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筋トレ後に摂るべき「タンパク質の摂取量」のエビデンスまとめ

 筋トレをするなら知っておきたいのが、筋肥大や筋力増強の効果を最大化させるための最適な「タンパク質の摂取量」です。

 では、筋トレの効果を最大化させるための最適なタンパク質の摂取量は、どのくらいなのでしょうか?

 この問に対して、スポーツ栄養学の最新のメタアナリシスでは、筋トレ後の24時間で「体重×1.6g以上」を目安にタンパク質を摂取することが推奨されています。

*メタアナリシスとは、これまでの研究結果を統計的手法により全体としてどのような傾向があるかを解析するエビデンスレベルがもっとも高い研究デザイン

 筋トレをすると、筋肉のもととなる筋タンパク質の合成感度が高まります。この合成感度の高まりは、筋トレ後、少なとも24時間は続くことが報告されています。
筋トレ後のタンパク質摂取は「24時間」を意識するべき理由

 筋タンパク質の合成感度が高まっている24時間で、いかに最適なタンパク質の摂取量を摂取するかが、筋トレの効果の最大化につながるのです。

 その24時間で摂取するべきタンパク質の摂取量の目安が「体重×1.6g以上」なのです。

 筋トレの主な効果には、筋肉を大きくする「筋肥大」と、筋力を強くする「筋力増強」があります。最新のメタアナリシスでは、筋肥大、筋力増強の2つの効果について、それぞれの効果を最大化させるためのタンパク質の摂取量が明らかにされています。

 今回は、筋トレによる筋肥大、筋力増強の効果を最大化させるためのタンパク質の摂取量についての最新のエビデンスをご紹介しましょう。




◆ 筋肥大の効果を最大にするタンパク質の摂取量

 筋肥大の効果を最大化させるタンパク質の摂取量のエビデンスを報告したのがマクマスター大学のMortonらです。

 Mortonらは、筋肥大の効果とタンパク質の摂取量について報告された49の研究報告をもとにしたメタアナリシスを行いました。

 被験者は筋トレを週2回・6週間以上継続し、食事によるタンパク質を摂取した1,863名(平均35歳)です。被験者には筋トレ経験者とともに未経験者も含まれていました。これらのデータから、筋肥大の効果に対するタンパク質の摂取量について解析されています。

 その結果、タンパク質の摂取量を増やすほど、筋肥大の効果も高くなり、もっとも筋肥大の効果が高まるブレイクポイントが1日あたり「体重×1.62g(最大2.2g)」であることが示唆されたのです。

 この結果から、Mortonらは一般的なトレーニーであれば、筋肥大の効果を最大化させるには筋トレ後の1日(24時間)で「体重×1.6g以上」を目安に摂取すれば十分であると結論づけています。また、筋肉量の多いボディビルダーやアスリートでは最大で「体重×2.2g」までの摂取量も有効としています(Morton RW, 2018)。

 では、次に筋力増強の効果に対するタンパク質の摂取量についてのメタアナリシスの結果を見ていきましょう。


◆ 筋力増強の効果を最大にするタンパク質の摂取量

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