REEP Foudation Journey

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はじめまして、REEP財団は「人のやさしさで世界を変える」をミッションにした助成財団です。Noteでは最新の情報に加え、資金提供を通じたわかった重要なエビデンスに基づいた発信を行います。 https://www.reep.jp/

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最近の記事

ICTによる早期介入ができれば、この国の支援は変わるか?―「ICT×早期介入助成」による新しいチャレンジ

10年、20年分の生きづらさを、私たちは支えられるのか 74人。これは2021年度に虐待で亡くなった、国内の子どもの数である。 こども家庭庁の専門委員会がまとめた資料によれば、2021年3月までの14年間で、心中以外で虐待で死亡した子どもは747人。そのうち127人は生後0日に亡くなった。ただし、この数は国の統計上把握できた数に留まる。日本小児科学会の推計によれば、子どもの虐待死の実数は3倍以上とも言われる。 「子どもがこうなる前に、なぜもっと早く介入できなかったのか」

    • CashForWork2020 Impact Reportーコロナ禍で職を失った若者は地域の復興にどう貢献したか?

      本レポートの構成本レポートは、2020年度に休眠預金を活用して行われたコロナ禍でのキャッシュフォーワーク手法(以下、キャッシュフォーワーク。2020年度事業を指すものはCashForWork2020と統一した)の実践の結果を報告するものである。 コロナ禍では、約50万人の完全失業者と約600万人の休業者が生まれたが(ピーク時、総務省統計局労働力調査による)、キャッシュフォーワークはこのような職を失った方々自身の新たな可能性や役割の獲得に光をあてようとするアプローチであった。

      • ソーシャル・キャピタルか職業スキルか?-支援の因果関係と効果の継続可能性

        リープ共創基金が取り組むキャッシュフォーワーク2020の助成プログラム。NPO法人やソーシャルビジネスに提供した資金は、12団体に約1.7億円にのぼる。この資金を活用して雇用された若者は、216名になった。 1.7億円という国内最大規模の助成金は、有効に機能したのか? 助成事業の成果はどう測るべきなのか? 資金の統括団体となるJANPIAや実行団体の方々も交えながら、キャッシュフォーワーク2020のインパクトの振り返りを行った。なお、本助成プログラムは、休眠預金等活用事業

        • 弁護士に聞いてみたーNPOはリスクをどうマネジメントすべきか?

          現場の支援活動に忙しいNPO団体は、起こりうるリスクをどうマネジメントすべきなのでしょうか? 経営者やスタッフの不祥事、様々なリスクに囲まれた当事者への支援活動の中で当事者自身が傷つくことや、結果として、NPO自身が加害行為を起こしてしまうこと。NPOにはさまざまなリスクがあります。もちろん、規模の小さいNPOには法務スタッフはいません。経営者も忙しく”何がリスクかもわからない”状態での自転車操業だったり、リスク対応が後手に回ってしまうケースもよく見られます。 リープ共創

        ICTによる早期介入ができれば、この国の支援は変わるか?―「ICT×早期介入助成」による新しいチャレンジ

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        • ココカラ奨学金ー励まし合う奨学金
          0本
        • ICT×早期介入
          1本
        • パートナー対談
          4本
        • 資金提供の裏側
          5本
        • インパクト評価
          3本
        • キャッシュフォーワーク
          10本

        記事

          子どもたちによる子どもたちのための奨学金は可能か? たつえ基金の「こども同士で選ぶ奨学金」で見えてきたこと

          義務教育を終えたあと、子どもたちが学ぶための費用、あるいは新しいことにチャレンジするための費用は、誰が負担するべきなのだろうか? 私立大学の初年度納入費は8年連続で上がっており、2021年には148万円を超えた。2020年に「高等教育の修学支援新制度(大学無償化)」が始まったが、利用できるのは住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯に限られている。 こうした状況の中で、家庭の負担を低減するのが、奨学金制度である。今回の記事では、現行の奨学金制度が持つ課題とともに、新しい奨学金

          子どもたちによる子どもたちのための奨学金は可能か? たつえ基金の「こども同士で選ぶ奨学金」で見えてきたこと

          コロナ禍での1年間のキャッシュフォーワークから見えてきたこと。永松伸吾×岩本真実(「キャッシュフォーワーク2020」振り返り対談)

