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インボイス制度に反対する理由(れいわ新選組 山本太郎)

れいわ新選組は、インボイス制度の廃止を求めています。インボイス制度になぜ反対するのか。今回は、2022年参議院選挙前、町田駅前ペデストリアンデッキでの山本太郎さんの街頭演説を文字起こししました。

山本太郎:
消費税、マズい税金だということはよくわかった。けれども、なぜインボイスをやめたほうがいいのかという話だと思います。

今、ご通行中の皆さん、たまたま足を止めた皆さんの中で、インボイスというものが来年(2023年)から始まることをご存知の方、どれくらいいらっしゃいます? おそらく全体の一割程度しかいないんですね。これ、ものすごく大きな問題なんです。消費税に絡む話です。

消費税って、全ての事業者が払うべきものじゃないんですね。売り上げが1000万円以下の人たちは今のところ消費税免税なんです。事業者に納税の義務がないという状態です。免税点制度というものがあって、これが成立しているんです。どうしてこういう制度を設けているかっていったら、小規模事業者に対して、消費税も払えってことになったとしたら、その膨大な事務作業、他にも消費税の負担ということになってくると、重くのしかかって倒れちゃう可能性がある。もともとそういう考え方の免税点制度だったんです。最初は3000万円だったんですけど、それが変わって1000万円以下になったというのが現在なんですね。

📝事業者免税点制度
所定年度の課税売上高が1000万円以下の事業者については、その課税期間について、消費税を納める義務が免除されます。小規模な事業者の事務負担や税務執行コストへの配慮から特例措置として設けられています。(国税庁HPより)

で、インボイス制度って何かっていったら、この1000万円以下、(消費税を)取らなくていいってしていたものを、取れるようにしていこうぜっていう話なんです。もちろん、払う人、払わない人、選べるようになるんだけど、払わなければ仕事継続難しいという状態に追い込まれるんです。

1000万円以下は払わなくていい。なぜならば守られてるんだよ、免税点制度で、ってことなんですね。過去の国会でもそのようなことがしっかりと話されています。昭和63年国会会議録。中小零細企業者への配慮のためにこのような免税点。1000万円以下、当時は3000万円以下だったと思いますけど、中小事業者の事務負担の軽減への配慮をもとに、個人事業主もしっかり守ってあげなきゃね。だって会社に勤めてる人と個人事業主考えてみたら、(個人事業主は)圧倒的に守られてないじゃないですか。ある意味でのセーフティネットの一部としてこのような制度が進められてきた。

けれどもここからも搾り取ってやろうぜって考えているのが今の自民党と財務省だっていうことなんです。これまずい。どうしてか。小規模事業者が軒並み潰れていく可能性だってある。納税するか、納税しないか、究極は選べますって話なんだけど、納税しなければどうなるかったら、取引先が納税しない人を雇う場合には税額控除受けられないんですよ。つまりは(取引先が)より多くの消費税を払わなきゃいけないっていう状態にされちゃう。ってことは敬遠されちゃう可能性ありますよね。仕事が減ってしまったりとか、事業継続が難しい。結果、廃業に追い込まれるような人たちも出てくるということなんです。

どんな業種に対して影響が出るか。フリーランス、請負でやられてる方々に大きな影響が出るのがこのインボイス制度です。個人タクシー、演劇に関わる方、映画やられてる方、出版関係、イラストレーター、音楽やられてる方、英語教室、生命損害保険代理店、農家、建設(一人親方)などなど。ここで一番私が危惧するのは、やっぱりもともと私、芸能界出身なんで、表現者ですね。細々と演劇やり続けてる、好きだからさって。音楽づくり続けている。何かしらの創作活動やり続けてるっていう方々は、これ(インボイス制度)が前に進んだらどうなるかったら、当然これまでよりも削られていく部分多いわけですよね。じゃあ続けるか続けないかって話になったら、辞めて普通に働こうかなってことになる。

でね。「そもそも消費税は客から預かってるんだから、それを払わなくていいっていう免税点制度自体がおかしいだろ」って言う人もいるんですよ。でもそれ違います。いわゆるネコババじゃないのかっていうのは、間違いなので、恥ずかしいので絶対外で言わないでください。これは裁判所でしっかり判例が出ております。平成2年3月26日東京地裁判決。「消費者が事業者に対して支払う消費税分はあくまで商品や役務の提供に対する対価の一部としての性格しか有しない」「事業者が、当該消費税分につき過不足なく国庫に納付する義務を消費者との関係で負うものではない」とされているんです。おさらいするとこうです。消費税は「対価」だよ、つまりは価格の一部だよ。そういう扱いなんです。「預り金」ではない。(消費税は)客から預かった税金ではなくて、価格の一部、物価としてこれは含まれてるもんなんだというような解釈。この事実は判決が控訴されずに確定しています。過不足なく国庫に納付する義務を消費者との関係で負うものではないということがはっきりしているわけですね。だから、「消費税払わない1000万円以下の人たちはネコババだろ」っていうのは、その考え方自体が間違っている、そういうことです。

で、先ほどの話ですけど、心配するのは、このインボイス制度が導入されたことによって影響を受ける方々。それによって廃業するようなことになってしまうと、日本の文化自体がどんどん衰退していくことになるんじゃないかって心配しています。なんのためにこんなことやると思います? より安い労働力を市場に提供するためだと私、思ってるんです。要は、これまで自分の仕事を持ってずっとやってきた方々っていうのは、一定の年齢の方々ですよね。その方々が新しくまた労働市場に入ったとしても、いきなり高い給料なんて貰えませんよ。そう考えると、安く買い叩けるような人材がより大量に市場に流入されるっていうことを望んでいるんだろうな。おそらく竹中平蔵的な考え方をする人たちはそういうことを考えている。私はそう思っています。非常に悪しき制度だと思っています。

消費税廃止を訴えているれいわ新選組ですが、一足飛びに廃止が難しいのであれば減税でもOKです。でも廃止という一番大きな旗を掲げなければ消費税下がりません。実際に2019年の私たちが旗揚げした時には国会の中で消費税減税の議論なんてほとんどないですよ。政党になって、それからも圧力をかけ続け、今、ほとんどの党が次の参議院選挙(2022年)のマニフェストには消費税5%への減税みたいなことは含まれてますからね。こういうことで旗を振っていくというのは非常に重要。消費税は廃止にすべき。ただし、その手前で減税という方向でも私たちは足並みをそろえます。そして加えてこのインボイスというのは絶対にやっちゃいけない。そういう考えです。


多くの人にとって馴染みの薄いインボイス制度。でも知らないまま放っておいてよい問題ではありません。2023年10月から導入予定ですが、まだ中止にできます。まずは知って、反対の声を広げていきましょう。

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「れいわmemo」は、れいわ新選組ボランティア有志による情報サイト「We Are れいわ新選組」(https://reiwas.info/)のnote部門です。


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