現代短歌 《一通の手紙》
差出人英語の表記に騙されて異国の便りと見間違う朝
セロハンで止めた口から見えるのは定形外と格闘する君
慎重にひらいた中身は眩しさで目もあけられぬショッキングピンク
黒い線書かれた文字はあたたかで少し控えめ少年の顔
ゆらゆらと紙面に浮かぶ輪郭はあのキャラクターか小鳥の翼か
落描きの行方を目で追いかけまわしあなたの筆跡には勝てなくて
一日を司る影きみの文字時間を止めては夢へと誘う
ゆっくりと流れていく刻どきどきと鼓動は早くなるばかりなのに
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