
【運転支援セミナーレポート】 脳卒中後の自動車運転支援とは:医師×急性期OT×訪問OTが語る
本記事は、2022年3月28日(火)に行われたリハラボ町田主催・運転支援セミナーのレポートです。セミナーには234名の参加申込みがあり、医療介護業界における脳卒中後の自動車運転支援への関心の高さが伺えました。
作業療法士や理学療法士、言語聴覚士など運転支援に直接関わられている方のみならず、当事者から相談を受けるケアマネージャーや社会福祉士、看護師、医師など様々な職種の方々が参加され、多角的な意見が飛び交う会となりました。
運転支援に関わるリハビリテーション科医・大野洋平氏(国立障害者リハビリテーションセンター病院(注1) )、東京都町田市の急性期領域にて運転支援に取り組む作業療法士・川越大輔氏(町田市民病院)と在宅領域にて運転支援に取り組む作業療法士・永島匡氏(リハラボ訪問看護リハビリステーション町田)の3名を迎え、講演と参加者の方も含めたディスカッションを行いました。
注1:2022年3月現在
全体スケジュール
18:00 〜 18:05 挨拶・講師紹介
18:05 〜 18:25 大野洋平氏(医師)
18:25 〜 18:45 川越大輔氏(急性期OT)
18:45 〜 19:05 永島匡氏(訪問OT)
19:05 〜 19:30 質疑応答
講演①
脳卒中の機序や病態、国リハでの運転支援について|医師・大野洋平氏
◆ 講師プロフィール

2014年福岡大学医学部卒業後、岡山大学病院で初期研修修了。2016年より練馬光が丘病院総合診療科に勤務、2018年よりJR東京総合病院、東京大学医学部附属病院、国立病院機構東京病院のそれぞれリハビリテーション科勤務を経て、2021年から現職。
大野医師には、自動車運転が制限される疾患の一つである脳卒中の機序や病態・後遺症について、また、国リハでの運転再開支援の実際についてお話いただきました。検査や評価バッテリー、運転訓練の流れについて丁寧に説明があり、質疑応答もとても盛り上がりました。

講演②
運転支援に関する法制度と知識、病院での運転支援について|作業療法士・川越大輔氏
◆ 講師プロフィール

2020年より急性期病院にて言語聴覚士・作業療法士・脳神経外科・脳神経内科医とともにチームを組み、 自動車運転再開評価業務にあたる。設備などの限られた環境で行うことのできる評価などに関して取り組みを行っている。
川越OTには、自動車運転再開に関する法律・知識と急性期病院での自動車運転再開評価の実際についてお話いただきました。自動車の税減免措置や自動車改造費の助成など、なかなか知られていないお金の話も盛り込まれ、参加者の方にとっても非常に学びとなる時間だったようです。

講演③
在宅での運転支援について|作業療法士・永島匡氏
◆ 講師プロフィール

回復期リハビリテーション病院にて、回復期病棟・外来での自動車運転支援班の立ち上げ、その後訪問看護ステーションにて実車評価の行える運転支援サービスの立ち上げに関わる。「行きたいところに行く」を応援するため、町田市地域巡回バスくらちゃん号の広報や、移動支援ポータルサイトiconaviの運営を行う。
永島OTからは、在宅での運転支援の流れや実際に行われてる実車評価について、また、永島氏が取り組む自動車運転再開が叶わなくなった方向けの「移動支援」についてお話いただきました。実際の症例から学ぶ運転支援の流れは非常に分かりやすく、具体的な支援に関する質問も多数寄せられました。

まとめ
今回は、運転支援に関わる医師の大野氏と作業療法士の川越氏・永島氏より、それぞれの領域や視点での脳卒中後の運転再開支援をご紹介いただきました。非常に多くの質問やコメントが飛び交う会となったため、時間内に回答できなかった質問に関しては後日公式LINEにてご返答させていただきました。多くの質問を下さった参加者の皆さま、ありがとうございました。
リハラボ町田では、引き続き運転支援に関する情報発信やイベントを企画してまいります。今後とも宜しくお願いいたします。
主催:リハラボ町田について
リハラボ訪問看護リハビリステーション町田は、『地域に寄り添う訪問看護ステーション』を目指し、ご利用者様、町田・相模原地域、会社スタッフの “想い” に寄り添いながら活動をしています。詳しくは、こちらの記事をご参照ください。