところが、色々心療内科に行ってみたのですがどこもイマイチで探すことを諦め、大学の学生相談室のカウンセラーのもとに駆け込むことになりました。カウンセリングって保険が効かず、とても高額なところが多いですが、大学の学生相談室は無料で、臨床心理士の資格を持った経験豊富なカウンセラーさんに話を聞いてもらえたので、結果一番長くお世話になりました。

幸運なことに私はそこのカウンセラーと相性が良かったので、毎度カウンセリングを受けるたびに心が楽になりました。生まれて初めて「安心」という感覚を分かった気がします。そのカウンセリングの時間だけは全肯定の世界を味わうことができて、物心ついた頃から15年近く一人で抱え込んできた苦しみを少しずつ少しずつ吐き出していきました。


心療内科に通わなくなり、病院外のカウンセリングも辞め、学生相談室に駆け込むまで、4カ月ほどの期間がありました。その期間は、自分で色々うつの本や認知行動療法の本を読んだり、過去の傷と向き合って感じたことを書き出したりしていました。だけど、私は一人だとどんどん暗闇にはまってしまって、回復のための行為がむしろ自分を苦しめてしまいました。結果、一人でやるよりカウンセラーの力を借りて自分と向き合う方が合っていることが分かりました。



4.ますます悪化する体調

学生相談室で定期的にカウンセリングを受けるようになり、自分でも心理学の考え方を学んで感情の取り扱い方が分かってきたり、心は少しずつ楽になっていく感覚がありました。

ところが、体調は全然良くならなくてむしろ悪化する一方でした。授業を受けるだけでも頭痛がひどくて内容が頭に入ってこないし、休み時間の教室の空気に心も体も耐えられなくて外に逃げたり、レポート作成のためにPCと向き合う度に嘔吐が止まらなくなったり...とてもギリギリの日々を送っていました。 

昼休みは保健室で休ませてもらったり、1日の最後の授業がどうしても受けられなくて学生相談室に駆け込んだりしながら、なんとか単位のためにほとんど休まずに学校に通いました。限界を超えてるのは分かってたけど、色々な状況上通わざるを得なかったので、休学せずに頑張っていました。


私の中では、身体症状は心が原因で起こっていることだから、心が良くならないと体は良くならないと、心の問題にばかり固執していました。ところが、現実は少しずつ心は楽になっているのに体はどんどん悪くなっていく。どうすればいいのか、先が見えなくなっていました。



5.心ではなく体が原因...?入院した病院との出会い

そんな時に、知人を通して入院することになった病院と出会います。そこの病院の考え方は、首の筋肉が固まっているから、自律神経がうまく機能せず、身体症状も起こるし、考えもうつっぽくなる。だから、まずはこり固まった首の筋肉をほぐすことが大事というもの。

それまで、心が先だと思い込んでいた私にとってはとても衝撃的な考え方でした。体を治療すれば、心も治る?!と信じ難かったです。

この入院生活については③で書こうと思いますが、入院生活・退院を経て、今の私は「体も心も相互に作用し合ってるから、どちらのアプローチも大事。どちらかに絞れるものではない」という考えを持っています。

この入院生活は人生で一番過酷な日々でしたが、その分貴重な学びを沢山得て、私の回復にとって意味のある大切な期間だったと思っています。どんな日々を送ってきたのか、そこで何を得たのか、続きは明日更新したいと思います。


とてもとても長い文章、ここまで読んで下さって本当にありがとうございます。


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カタツムリのように ゆっくりゆっくり日々を歩んでいます。 もうすぐ暖かな春がやってくるのが とても楽しみです。 最後まで読んで下さって 本当にありがとうございます。 読んでいただけて、とても嬉しいです。 素敵な1日になりますように^^

もうすぐ暖かな春がやってきますね。
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やわらかく、ほっと安心できて、スーッと解かれていくような、心の感覚を大切に。┊︎ ✍︎ 今 感じること/ 自分と向き合うこと/ 素直な気持ち を綴っています。┊︎ 女子大学生(心身の療養のため休学中)┊︎ 淡い色、空、写真がすきです。フィルムカメラはじめました ○
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