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血圧③今更だけど血圧の定義

臨床でよくある血圧の上昇、低下について私なりの意見はこちらに簡単に書いておきました。

いずれにしても大事なことは血圧を解釈すること。

そのためには定義とかメカニズムとか小難しいことをきちんと理解しないとダメなんです。

こういう泥臭いことが必ず自分の力になります。

ではまずは血圧の定義からです。

血圧の定義

血圧とは、心臓から拍出された血液が血管を押す力のこと

とされています。

おそらくこれはイメージ通りですよね?

心臓が収縮して血液が拍出される。

その血液が血管を中から押し広げる力、これが血圧です。

本来なら血管の中に圧のセンサーを入れて測定するべきでしょう。

しかし、そんな侵襲的なことはそう簡単にはできません。

そこで、我々は上腕にカフを巻いて上腕血圧を測定し、それを通称血圧と呼んでいるのです。

心臓が収縮した時に生じる血圧が収縮期血圧に当たります。

心臓は収縮と拡張を繰り返す臓器ですよね?

ということは、心臓が収縮していない時は血液は流れていなくて血圧は生じていないのでしょうか?

もちろん、そんなことはないことはご存知だと思いますが、なぜだか説明できますか?

この仕組みについて理解するためには、心臓だけではなく、血管についての理解も必要です。

血圧を知るためには

心臓の要因

血管の要因

の2つを考えることが欠かせません。

心臓がぎゅっと収縮したときに拍出される血液が血管を押す力を収縮期血圧と言います。

この時、大血管が心臓から出てきた血液を引き伸びて受け止めます。

そして、その受け止めた血液は心臓の拡張期に血管の弾力性によって押し戻されて全身に届きます。

この時に生じる血圧が拡張期血圧です。

つまり、拡張期血圧には大血管の弾力性が非常に大切な役割を果たしているんです。

この機能をウインドケッセル機能と呼びます。

名言

ウィリアムスオスラーを知っていますか?

この方が残した有名な言葉があります。

A man is as old as his arteries

このように翻訳されて知られています。

ヒトは血管とともに老いる

まさにそうで、血管も加齢とともに硬くなるのです。

当たり前なんだけど、我々理学療法士は血管を見ることが無いからそんなこと気にしないと気付かないんですよね。

実際、心臓リハビリテーションにおいても、この血管の老化を防ぐ、つまりは動脈硬化を抑制することが一つの効果として期待されています。

これで血圧の成り立ちがわかったと思います。

ただの腕で測った数字ではないんですよ、意味を理解しましょう。

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