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大切なものは目に見えない


――夜空の瞬く星のどれかに王子さまがいるように、大切なものは目に見えないんですよね。


【#203】20220119


人生は物語。
どうも横山黎です。


作家を目指す大学生が思ったこと、考えたことを物語っていきます。是非、最後まで読んでいってください。


今回は「大切なものは目に見えない」というテーマで話していこうと思います。


☆『星の王子さま』


先日、サンテグジュペリの『星の王子さま』を再読しました。半世紀以上たっても語り継がれる名作です。皆さんも一度は読んだことがあるのではないでしょうか?

砂漠に不時着して途方に暮れている「私」の前に、小さな王子さまが現れました。

「君はどの星から来たの?」

彼はそう訊ねてきます。

王子さまはどうやらとても小さな星に生まれ、そしていろんな星を巡ってから、地球に来たらしいのです。王子さまの思い出話が話の大半を占めますが、「私」はその話を聞いて、そして王子さまの思想に触れて、大切なものとは何なのか、知るようになるのです。


最後には悲しい別れが待っていますが、大人も子どもも楽しめる一作だと思います。



☆『桃太郎』の目指す場所


なんで今さら『星の王子さま』を読んだかというと、あるコメントがきっかけでした。

僕は今、新しい『桃太郎』をnoteで共同制作しようという企画を進めています。「勧善懲悪」よりも「共生」をテーマにした方がいいよねと思ったので、みなさんから意見をいただきながらコツコツ作っています。


僕は、そもそもこの『桃太郎』は、どんな文体でいくのか、どんな人たちに向けて作るのか、明確に決めていませんでした。一応『桃太郎』だし、万人受けする方がいいかな~くらいの軽い気持ちです。


この前、それについて意見をくださいました。

「この作品の読解の加減は、『星の王子さま』くらいではないでしょうか。大人子供楽しめますが、難しい表現も出てきます。」


たしかにー!!と思いました。


『星の王子さま』は途中、寓話的な部分があるので、子どもからすると何を象徴しているのか理解するのが簡単じゃないところがありますが、それでも星めぐりの話ですし、子どもはわくわくして読めるのではないでしょうか。


大人になってからは自分なりに物語を解釈することができるでしょうから、そこから教訓を得て、自分なりの答えを出す面白さがあると思います。


そんな感じで、新作『桃太郎』も作っていこうかなと思います。

つまり、、、。

『桃太郎』だし、どちらかといえば子どもはとっつきやすいと思いますが、子どもが全部理解できるように設計するのではなくて、大人になってから「これはこういうことだったんだ!」という発見ができる物語にしようということですね。



☆大切なものは目に見えない


『星の王子さま』のメッセージを一言で表すのなら、「大切なものは目に見えない」がふさわしいでしょう。


目の前の砂漠のどこかに井戸があると思えば、その砂漠がたちまち美しいものに見えるように、


どれだけ相手に時間を費やしたかでその関係の深さが決まるように、


夜空の瞬く星のどれかに王子さまがいるように、

大切なものは目に見えないんですよね。



僕はこの考え方にはすっごく共感できます。



で、『桃太郎』の話に繋げるんですが、従来の『桃太郎』って、鬼ヶ島に鬼を退治しにいって、宝物をうばってふるさとに帰ってくるじゃないですか。打ち出の小槌とか隠れ蓑とか。



でもそれって、昔の話だと思うんですね。

昔の人が『桃太郎』にたくした願いだと思うんですね。今、現実で満たされていないからこそ、物語のなかで、そのものを「宝物」と呼ぶんだと僕は考えます。

昔は、物質的に恵まれていませんでした。だから「宝物=物質」だったのです。



しかし、今の時代、どうでしょう。溢れるように物が存在しますよね。もちろんお金は大事だし、食べ物も大事だけれど、昔と比べて相対的に豊かになっています。「宝物」と呼ぶのは難しい気がしてしまいます。


つまり、今の時代、「宝物=非物質」といえるわけです。


これは「大切なものは目に見えない」と言い換えることができます。


人とのつながりとか、時間の存在とか、目に見えないからこそ美しく思えるものとか、物質ではないものを「大切なもの」「宝物」とした方が、今にふさわしいなあと思っていました。

この考えについては、以前同じようなコメントをいただいたことがあるので、僕個人の妄想ではないと思います。



まとめると、新作『桃太郎』では「共生」がテーマでもあり、メッセージでもあるので、「共に生きること」を「宝物」にしようかなと思います。もっとも作中で言語化するかは分かりませんが。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

横山黎でした。




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