【詩】僕たちの風

自分の部屋の窓は、外から見ると、指輪みたいに頼りない。
ここは、本当は自分の家ではない。
生まれた瞬間、僕は数人の僕に分かれて、散り散りにこの世界に飛散した。
それぞれの僕が、それぞれの土地で、それぞれの嘘をついている。一方で、確かなものを探している。
毎日息をすること、食べること、眠ること、
それらが単なる延命処置という共通点で繋がっていること、僕は知っている。他の僕たちはどうだろう。

希望が希望と錯覚できるのは、闇のなかにいるときだけで、闇に溶けていって、闇そのものになれば、永遠に生易しい光を貪っていける。そこからはもう、こちらのものだ、裏切るのも、涙で笑顔を咲かせるのも、自由だ。だから僕たちは、子供のころ、線路を走り出したのかもしれない。闇そのものを超えるために。光そのものがなんなのか、探すために。
風が僕の肌を吹き抜ける、その道のりも行く先もわからない。今というのは風のことだ。恋にはいつも風が吹いているね。
いろんなところにいる僕が、いろんな風を感じて、それが共通点になればいいなと思っています。そうして僕は、僕たちと他人になることを願っています。

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詩を書いていきます。 いつか詩集を出してみたい。 美しい勘違いを演出したい。 https://twitter.com/rei_na__na

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コメント (1)
これすごく好きです!!!
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