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それでもまだ、憧れる

僕たちは、たとえ手放していたとしても、1度手にしてしまったものであればそこから心を離してしまうことができない。 一度でもそこに寄り付いてしまったのなら、それは一生僕たちの脳のどこかには居続けてしまう。 例えば僕は、いわゆるソシャゲであるパズドラを何度も何度もやめてきた。高校時代にはテストに専念するために大学時代には度重なるインフレについて行くことができずに辞めた。だというのに、数ヶ月して風の便りで入ってくるパズドラの情報に興味を持って今のパズドラを知り、そしてまた戻っていく

    • 『TALK TO ME』 村上春樹の再解釈としての傑作ホラー

      海辺のカフカを読んで思ったことがある。 この世界の人間はどれも優しすぎる。 もしこの中の誰かが明確な悪意を持ってカフカ少年、ナカノさんに近づいていたとしたらどのような結末となっていたのだろうか。 もし、カフカ少年が夢の中で出会った佐伯さん=仮説としての母親が悪意を持ってそれを演じていたとしたら、カフカ少年は生きてあの世界から変えることができたのだろうか。 『TALK TO ME』の 批評を主としたこの文章の始まりにいきなり『海辺のカフカ』についての感想を書いてしまい驚かれ

      • アイスクリーム

        彼女は今日も空疎な1日を過ごしていた。親のお金で入れてもらった大学をたったの3ヶ月で行かなくなり、それ以降はバイトと趣味の生活に明け暮れていた。もちろん2年生になることはできなかった。冬の終わりに2度目の1年生になることを告げる文書が大学から送られてきたが、その文書を3行読んで中退することにした。親に伝えることもなく。 彼女の口座には決して少なくはない額の金額が入っていた。大学の授業料、月々の生活費。裕福とは言わずとも生活には困らないだけのお金が彼女の実家には入ってきていた。

        • 『ウィッシュ』感想と批評。新しい挑戦としての史実の作成とその失敗

          願いを失った映画『ウィッシュ』 この休日、ディズニー100周年記念作である『ウィッシュ』を見てきた。 これまでほとんどディズニー映画に類するものを見てこなかったが、この映画を十二分に楽しめるようにと約1か月の間に40を超える過去作を見て挑んだ。もちろんディズニープリンセスと呼ばれるものは全て見たし、その大半に対して概ねの満足と評価をしていた。 この『ウィッシュ』という作品はディズニー100週年という節目に対しての集大成的な意味が込められた肝いりの作品であったことは間違いな

        それでもまだ、憧れる

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          堅牢

          私が雨に降られた時、空は青く晴れていた。 私が街を歩く時、私の足音は聞こえない。 私が声を発する時、その声に反射するものはない。 私があなたにノックした時、その扉は開かない。 私は扉を開くことはしない。

          チーズケーキ

          今日、チーズケーキを食べました。 たった200円のチーズケーキです。 安いのに大きくて、甘くて美味しいチーズケーキでした。 私がチーズケーキを食べている間、先輩はチーズケーキを見ていました。 チーズケーキは大変美味しいものですから、それは見たくもなるでしょう。 先輩がチーズケーキを見ている間、左前の人は何か話し合いをしていました。 すごくむつかしそうな話をしているものですから、私にはよくわかりませんでした。 左前の人が話し合いをしている間、私の隣に座る後輩は念仏を唱えて

          チーズケーキ

          うちゅうじん

          晴れた日の夜、空を見上げだ 月を中心に、幾多の星が輝いている でも、よーく目を凝らしてみると ひとつひとつの星は点滅していたり、小刻みに動いたりしている これはもしやUFOか、そう思った だから一生件目にメッセージを送った 私は生きています。私は生きています。 そうすると、ものすごい速さで月がこちらに近い付いてきた。 そちらがUFOだったとは

          うちゅうじん

          にゃーとわん

          街を歩いていますと、にゃーとネコの鳴き声が聞こえました。 私はこんなところで急にネコの鳴き声が聞こえるなんて珍しいなと思いました。 すると次はわんとイヌの鳴き声が聞こえました。 私はこれまた珍しいなと思いました。 いつもはわんと聞こえた後ににゃーと聞こえましたから、その順番が逆になっているのです。 少し気になったので鳴き声が聞こえた路地裏の方へ行ってみますと、案の定ネコとイヌは喧嘩をしていました。 「まぁまぁネコさんイヌさん、何をそんなに喧嘩をしているんですか。」 するとネ

          にゃーとわん

          子猫

          ちいさな子猫を右手に抱えていました。 それそはそれはちいさな子猫で、私の右の手のひらにすっぽりと収まるほどです。 子猫は生まれたばかりで、ミルクを飲みたいと言っておりましたので、私は右の手のひらに子猫を抱えてペットショップからおうちへと帰ろうとしました。 しかしどうでしょう。 家にミルクがないことを思いつきスーパーに行き、そういえば昨日シャンプーが無くなったのだと思い出してドラッグストアに行きました。 さて帰ろう帰ろうと思うと、子どもの頃の友達に出会ってしまって話をされ続けま

