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私のプロ宣言について

プロソフトテニスプレイヤー、芳村玲と申します。(写真は右側)

この度、MOJJOJapan所属のプロソフトテニスプレイヤーとして、活動する決心をいたしました。

ここでは、プロ宣言の動画ではお伝えしきれなかった、私の思いを綴らせていただきます。動画をまだご覧になってない方は下記からどうぞ!(是非チャンネル登録もよろしくお願いします)

そもそも「プロ」とはなんなのか?

私のプロ宣言の発表を聞いてプロの定義について、疑問に思ったかたは少なからずいらっしゃるかと思います。プロ協会等もまだ存在していないソフトテニス競技には、厳密にはプロなど存在していないのが正しいのかもしれません。所属契約やスポンサー契約のような企業がバックについている、という部分で他スポーツにおける「プロ」っぽさがあるため、認めてくださる方もいらっしゃるのかと思いますが、プロ宣言をし、周囲にプロとして認知されればプロになれるのが現状なのだと思います。私としてはソフトテニスという道で生きていき、競技者としては勿論、一人の人間として成長を続け、自分なりのプロフェッショナルを追い続けた結果、多くの人に夢を与えられるようなりたいという思いで、プロ宣言をさせていただきました。


よしれいが考える「ソフトテニスのプロ」の定義

プロ=《「プロフェッショナル」の略》ある物事を職業として行い、
それで生計を立てている人。本職。くろうと。

「プロ」語源の通りかもしれませんが、「ソフトテニスで生活をしている人」はソフトテニスのプロだと私は考えています。
ソフトテニスのYoutuberでお馴染みの「あゆタロウch」さんや「T橋」さん。テニスショップを経営されている「KEIスポーツ」の方々、ソフトテニス スクールを運営されている「井口雄介」さん。私が無知なだけで、世の中にはソフトテニスに関わる事で生活をしている人は沢山いらっしゃいます。私の考える定義からすれば、そのような方達も全員プロであり、この競技を支えるキーマンであると感じています。

また、プロという先陣を切って活躍しておられる「船水颯人プロ」や、トップ実業団選手の立場を捨て、プロへ転向された「船水雄太プロ」とはもちろん同じ土俵に立ったとは思っておりません。彼らプロ両名を含め、幼少より実績を残し、国際大会の経験もありナショナルチームに所属するような選手はソフトテニス界において一番報われるべき存在であります。

しかし、日本生まれの学校育ちである「ソフトテニス」というスポーツが経済圏を獲得しきれていないことも事実。ソフトテニスの市場を広げ、最終的には国際大会で活躍するようなトップ選手にお金が集まる仕組みを作っていく必要があります。同じプロは名乗らせていただきますが、硬式テニスで例えるなら、トーナメントプロとレジスタードプロ。私自身も日本のトップ選手として活躍できるよう上を目指しつつ、私なりに市場を広げられるよう様々な挑戦をしていきます。


プロ野球から「プロ」としての生活を考える

ではプロとして生きていくにはどうしていけばいいのでしょうか。
日本トップのプロスポーツである、プロ野球でプロとしての「生活」=「金銭」を考えてみます。プロ野球選手は「年俸」として球団よりお金が支払われ、その額は基本的にはシーズンの「活躍」によって決められていきます。トップレベルの選手にもなると年俸は「5億円」を超す人まで出てきます。チームで見れば読売巨人軍の年俸総額は「30億」を超えてきます。しかし、日本シリーズを優勝してもチームへの賞金は「1000万」にすら及びません。優勝しても年俸総額の数%に満たない賞金で、どうやって「30億」円もの金額を選手に渡せているのでしょうか。

私の考える限りではプロ野球の収入を上げますと、

・チケット収入
・球場内での物品販売
・グッズ販売のライセンス収入
・放映権料
・スポンサーからの協賛金
・CMなどの広告料
・イベント収入
・ファンクラブ収入

これらの収入に共通するのは「背景にファンが存在している」こと。
ファンが試合を観にくるためにチケットを買い、応援するためにグッズを買う。球場に行けなくても試合を観たいファンのためにテレビ局が放映する。ファンが選手を見るからこそ、企業がスポンサーやCMを出し、イベントやファンクラブが成り立つ。

プロスポーツはファンが存在することで成り立っています。


「勝ち」だけが「価値」の時代ではない

スマートフォンやインターネットが整備されていない時代では、情報を得る手段はテレビやラジオ、新聞、口コミなどに限られました。王さん長島さんを初めとしてお茶の間を支配してきたプロ野球ではありますが、わずかな情報しか得られない時代では、メディアに取り上げられるには勝利が必須条件。活躍し、結果を残す人がアスリートとしての価値を得られる時代だったと思います。そんな激戦の時代を戦い抜き、三度の三冠王となった落合博満さんは監督になった後にこんな言葉を残しています。

勝つことが最大のファンサービスである。

ファンはもちろん、選手の「活躍」を観に会場へ足を運びます。「勝つ」ということは「活躍」することを示しており、ファンサービスには間違いありません。

ただ時代も進み、メディアの種類も増えたことで情報を選択する時代になり「勝つ」こと以外でもアスリートは注目を集められるようになりました。その代表的な選手と言えるのが「新庄剛志」さん。

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阪神時代、敬遠球を無理やり打ちサヨナラ打。
野球界の常識を常に打ち破っていた。
引用:スポーツ報知

