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授業後の検討会では、借り物の言葉での授業批評になりがちだが・・・

学生や現場教師に「その場に参加してくれた人たち」を相手に実験授業してもらった後に協働的な授業リフレクションをやっています。実験授業の中で体験をした自らの学びの実感を自分の言葉でおしゃべりしてもらいます。もう5年以上やっているかな。
 
 
このリフレクションでは授業をどこかで習い覚えた借り物の言葉で説明するのではなく、多少ぎこちなくても自分の実感を自分の言葉で語ることをしていきます。「実感を言葉化すること」で自分の中にある価値/意味をつかみ出すことができるからです。
この作業を通して「自分の授業観をはじめて意識できた」という学生がたくさんいます。また「自分が無意識にやっていた授業実践の意味がつかめた」という現場教師もいます。授業を「意味」の観点から語れるようになると授業が影響力を持ち始めます。
この実感の言葉化をする際、協働的に語り合う仲間の語る言葉に耳を澄まし、自分とよく似た実感を言い当てた言葉に反応し、自分も「似た実感があります」と語りはじめると、リフレクションが進みます。これを後出しリフレクションと呼んでいます。
 
誰かが言った言葉を真似るみたいで独自性がないと言われそうですが、そうではないです。似た実感の言葉をきっかけに自分の実感を探りにいって、自分の中の実感を言葉化しようとすると自分の中の「(自分独自の)実感」を掘り深めることができます。
この「後出しリフレクション」は普段の授業検討会の時も発生している可能性があります。しかし単に似ている意見(論理言葉)であると処理されていることが多そうです。勿体ないです。この後出しは自分の実感を掘り下げる重要なリフレクションです。

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