          コロナ禍で職を失った若者の新しいチャレンジを応援する助成事業「キャッシュフォーワーク2020」では、休眠預金等活用事業からの資金提供を受け、2020年8月より13団体に約1億7000万円を助成。現在は2期目として12団体を採択し、助成を行っています。 1年間の助成を通して、コロナ禍でのキャッシュフォーワークから見えてきたこと、次の災害に活かせそうなことは何か。関西大学社会安全学部教授で、キャッシュフォーワーク2020の選考委員長を務めた永松伸吾先生と、若者の自立支援に20年

          コロナ禍での1年間のキャッシュフォーワークから見えてきたこと。永松伸吾×岩本真実(「キャッシュフォーワーク2020」振り返り対談)

          「それは、ヒャッホー?」 コミュニケーションの揺らぎがイノベーションを創る ―組織開発と新規事業の先駆者が仕掛ける変革のデザイン アデコ土屋恵子×ドコモ笹原優子(前編)

          まずは、自らの会社をどう変えようとしているか伺えますか? そのうえで、「社会を変えるには自らの会社から」というお二人の視点に移っていくことができれば。 「ヒャッホー」かどうかを事業アイデアの判断基準に 笹原 今、ドコモで新規事業創出のプログラムを運営しているのですが、そのプログラム運営チームの行動指針を「エベレスト・ヒャッホー」で測っているんです。チームから湧き上がったアイデアを「エベレスト」か、「ヒャッホー」なのか、って。 土屋 それは、どういうことでしょうか?(笑)

          「それは、ヒャッホー?」 コミュニケーションの揺らぎがイノベーションを創る ―組織開発と新規事業の先駆者が仕掛ける変革のデザイン アデコ土屋恵子×ドコモ笹原優子(前編)

          システム思考はコロナからの復興に使えるか?

          こんにちは、リープ共創基金の加藤徹生です。 我々は今回、休眠預金等活用事業の採択を受け、約1億7000万円という資金をコロナ禍で職を失った若者の支援に提供しようとしています。 約1年強の期間で2億円近くの資金を使いこなすというのは、日本の非営利セクターの中でも非常に大きなチャレンジです。私自身が最終責任者なのですが、東日本大震災の際に比べ、支援規模が約10倍に成長しているので、まるで「トラックの運転」をするような心持ちでいました。 そこで、思い出したのが「システム思考」

          システム思考はコロナからの復興に使えるか?

          NPOのリスクを見極めるには?

          こんにちは。リープ共創基金の代表の加藤です。 今年度の助成事業では全国で職を失った若者に対して就労支援の機会を提供する団体を中心に約1億7000万円の資金提供をさせて頂きました。 この助成規模は日本でも最大規模になるのですが、この資金を効果的かつ公正に使うにはとても苦労しました。 実際どんな提案が来るの?大雑把に言って、文句のつけようのない提案をしてくれる団体は1割くらいです。こういう団体はこちらから教えを請いたいくらいで、採択した後に勉強をさせて頂くことも多いです。他

          NPOのリスクを見極めるには?

          善意の資金は不平等を強化するか?

          ここ数年でDEI原則(Diversity, Equity Inclusion)というアプローチが米国の助成財団を中心に進んでいる。費用対効果の高い支援を目的とするのはもちろんなのだが、支援が新たな排除を生んではいないか?という問い掛けが投げかけられているのだ。 例えば、2013年の米国でエスニック・マイノリティを対象にした助成額が7%に過ぎなかったことに対し、米国の人口構成に占めるエスニック・マイノリティの総計は40%に達していたという(D5 Coalition,2016)

          善意の資金は不平等を強化するか?