打率は平均して.250前後、シーズンにおいてタイトルに絡むような成績を残したことはありませんが、チャンスに強く、試合外でのパフォーマンスでも圧倒的な注目度を集め、イチロー選手と同時期にメジャーリーグへ挑戦。メジャーでは日本人初の4番バッターを務め、帰国後も「SHINJO」として日本ハムでパ・リーグの盛り上げを牽引していました。新庄選手より成績を残したプロ野球選手は沢山いますが、新庄選手ほど知名度がある選手はそうはいないでしょう。

現役時代の年俸で「1億円」を超えたのはわずか「2回」しかし、その注目度の高さ、スター性もあり、CM等の依頼は殺到。最大年収は「13億」とも言われています。

「イチロー君は記録。僕は記憶。」

こうした価値観は近年では選手だけでなく、球団も体現するようになり、特にTBSからDeNAに変わったベイスターズ球団はその象徴とも言えるでしょう。(この動画なんてめちゃくちゃかっこいいです)



スポーツ選手のセカンドキャリアを考える

日本一のプロスポーツとも言える、プロ野球選手になるような人は、幼少期から野球漬け。高校や大学を出てそのままプロになる選手が大半です。活躍できている選手でも、急なスランプや怪我で引退を余儀なくされる場合だってある。契約が打ち切られれば戦力外。収入は一度に0になります。もちろん一流の選手であれば、プロ野球ではコーチや球団幹部のポジションが与えられ、収入が0になることはないでしょう。しかし一流選手というのは周りより成績が「優れている」からこそ一流選手と呼ばれるのであって、全体で見れば常に一握りの存在。レギュラーで活躍した時代がある選手でも、引退後に生活が困る選手も沢山いる。

しかし中には成績的には一流とまでは言えないような選手でも、引退後に活躍できている元プロ野球選手がいます。前述した新庄さんや、タレントの元木大介さん、坂東英二さん。最近では賭博問題で野球界を追放となった笠原将生さんですら、その話題性を活用しYouTubeチャンネルを開設。チャンネル登録者数は9万人を超えています。

引退後も活躍ができている選手に共通することは、現役時代から成績以外の部分でも注目されており、引退後はその注目を活かしてうまくポジションをとっているということ。(もちろん成績もあってなおよしではあります)


戦力的価値と市場価値を考える

情報はマスメディアが発信し、SNSが無い時代は、選手の「戦力的価値」=「市場価値」に結びつく時代でした。しかし、自ら情報を発信することが可能になった現代では「戦力的価値と市場価値の結びつきが弱くなってしまっている」ことは事実です。

前述した通りですが、戦力的価値だけではお金は生まれない。お金が動くのは市場価値があるから。なぜスポーツ選手に給料が発生するか、「働く」という行為が何につながっているのか向き合えば、自ずとやるべきことが見えてくるのではないでしょうか。

もちろん、市場価値を高めるその役割は所属チームや組織が積極的に行うべきことではあります。落合監督の「勝つことが最大のファンサービス」という言葉の裏には、マーケットの価値を高めることは球団が率先してやるべき、我々選手は勝つことで価値を提供することに専念する、というニュアンスが含まれているのだと思います。

しかし「個」で発信ができてしまうこの時代、選手側も市場価値についての目線は持つことは、所属チームも個人にとってもお互いプラスになることは間違い無いでしょう。


私が思い描くビジョン

私が今後大事にしていきたいのは

①戦力的価値の向上
②市場価値の向上

です。

選手の市場価値を高めるには、もちろん戦力的価値を高めることがまず一番手っ取り早いです。

「なんでお前みたいなレベルの技術の選手がプロに?」みなさんがそう思うこと自体、戦力的価値向上が選手の市場価値を高めていることを証明しています。
しかし、戦力的価値だけでは市場価値を高めきれないことも事実。

この「両輪で前に進む」ことを大事にして、
私にしかできない、伝えられないことで市場価値も一緒に高めていきたいと思います。

「プロがやるべきことではない」批判は必ず起こると思います。しかし批判されるような事をしなければ、おそらく市場は広がらない。自らが開拓者となり色んな手法や伝え方で、みなさんに新しい道を示したい。固定観念を常に打ち壊し「ファーストペンギン」になることで、プロになりやすい環境を高めていきます。


最後に

競技の最前線でトップレベルの活躍をしてきた選手や、卒業後実業団で戦う選手達はもっと報われるべき存在です。

他の競技だったら、成績的にプロとして生活できておかしくない選手は、昔も今も沢山います。

選択肢があるなかで、就職や実業団を選ぶことができる世界にならなければならない。

私の友人のプロアスリートに聞いた話ですが、硬式テニスは日本の上位3、40人はスポンサー等で生活ができていると言われています。

日本生まれ、日本育ちの軟式庭球。日本人のひとつの文化であるこの競技もそれぐらいの夢があっていい。

ソフトテニス界は組織、個人含め、ここ数年で大きく動き出していおり、エースマネジメント、まさとさんの言葉を借りるならば「ソフトテニス2.0」の時代。

私にできることは、私のような人間でもこの競技でプロとして生活できることを証明すること。

というか、人生かかっているので死ぬ気で証明します。

時には醜態を晒し、みなさんに不快な思いをさせてしまうこともあるかもしれません。しかしありのままの姿で伝えていきたいです。

文章は固いかもしれないけれど、話す時はとってもラフなので
そのへんの道端でみつけたら気軽に声をかけてくださいね!

今後とも是非、応援よろしくお願いいたします。



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