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1000日分の29稲垣吾郎。舞台「No.9」をより味わい深くする方法。

先日、再再演決定の発表があった、吾郎さん主演の舞台『No.9 不滅の旋律』。作曲家ベートーヴェンの生涯を描いた、圧倒的な熱量を放つこの物語、観るたびにその渦に飲み込まれてしまうのですが。

この舞台を、より深く、さらに楽しむための秘訣をひとつ、8月29日の今日という日にお知らせしたい……!

その方法とは、

『ベルサイユのばら』を読むことです!


いやちょっと待って、ほんとマジでマジで。
ちゃんと理由があるんですって。

ベートーヴェンが活躍したのは、ナポレオンと同じ時代。
革命で処刑された王妃マリー・アントワネットはオーストリアのハプスブルグ家出身で、彼女が7歳の頃、宮廷音楽界に招かれた、当時6歳だった天才作曲家モーツァルトが求婚したというエピソードが残っています。

フランスでは「オーストリア女」と揶揄されることもあったマリー・アントワネットですが、洗練されたウィーンの文化の中で育った彼女のセンスは抜群。
そしてウィーンの市民もそうしたプライドがあったと思われます。
『No.9』の劇中では、酒場で傍若無人なふるまいをするフランス兵のことを「フランスの田舎兵どもが!」と憎々し気に話すシーンなどもあり、両国がお互いにどのような印象を持っていたのかを垣間見ることができます。

そして、なんといってもベートーヴェンの生涯につきまとう、【身分違いの恋】という障害。
これは、『ベルサイユのばら』の主人公オスカルと従僕のアンドレの関係そのもので、身分の違いというものが、当時いかに大きな障害であったのかを理解する上でとても役立つ資料なのです。

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当時、貴族と平民の身分の違いは【絶対】。
フランス貴族は王の許しがなければ結婚することができず、家柄が釣り合わない相手は即却下。
さらに、貴族の中にも身分の違いがあり、爵位は上から「大公(王族)・公爵・侯爵・伯爵・子爵(伯爵の長子)・男爵」…と続いていきます。
王様の兄弟などである「大公」には、貴族たちも逆らえませんし、代々王族に使える由緒正しきお家柄でなければ、宮廷に出入りすることを許されていないことも。
しかし、貴族の中には爵位はあれど実際には生活に困るほど貧しい貴族もいて、ベートーヴェンの想い人、ヨゼフィーヌの再婚相手の男爵も名ばかりで財産はないため、お金に困った彼女にベートーヴェンは支援を続けているのです。

こうした背景が分かっていないと、
「自分はいいけど子ども達を平民に落とすわけにはいかないとか、ヨゼフィーヌひどくない!?」
「本当に好きなら身分の違いとか関係なくない!?」
みたいな憤りを感じて、彼女やベートーヴェンの苦悩の深さを慮ることが難しくなってしまうのです。

イマイチ感情移入できない…という事態にならず、むしろ感情移入しすぎて「ベルばら×No.9」で感情MAX!毎回号泣!となっている私ですが、理解を深めるためにもぜひ!12月の公演までに一度、『ベルサイユのばら』を読んでいただきたい…!

と、『ベルサイユのばら』宝塚初回公演があったため、『ベルサイユのばらの日』とされている本日8月29日に思いを馳せる、ベルばら検定2級を持つ私なのでございました…

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