          たった一日のボランティアですら、組織は変えられる ―組織開発と新規事業の先駆者が仕掛ける変革のデザイン アデコ土屋恵子×ドコモ笹原優子(後編)

          加藤 お二人とも、社会的な何かと事業的な何かを両立しようとしていますよね。そのために必要なことを直感的にわかっているように見えるのですがその感覚はどういったところから生まれてきたのでしょうか。 外で起きていることは中にあったほうがいい 土屋 たとえば海外で会議をすると、滞在中1日は現地でボランティア活動をしたり、普段行かないところに行ったりすることがあります。わたしも以前、タイで水害があったときに、奥地にある小学校へ手伝いに行ったことがありますが、それだけでいろんなことを

          たった一日のボランティアですら、組織は変えられる ―組織開発と新規事業の先駆者が仕掛ける変革のデザイン アデコ土屋恵子×ドコモ笹原優子(後編)

          最貧層からのベーシックインカム “トタン屋根”が変える世界

          ケニアでベーシックインカムが始まった、と聞くのと、フィンランドでベーシックインカムが始まる、と聞くのとでは、どこか印象が異なる。発展途上国で行われる「実験」と、先進国であり福祉国家で整えられる「制度」。そんなイメージを持って、ケニアでの事例を他人事のように捉えてしまうのかもしれない。 途上国のベーシックインカムがおもしろいのは、とかく先進国の政策の話になりがちなベーシックインカムの議論に、新しい可能性を見せてくれるからだ。なにしろ、これは「貧困」のとらえ方そのものを覆そうと

          最貧層からのベーシックインカム “トタン屋根”が変える世界

          「働く貧困層」と、中間的就労の必要性[コロナ禍におけるキャッシュフォーワークの意義・後編]

          傷つきや困難さを多く抱え、全く働けない状況になるまでは、自助努力で頑張ってもらおう——。そうした社会状況の中で安定した就労にも、支援にも、どちらへもたどり着くことができずにこぼれ落ちる層が多数いたのではないか。 コロナ禍で職を失った若者の雇用を応援する助成事業「キャッシュフォーワーク2020」には、就労に困難を抱えるひとりひとりのニーズにあわせた就労をサポートする「就労支援」という概念を知らない・検討したことがない人が、非常に多く参加している。 2020年8月から始まった

          「働く貧困層」と、中間的就労の必要性[コロナ禍におけるキャッシュフォーワークの意義・後編]

          「フィードバックがもらえる職場、初めて」コロナ禍で職を失った若者の葛藤から見えてきたこと[コロナ禍におけるキャッシュフォーワークの意義・前編]

          コロナが日本で初めて確認されたのは、2020年1月。そこから1年半、日本では4回の緊急事態宣言を実施し、未だコロナ禍が続いている。2021年4−6月期平均の労働力調査によると、失業期間が1年以上の人は74万人に。依然として厳しい状況が続いている。 このような状況下の中で、2020年8月から始まった若者の雇用を応援する助成事業が、「キャッシュフォーワーク2020」である。開始から1年が経つ今、何が見えてきたのか。前編にあたる本記事では、取り組みの概要と2人のケースを紹介する。

          「フィードバックがもらえる職場、初めて」コロナ禍で職を失った若者の葛藤から見えてきたこと[コロナ禍におけるキャッシュフォーワークの意義・前編]

          キャッシュフォーワーク2020の参加者の91%が離職やシフト減少による収入減少を経験(第1回参加者調査)

          コロナ禍で困窮する若者が地域や社会の課題解決を目指す「キャッシュフォーワーク2020」は、休眠預金等活用事業からの資金提供を受け、13団体に約1億7000万を提供する日本でも最大規模の助成プログラムです。 本事業は規模のメリットを活かし、定期的なアンケート調査を、日本でも組み込んでおり、そのデータをもとに助成事業の迅速なPDCAを行い、得られたデータをもとにキャッシュフォーワーク手法を広く社会に実装していくことを目指しています。 本記事では、第一回の参加者調査の結果と概要

          キャッシュフォーワーク2020の参加者の91%が離職やシフト減少による収入減少を経験(第1回参加者調査)

          キャッシュフォーワークの成果をどう考える? ―キャッシュフォーワーク2020・第1期合同研修レポート

          コロナ禍で失業した人たちが雇用されて、地域に貢献する仕事を行う。 「支援されていた人」が「地域の困っている人を支援する人」へと変わっていく。 このプロセスは、もちろん簡単なものではありません。就労支援団体を手がけてきた人たちにとっても大きなチャレンジとなるのが、「キャッシュフォーワーク2020」。 10月9日に、第1期に採択された8団体の合同研修がオンラインで実施されました。研修の様子をレポートします。 ・第1期採択団体の一覧はこちら(プレスリリース) 研修の導入は

          キャッシュフォーワークの成果をどう考える? ―キャッシュフォーワーク2020・第1期合同研修レポート