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筋トレの効果を最大にする「タンパク質の摂取タイミング」のエビデンスまとめ

 筋トレによる筋肥大の効果を最大にするには、タンパク質を最適なタイミングで摂取することが重要になります。

 そこで議論されていたのが「タンパク質を筋トレの前後どちらで摂取したほうが筋肥大の効果が高まるのか?」という疑問です。

 1990年代の後半になり、アミノ酸を標的とした安定同位体トレーサー法が確立され、筋肉のもととなる筋タンパク質の代謝が評価できるようになると、この疑問を解決すべく数多くの研究が行われてきました。

 そして2020年には、これまでの研究結果をまとめて解析した最新のメタアナリシスが報告され、現時点でのエビデンスが示されているのです。

*メタアナリシスとは、これまでの研究結果を統計的手法により全体としてどのような傾向があるかを解析するエビデンスレベルがもっとも高い研究デザイン

 今回は、筋トレの前後のどちらでタンパク質を摂取するとその答えの根拠となるメタアナリシスの結果をご紹介しましょう。




◆ 筋トレ前後のタイミングはどちらでもOK


 タンパク質の摂取は筋トレの前か?後か?という疑問に対する答えとなるメタアナリシスを行ったのが、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのWirthらです。

 2020年、Wirthらは、筋トレ前または後のタンパク質の摂取による筋肥大の効果への検証を行った65の研究報告をもとにメタアナリシスを行いました。

 対象は、筋トレ経験者を含める2907名(男性1514名、女性1380名、性別不明13名)の成人と高齢者でした。成人の平均年齢は20.3~52.0歳、高齢者は55歳以上となっています。

 被験者は主にプロテイン・サプリメントとプラセボを摂取するグループ間、または高タンパク質と低タンパク質を摂取するグループ間で比較され、介入期間は4週間から2年間でした。タンパク質はおもにホエイプロテインから摂取しています(その他はカゼインや高タンパク質食品)。  

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