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ご飯(白米)1日1食を〇〇に置き換えると体重の増加が抑えられる?

 近年の栄養学では、食事を制限してダイエットするのではなく品質の高い「やせる食事」を摂取して健康的にスリムになることを推奨しています。

 やせる食事は「やせる炭水化物」や「太りにくい肉」、「やせる野菜や果物」などで構成されています。
ダイエットするなら「白米よりも玄米」を食べよう!
ダイエットするなら「赤い肉」よりも「白い肉」を食べよう!
ダイエットするなら「やせる野菜と果物」を食べよう!

 しかし、このような研究報告は、おもに欧米人を対象に行われており、アジア人を対象にしたデータが少ないことが課題でした。

 そこで2021年8月、シンガポール国立大学のLimらは、アジア人を対象にして食事の量や質が体重に及ぼす影響についての調査を行いました。

 Limらは21~65歳の中国系、インド系、マレー系住民を含むSingapore Multi-Ethnic Cohortのデータ(3,064名)を使用して、平均6年間における食事の量と質、体重の変化を追跡調査しました。

 その結果、白米、清涼飲料水、赤身の肉、皮付きの鶏肉の摂取量の増加は、体重増加と関連していました。これに対して、全粒穀物と卵の摂取量の増加は、体重増加と関連していませんでした。

 食事内容を置き換えるモデル分析では、炭水化物のエネルギーの5%をタンパク質に置き換えると体重の増加と逆相関を示しました。

 また、白米1日1食を全粒穀物、野菜、皮なし鶏肉、卵に置き換えると、体重の増加と逆相関を示しました。

 白米は、食物繊維や微量栄養素を多く含む表皮や胚芽を精製して取り除いた精製穀物であり、残った胚乳の成分はおもにデンプン(糖質)であるため「太る炭水化物」になります。これに対して、表皮や胚芽を精製しない全粒穀物には食物繊維が多く含まれることで「やせる炭水化物」になります。
ダイエットするなら「白米よりも玄米」を食べよう!

 清涼飲料水のような砂糖入り飲料は「太る飲みもの」になります。
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 赤身の肉や皮付きの鶏肉には、動物性の飽和脂肪酸が多く含まれるためで「太りやすい肉」になりますが、皮なしの鶏肉は脂質を減らせるため「太りにくい肉」になります。
ダイエットするなら「赤い肉」よりも「白い肉」を食べよう!

 このように白米、清涼飲料水、赤身の肉、皮付きの鶏肉は「太る食事」になるため、体重の増加につながるのです。

 また、太る炭水化物である白米をやせる炭水化物である全粒穀物や野菜、太りにくい肉である皮なし鶏肉に置き換えると体重の増加を抑えることが期待できます。

 これらの結果から、欧米人とアジア人に食事の量や質による体重への影響に大きな差異はなく、Limらは「公衆衛生上の指針として、全粒穀物とタンパク質の摂取量を増やし、精製穀物や砂糖入り飲料、高脂肪肉の摂取量を減らす食事パターンをとることが、アジア人の体重増加の予防に貢献するだろう」と述べています。

 ダイエットをするなら食事を減らすのではなく、やせる食事を多くメニューに取り入れてみても良いかもしれませんね。


◆ 参考文献

Lim CGY, et al. Diet Quality and Lower Refined Grain Consumption are Associated With Less Weight Gain in a Multi-Ethnic Asian Adult Population. J Nutr. 2021 Aug 7;151(8):2372-2382.

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