物語のディテールを語るという戦術。

ふと思い出したので、短いですが書き留めておきます。

弊書籍を執筆した際に、編集者の方にめちゃくちゃ赤を入れられたのが、「実例を入れる」という事でした。つまり語りたい話のディテールを入れて欲しいという要望なのでした。

ぼくは当初、自分が伝えたい抽象的なエッセンスだけを文章化してしまっていたのですね。そこさえ伝わればよいと思っていたのです。実例に関しては、むしろ表面上の必要のないものと思っていたのかもしれません。
しかし編集者の第三者的視点では、それでは読者に伝わらないと判断したのでしょう。その指摘に従い、かなり実例を盛り込みました。

ふと考えると、先日紹介した、紳助氏の伝説の講義でのDVDでも、ディテールを語る重要性が説明されていました。

紳助氏曰く、漫才の中で、自身でしか知りようのないディテールを語ることによって、その後の漫才にリアリティが生まれ、聴衆を引き込むことができる。のだそうです。

先の、実例を入れるという話と通じる考え方だと思いました。

ちょっと話は変わりますが、ディテールの効果を感じた実例をもう一つ。
ぼくは、このお盆休みにドカベン全48巻を読んでいたのですが、ストーリーとディテールという視点で見ても凄く良くできているなと感じました。大きなストーリーとしては、主人公山田太郎が、明訓高校野球部で優勝を目指すという内容ですが、細かいディテールを見ていくと、岩城のボケに殿馬や他の登場人物がツッコミを入れるという構成が延々と続きます

おそらく、このディテールがあるからこそ、読者は飽きずにページをめくり続けられるのだろうなと強く感じました。

以下の有料部分では、ぼく自身が気を付けているメール執筆に関するディテールの話を書いてみたいと思います。


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