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ダイエットしている人は絶対に食べてはいけないもののひとつが、これもコリアンのベーカリーに売っている。

ジムでボディコンバットをやった帰り、コリアンのグローサリーショップに寄って飲み物を物色していると、hiteの0.00なるものが目に入った。

Hiteは韓国の人気ビールだ。俺は傍にいた店員にいくらかと問うた。
すると「よし、おれがお前のためにチェックしてやる」と大仰に言い、それを持ってレジにピッってしにいった。

話の流れとは関係ないが、どうも俺はああいうときの英語の「for you」がこれみよがしで恩着せがましく聞こえていつまでたっても好ましく思えない。日本語ではそんな風には言わないから訳すときには外したりしてしまうが、ちっともいい感じはしない。

でもまあ大仰に聞こえるのは英語自体の問題であって、この店員のせいでは全くない。もちろんそんなことは分かっている。この店員はとても親切で、サービスもいい。

戻ってきた店員は自信たっぷりに「one eighty-five」と言った。
「安っ!」と思わず日本語がこぼれる。

それを聞いた店員は、日本語が分かったとは思えないが、片方のそう濃くもないマユをぐっとあげてニヤッと笑い「zero」と言った…つもりだったかもしれないが、残念ながら空気の振動は「ジェロ」となって俺の耳に伝わった。

韓国人は日本語の「ざじずぜぞ」の発音、つまり「z」の発音が苦手だ。
日本人が英語の「th」や「r」の発音が上手くいかないのと同じである。
やっているつもりでもそうは聞こえない。
でも話の内容を理解しようとする気持ちがあれば伝わらなくはない。発音の拙さ「だけ」を蔑むような輩はろくな死に方はすまい。

これは買いだと、躊躇なく2本を掴み、しかしそれだけだと晩飯にならないので、みかんを一袋買った。

コリアンのグローサリーショップはチャツウッドにもいくつかあるが、このみかんは甘くて美味い。ローカルのスーパーには酸っぱいのしか売っていないから話にならず、見かければ買ってしまう。

とにかく喉が渇いていたので、店を出るなり降りしきる雨にうたれながら「ジェロ」を喉に流し込む。

「やべえ、ちょーうめえ」というわけではないが、決してなしではないと思う。絶対ありではないかもしれないが、まったくなしではないだろう。

「これでカロリーがないんだったら問題ないじゃん。毎日飲んでもいいわけだろ」とラベルをよくみると、「ジェロ」なのはアルコールで、カロリーは60kcalだった。2本飲んで120kcal。ボディコンバットのクラスに一回出たら何カロリー消費なんだか…。

カロリーと言えばだ。

ダイエットしている人は絶対に食べてはいけないもののひとつが、これもコリアンのベーカリーに売っている。

店はチャツウッドの駅の改札を出て目の前のエスカレータであがったところで、「アンパン」という名で売っている。日本人の思ういわゆるアンパンも「小豆パン」として売ってはいるのだが、こっちのほうが断然美味い。

あんことクリームがいっぱいいっぱいまでぎゅうぎゅう詰めに入っている、日本の大福より一回りくらい大きいパンだ。

韓国や中国の食品はぎゅうぎゅう感に乏しく何だかけち臭いイメージがある(そうじゃない製品のみなさんすみません)のだが、この「アンパン」はちがう。もう零れるくらいぎゅうぎゅうでお得感にも溢れている。

5個くらいはペロッといってしまいそうで、カロリーのことや、糖尿病のことまで考えると怖くなってしまう。可愛い形(ナリ)をしているが恐ろしいことこの上ないのだ。

近くに行くと買ってしまいそうになるので、しばらくは駅に近づかないようにしたくらいだ。

しかし、店の人も危ない食べ物だと気が付いたのか、近頃全然姿を見なくなった。出した瞬間に売り切れちゃって俺が目にしてないだけということもあり得るが真相はどうだろう。わざわざ聞きに行く勇気もない。

ただな、美味いんだな、これが。

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