筆といえば書家の俺にとっては大事な大事なパートナーである。 信頼第一だ。
8月に入って兎に角寒いシドニー。
いや、寒いと言うより、冷たいと言った方が近い気がする今日この頃だ。
昼間も陽が照っている日向はいい。しかし一旦日陰に入ると冷えた空気が待ち構えている。雲泥の差である。
寒さのほかにも困っていることはまだある。
「筆」だ。
最近の筆にもほとほと困っている。
筆といえば書家の俺にとっては大事な大事なパートナーである。
信頼第一だ。そうだろう。
しかしこのままではそれも薄れていきそうなのだ。
困ったことである。
今回もなかなかやってくれたのだ。
主人の俺は「綱引」と書こうとしているのに、
パートナーの筆は「網引」と動いているのだ。
こんなパートナーを信頼できるだろうか。
いや俺はしたい。信頼したい。したいのだ。
しかし、よりにもよって「網引」って…。
困った。
俺はがっくり膝を落とし、
そのままうなだれてしまった。
「締め切りが…」
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