自動販売機ってなんだっけ?という素朴な疑問を調べてみた

中嶋 麗★onestar

最近の自販機はキャッシュレス決済からAED、その他機能が充実していて、もはやインフラ的機能を果たしています。今回はそんな僕らの生活に欠かせない自販機の戦略的意義についてまとめます。

■清涼飲料水の市場規模は?

清涼飲料の国内市場規模は5兆円です。うち自販機が30%程度なので1.5兆円ほどと見積もってみます。国内市場900兆円に占める割合は0.15%です。

自販機設置数は過去5年で2~3%程度の減少を見せており、今後の伸びも期待できない成熟市場と見られます。

この市場の縮小は周辺環境の変化が大きく影響しています。
もともと自販機のメリットは24時間稼働で近くにあることでしたが、24時間経営のコンビニ、量販店の安売り攻勢、またタスポ導入でタバコのついで買いの減少などの周辺環境の変化があり優勢が打ち消されているようです。

■自販機の戦略上の意義

自販機は飲料メーカーが自社商品の販路確保のために展開しています。流通チャネルの一つですね。各メーカーの自販機には自社商品のみが置かれているので、基本的にポジショニングのカニバリはなく、どれも独自の訴求の商品になっています。

そんな自販機の歴史は1962年、日本コカ・コーラがはじめて導入したことから始まります。

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現在2位のサントリーに出荷量で2倍の差をつけるコカコーラは自販機のおかげで現在の地位にいると言っても過言ではありません。

自販機は見方を変えれば消費者とダイレクトに繋がる「直営店」です。より人が集まる好立地を求めて各メーカーは熾烈な設置競争をしています。CMで見た商品がすぐに買える、地域のコミュニケーションのハブとなる小売店だったり、人口密集地の商業施設だったり…

また、自販機設置のハードルはかなり低いと言います。「1日に10本売れれば置く」くらい。つまり自販機は売上以上の役割=メーカーの広告的な役割もあると見られます。自販機と言われ思い浮かべる時、たしかにコーラの赤が思い浮かびますよね。(とは言え近年は不採算の自販機は撤収されているようですが)

■主要メーカーの自販機設置数

では、国内主要メーカーの自販機数を見てみましょう。

清涼飲料水全自販機 約200万台
コカコーラ 79万台
サントリー 43万6000台
アサヒ飲料 28万6000台
キリンビバレッジ 22万3000台

これで見るとコカコーラがシェア40%で圧倒的な強さを誇ります。

コカコーラのチャネル別売上は
スーパーマーケット:23%
ドラッグストア・量販店:13%
コンビニ:15%
ベンディング:25%
リテール・フード:23%
となっており、コカコーラにとって自販機が流通チャネル(Place)戦略上重要な位置づけであることがわかります。売上規模9,000億円の25%だとすると2,250億円が自販機からの収益です。

自販機比率が80%のダイドードリンコなど、飲料メーカーにとって自販機は重要な販路の位置付けなのは間違いないようです。

(ちなみに日本で一番売れてる清涼飲料水はオロナミンCです。)

■JR東日本ウォータービジネス

まるでイノベーションのジレンマのような、各メーカー自販機のスキをついた自販機がJR東日本ウォータービジネス「acure」です。顔認証でドリンクをレコメンドしてくれる、駅でよく見る自販機です。

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この自販機がすごくて
・販促キャンペーンがうてる
・性別や年代などの販売データを得ることができる
という機能がついています。

ただ一番は各社横断した商品ラインナップです。先程、各メーカーの自販機は自社商品のみを扱う、と書きました。これは真の顧客目線ではありませんよね?顧客からすれば、1社からではなく、「その時飲みたいものの自由度」が高いほど嬉しいです。その意味でこの脱メーカー自販機はメーカー自販機のマネできないことを行い成功しています。

■まとめ

過去パナソニックがショップネットワークを活用して販路を広げたのと似ているなあとも思いました。

「直営店」という見方もできる自販機の大きな利点としてはやはり量販店などを通すよりも販売計画が立てやすいということかもしれません。

基本的には定価販売ですし、販売数量さえうまくコントロールできれば売上見込みや生産量もコントロールしやすくなります。そういう意味では売上の大半を自販機に頼るダイドードリンコはその成功事例と言えます。(リスクもありますが)

■おまけ コカコーラボトラーズジャパン 財務分析

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2018年版の財務諸表です。
これを見ると原価率は51%、営業利益率は2.5%になっています。この年は豪雨で本郷工場が被災した影響で特損がでており、当期利益はやや低めです。

飲料市場は天候の影響がでるので、雨が多ければ売れず、晴天が多ければ売れます。現在コカコーラはCokeON、ラインナップではゼロカロリーやトクホ飲料に注力しており、今後の動きに注目です。



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中嶋 麗★onestar
こんにちは! 株式会社ワンスターでディレクターの部長をしています。 経営戦略とマーケティング、アカウンティング、ファイナンスなんでも好きです。 その日に気になったことを備忘録的に書いていきます。 よろしくお願いします。