          小さな机はごっちゃごちゃ

          小さな机はごっちゃごちゃごちゃ。 場所は新宿の外れの純喫茶。  隣との距離が文庫本一つぐらいの狭い喫茶店。 そこでコーヒーを飲みながら本を読む。 啜るコーヒーと齧るサンドイッチ。 小さな机の半分は食器によって埋められている。 そして私はブラックコーヒーしか飲まないけれど、こちらもどうぞと渡されたシュガーとミルクがさらに机を占領する。 タバコはどぉう?灰皿を置かれる。追加はどぉう?メニューが置かれる。 私はただここで本を読もうとしただけなのに、小さな机はごっちゃごちゃ。 あぁ、

          小さな机はごっちゃごちゃ

          どこまでも聞こえるように大きな声で弾けて。

          その森には今日も鳥の鳴き声が響いていた。 ピヨピヨというものもあればクァクァと街中では聞き馴染みのないものも聞こえる。 私、根田裕信はこの森にもう5日は篭っていた。 初めは出来心だった。 毎日毎日先輩に叱られ、お客さんには自分とは関係のないことで小言を言われ、私にとってバイト先のカフェは最も忌み嫌うものとなっていた。 それ故に私は街を出た。小さな街の小さなカフェ。 都会の人からすれば憧れるようなそんな場所が、私にとっては苦だっだ。 田舎の人間の嫌味を都会の人は感じることさえで

          どこまでも聞こえるように大きな声で弾けて。

          夏はまだまだ終わらない。

          外を歩いていると、蝉の鳴き声が聞こえた。夏の始まりを感じる。 おかしな話だ、蝉の鳴き声なんか聞かずともずっと夏だった。 5月からすでにその暑さで夏の到来を予感し、6月の暑さは夏そのもののようだった。 暑い。もう夏だ。暑いと言い続けていたのに、蝉の鳴き声でもう一度夏の始まりを覚えさせられる。 夏はエネルギーに満ちている。婉曲なしに、冬とは比べ物にならないエネルギーが太陽からは降ってきているし それを受けた木々や虫、動物たちは他のどの季節よりも活気付いている。人間だって、有り余

          夏はまだまだ終わらない。

          澤村さん

          私は私の大好きな人が私に大好きと言ってくれることが好きだ。 健二はもちろんだし、ママやパパにも言われたい。もし犬が人語を話せるようになったとしたら、ノンノにも言われたい。だって、高校に入るまでのご飯当番は私だったし、いつもかわいいって言って撫でているもの。きっとノンノも私のことを好きでいてくれる。 でも、毎日大好きと言ってくれるかというと、そういうわけではない。ママはパパの愚痴を言う時ばっかり饒舌になって、私のことを褒めてくれるのは、私がテストで全校10位以内に入った時だけ。

          高円寺 小杉湯

          昨日は少し、夜更かしをした。 朝早く起きた割には夜までやることは詰まっていて、帰った頃にはいつも床につくような時間だった。 夜更かしをして、ゆっくり寝ようと思った。 朝、時刻は朝7時。いつも寝る時間とさして変わらない時間だ。 夜更かしをした割には早く起きた。 日曜の朝、ゴールデンタイム。僕はヨガマットを広げストレッチや筋トレを始める。 少し寝足りないと感じるこの体は、それを拒絶する。やりたくないやりたくないと拒絶する。 でも日曜日というものはこのゴールデンタイムをどのように

          高円寺 小杉湯

          頭がぼーっとするんだ。

          頭がぼーっとするんだ。 もう何も動く気がしないほどに。 何かを考えようとすると頭の中にノイズが押し寄せて、 考えたいことを覆ってしまう。 多分僕は考え事をしようとする時、まず頭の前の部分、前頭葉に意識を集中するんだけど、そこに集中した途端に眼頭のところから一気にぼーっとする成分が分泌されて、それによって何も考えられなくなる。 波が聞こえる。海だ。 真っ黒な水が絶えず僕の足元まで押し寄せる。 いつか少しだけこの波が上ってきたら、僕の顔にまで届いてしまうだろう。 静かなところで

          頭がぼーっとするんだ。

          欲がない ー2023/03/03

          この日記でも何度か書いていると思うんだけど、今の僕は人生の中でもかなり幸せな気がする。月に2〜3回くらいは遊べる友人や先輩がいて、地元に帰れば毎日誰かが僕と遊んでくれる。加藤浩次なら「当たり前じゃないからな」と言うような環境に僕は幸せでいる。 でも僕は同時にこの幸せに対して少なからず違和感というか気持ちの悪いものを感じてしまっている。 今日まではその違和感の正体はわからなかった。ずっと幸せとは遠い心境で生きて来たが故に幸せに慣れていないだけかとも思ったがそうでもない。 この理

          欲がない ー2023/03/03