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幸せの国 デンマークの忘年会

デンマークでは、クリスマスは1年で一番大きな行事です。
そして”幸せな国”デンマークの大切な価値観 ヒュッゲにも、とっても大きな季節なんです。

今回は、デンマークでこの季節にたくさん行われるクリスマスの集まり、クリスマス・ランチ(Julefrokost ユールフォーコスト)を見ていきたいと思います。

人がつながる季節

デンマークにとってクリスマスの季節は、日本でいうお盆やお正月と同じように、季節のお祝いです。デンマークは国教がキリスト教で、キリストの生誕祭、クリスマスは大きな行事です。

家族や親戚での集まりはもちろん、友達や同僚と集まる機会がたくさんあります。日本でも忘年会でいろんな人と集まって、お正月には親戚でも集まって、新年会でお祝いして、、、と集まりが増えますよね。

クリスマスだから、みんなで集まろう。
みんなで集まって、ゆっくりと温かい時間を過ごそう。

クリスマスのヒュッゲ(Julehygge ユールヒュッゲ)という言葉があるくらい、デンマークのクリスマスは、人と集まって温かい幸せな気持ちを味わう大切な季節なんです。

みんなで集まる理由、クリスマス・ランチ

その中で一つのイベントが、クリスマス・ランチ(Julefrokost ユールフォーコスト)です。クリスマス・イブの当日は家族や親戚を中心に、大勢で集まるのはもちろんですが、それまでの1ヶ月半くらいの間、友人などと集まって食事の時間を持つのがJulefrokostです。

ランチという名前がついていますが、クリスマスの食事会という意味で、レストランなどではクリスマス用のメニューが設定されています。ちなみにクリスマス・ランチという名前ですが、ディナー時間の予約もそう呼ばれます。

Julefrokostの季節ね!といって、みんなが楽しみにしています。

家族や親戚などと楽しむクリスマスビュッフェ的なJulefrokostの体験はこちらの記事でご紹介しています。

職場の仲間と打ち解けるひととき

デンマークは個人主義で、ワークライフバランスも大切です。コーヒーを一緒に飲んで話したりはもちろんしますが、飲み会で懇親を図る文化ではありません。平日はさっさと帰るのが当たり前ですし、なんなら早めに帰る人もいたりしますね。

そんな同僚たちが楽しみにしている年に1回の集まり、それがJulefrokostです。

伝統的には第2次世界大戦下、クリスマスに上司が部下を招いてお酒を振る舞ったところから始まったようです(DK版Wikipediaより)。その後、組織の階層などを気にしない形での集まりとして、今の形になってきたとのこと。そういう経緯で、会社の経費で開催されることが多いようです。

多くの職場では、レストランのJulefrokostのコースを予約して、みんなで食べにいくのだそう。

職場のみんなで、1年の仕事を労う。
仕事への熱意を共有しながら、冗談を言って笑い合って、
仲間とよい関係を築く。

11月中旬にもなると、クリスマス・ランチの予定が毎週のように入っている人が多かったそう。ここ2年はコロナ禍のためクリスマス・ランチに行けないことが本当につらかったと思います。
人と会って話すという機会が奪われるというのは、どこの国でもつらいことですね。


日本でも忘年会が復活しつつあります。
年末年始に、人とつながる季節。
みんなでつながりを築くことの大切さ、味わいたいと思います。

デンマークの幸せの秘訣、ヒュッゲな時間をもっと広めるためにサポートいただけたら嬉しいです! いただいたサポートはオープンサンドの試作など、デンマークの食文化研究に使わせていただきます。