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見たところ設計図がありそうでもなく、長さなんかもメジャーで測るでもなく、とってきた木材の長さとか、削った穴のサイズなんかで適当に決めている感じに見える。適当に作っているように見えて、無駄がない。それがまたカッコいい。

当たり前だが知らないことは沢山あって、
知らないところにも当たり前だが凄い人はいる。

https://www.youtube.com/c/JungleSurvival/videos
この動画に出くわした。

東南アジアのどこかの国の人がジャングルで「つくる」動画だ。

これがちっとも説明になっていないことは、この説明を試みようとした俺が一番分かっているのだが、なんせうまい日本語が浮かばない。

歳をとって脳細胞が消滅しているのが理由かもしれないし、海外生活がある程度長くて何年か日本にも帰っていないのが理由かもしれないのだが、本当に適当な言葉が浮かばないのだ。

なんていうか、この人たちは「削って」いるのである。地面を削っているのだ。ただただ身体を使って地面を削るのだ。地面を削って、夢のようなスペースを作ってしまう。

地面の上に建てるなら、「建築」なんていう言葉も浮かんでくるのだが、この人たちは地面を削る。上ではなく、下に向かって。俺の中に培われてきた「建築」のイメージとは違う。

それと「掘る」という言葉も知ってはいるが、スコップやシャベルみたいな道具を使っているわけじゃなく、やっぱりなんだか「削って」いるのだ。まああれも「掘る」と言って言えなくないのだろうが、でも一番ぴったりくるのは「削る」だ。見ればわかる。

説明に適当な言葉が浮かばないから諦めて「つくる」にした。

見たところ設計図がありそうでもなく、長さなんかもメジャーで測るでもなく、とってきた木材の長さとか、削った穴のサイズなんかで適当に決めている感じに見える。それがまたカッコいい。適当に作っているように見えて、無駄がない。

3Dでの空間把握の能力が物凄い。とにかくどんどんどんどん削って、階段や、テーブルや、椅子や、ベッドを作る。壁にも燭台スペースや柱を作り、必要なら通用路も作る。これらすべて、削って作るのだ。それもなかなかのクオリティである。センスもいい。しかもほぼ無言。それがまたカッコいい。

ただ穴を掘って後から家具を入れるのではない。それなら頑張れば俺にでもできるかもしれない。しかしこの動画の彼らは何もかもを手作業で削って作るのである。感心する以外何をしたらいいのかわからない。

お父さんがこんなのつくれたら奥さんびっくり子供たち大喜び。
世界中のどの国の人でも、凄い人は本当に凄い。

ただ日本の友人にURLを送ったら「もう古い」って一刀両断(なのか?)された。調べると2014年7月23日の登録のようで丸6年経っている。
最初の方を見ていた人には今更感があって古い動画の人たちになってしまうのだろう。(新作は次々に出ているんだけどな。)

その友人の言い草にもイラっとしたのだが、なんでも流行りにしてしまう消費者って残酷で恐ろしいと改めて感じた。一般消費者の地位が上がることを悪いとは言わないが、何だか諸手をあげて喜べはしない。

いいものはいいし、自ずと敬意は湧いてくると思うんだけど、当然そうでない人たちも存在する。
同じ国の人間であってもいつも同じ感覚を持っているわけではない。

そういう感覚すらない人たちと連続で関わるととても残念な気がしてしまうのだ。

素敵な動画に出会えたのにな。



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