歌舞伎のメイク

今回は歌舞伎の舞台メイクについて少しではありますがお話しできればいいなと思います。歌舞伎のメイクといえばやはり白塗りと隈取と呼ばれる赤色や青色で施されたアイメイクのようなものが思い浮かぶと思います。そこでなぜこのような独特なメイクをするようになったのかを最初にご紹介していきます。

そもそも歌舞伎は江戸時代に始まった舞台であり、女性が行う「かぶき踊り」に由来して行われるようになったといわれています。その後、時を経て男性が行う現代でも知られているような「歌舞伎」になったのです。当初、歌舞伎は非常に人気のある娯楽でした。しかし、当時の役者や観客を悩ませていたのが舞台の暗さです。当然この時代に照明があるわけはなく、多くのろうそくを舞台に立てたり、「面あかり」と呼ばれる長い竿の先にろうそくを立てた道具を後見が役者の前後につき役者の顔を照らしたりなど様々な工夫を行いました。しかし、遠くにいる観客に役者の表情を認識してもらうには良い解決策とは言えませんでした。そこで、役者の顔にさらに白く濃い化粧を施すようにしたのです。具体的にはびんづけ油を塗った上から白い粉を塗り込むようにしたのです。そうすると化粧乗りもよくなり、化粧崩れもしににくくなった。それが現代にも続くようなあの独特なメイクに繋がったのです。現在のあの白くて濃い色を使ったメイクの前はかなりナチュラルなメイクだったということですね。

今までの話を四コマ漫画でわかりやすく紹介...

あーと3


ところでみなさんは歌舞伎のメイクの象徴である隈取は色によって登場人物の人柄を表していることを知っていましたか。私は今回、歌舞伎のメイクについて調べるまで知らず、隈取はたった三つの色を理解するだけでその役が持つ大体の人柄が分かってしまうことを知り、大変驚きました。隈取には赤、青、茶の三色が主に使われており、それぞれの色が持つ意味は以下の通りです。

赤:        正義、勇気、強さ、若さ
青:         冷酷さ
茶 :  人外のもの(ex.鬼、妖怪、精霊), 不気味さ

これらの色と、向きや描く線の本数の使い分けによってそれぞれの役のメイクは異なっていきます。歌舞伎の象徴ともいえる隈取はそれぞれの役の顔。なんとなくではあるものの一目でその役にどのような意味が込められているのかわかるようなメイクは長年にわたって多くの人に歌舞伎が愛されてきた理由の一つでもあるように思います。

やってみよう!

↓化粧の手順↓

 ①顔全体にびんつけ油(現在では新開発された「ウテナ化粧下地油」を使用される場合もある)を塗る〈→おしろいののりをよくし、毛穴から汗が噴き出ないようにするため。下地がまんべんなく塗れていることが重要で、よく動くところ、首などには特によく塗るのがポイント!〉②太白(眉毛つぶしの油)で眉毛の毛のおうとつをなくす③白粉と水を良く練ったもの(=おしろい)を眉から鼻筋にかけて塗る〈→眉毛の黒が浮き出ないように重ね塗りをする。鼻筋に二重に塗るのはハイライト効果がある!〉④全体に塗る⑤スポンジなどを使って水分を飛ばす〈→白粉と化粧下地の油の接着力を高めるため。〉⑥全体的に二度塗りする⑦役に合わせた隈取を行う〈→隈取の塗り方は状況や役者によって様々で筆を使って描いたり、指を使って描く役者さんもいるそうです。〉

↓実際のメイク動画↓ 非常に詳しく紹介されています!!

https://www.youtube.com/watch?v=iFYgF_PalBQ

手軽に体験してみたい...

そんな人には隈取の絵が描かれた顔パックがおすすめ!顔につけるだけで美肌効果はもちろん、自分が歌舞伎メイクをしたらどんな風になるのか、、なんとなくではありますが分かるかもしれません!

↓リンク↓

松本幸四郎監修 歌舞伎フェイスパック「暫」「船弁慶」(https://www.isshin-do.co.jp/facepack.html)   

最後に

今回歌舞伎のメイクについて少しではありますがご紹介してきました。私自身今回の記事を書くにあたり、歌舞伎のメイクについて調べていくと初めて知ることも多く、メイクだけを切り取っても歌舞伎は奥が深いことが分かりました。多くの人に長い時代愛されている歌舞伎。今回はメイクに着目して調べてみましたが、今後も様々な面から歌舞伎について学んでみたいと思いました。

最後までご覧いただきありがとうございます!

参考URL https://mag.japaaan.com/archives/50191  https://loohcs.jp/articles/388#contents-1


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