「懐かしむ」というエンタメ
――「懐かしむ」という行為はひとつのエンターテインメントで、誰もが手軽にプレイヤーになれるのです。簡単な割には、最高密度の時間を過ごすことができるし、心は揺さぶられます。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「『懐かしむ』というエンタメ」というテーマで話していこうと思います。
◆小学校の同級生と呑み!
昨日、小学校の同級生と飲んできました。
彼と会うのは半年ぶりです。成人式のときに会った以来です。成人式後の同窓会も一緒だったんですが、みんないるからがっつり話すことはできませんでした。少し前に夏休みに会いたいねえと話していましたが、昨日ついにそれが叶いました。
最寄駅近くの焼き鳥屋さんに行ったんですが、安くて美味い!滞在時間は1時間45分と決まっているのであまり長居はできませんでしたが、満足度は高かったです。それはサービスが良かったり、料理が良かったり、いくつか理由はあると思いますが、やっぱり旧友と思い出話にふけったことが一番の要因かなと思います。
小学校の同級生なので、中学校、高校でどんな風に過ごしたのかお互い知らない状況だったのです。その間、会うこともほぼなかったし、この前の成人式の同窓会でも根掘り葉掘り訊くことはありませんでした。
僕らは、2人の共有の過去と、それぞれの過去を確かめ合うように語りました。一夜明けて、ふと思ったんですよね。「懐かしむ」って、ひとつのエンタメだなあって。
◆爆笑したエピソード
めちゃくちゃ笑ったのが、サッカーの話。
僕は小学生の頃、サッカークラブに入っていて、昨日飲んだ友達も同じクラブに入っていました。流れでサッカーの話になったんですが、そのとき彼が「そういえばひとつ覚えていることがあるんだけどさ」と切り出しました。
僕と、サッカークラブの別の友達がつくった創作シュート技の名前が「ナイチンゲール」であることを覚えているというのです。僕は「ナイチンゲール」という技名を聞いた瞬間、「うわ!懐かし!」となりました。
片方がヒールで後方に落とし、後ろにいたもう一人がシュートをするという特別なものではありません。当時、イナズマイレブンが流行っていましたから、とにかく技をつくりたくって、それに名前をつけたかったのでしょう。今となっては、その技の名前がなぜ「ナイチンゲール」なのか、命名動機は不明ですが、得意顔で技名を叫んでいる当時の僕を想像すると憎めません(笑)
本当にしょうもないエピソードですが、「ナイチンゲール」を耳にした瞬間、最近の中で一番笑ったかもしれません。そのバカバカしさに、その愛くるしさに、その懐かしさに。
◆懐かしむというエンタメ
それ以外にも、小学校の頃の話、あるいはお互い知らない中高時代の話などをしました。全てに共通しているのは、僕らは「懐かしんだ」ということ、そして「時間を忘れるほど語るのに夢中になって楽しんだ」ということです。
そのとき僕は思いました。
「懐かしむ」という行為はひとつのエンターテインメントで、誰もが手軽にプレイヤーになれるのです。簡単な割には、最高密度の時間を過ごすことができるし、心は揺さぶられます。
思い出話を語り合う。
それは年を取れば取るほど面白くなっていくエンタメです。月日を重ね多分、思い出話は増えていきますから、単純にネタ数が増えていくんですよね。また、年齢を重ねてからの視点で過去を振り返ると、また違った発見があったりするので、その面白さもあります。
さて、「懐かしむ」というエンタメをこの先も最大限楽しみ続けるために、僕が今、できることは何でしょうか。
それは、面白い今を生きること。
昨日飲んだ友達からは僕のエピソードトークを聴いて「ドラマだね」と評されました。そう、懐かしむ物語がドラマチックであればあるほど、懐かしむというエンタメは輝きます。これからも過去の自分に負けないくらい、ドラマチックな人生を綴っていこうと思いました。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
20220803 横山黎
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