短編小説【流れる星に思うこと】(3452文字 無料)
「ねえ、逆立ちってできる?」
わたしは双一郎に聞いた。
「できないよ」
そう思いました。
「もしかして運動が苦手?」
「そうだなあ。一般的に負の方へ突出しているという見方ができるだろうね」
そういう言い方すると思いました。
いまは放課後。教室にはわたし達だけだった。
校庭から野球部の雄叫びが聞こえている。
「なんでいきなり逆立ちの話?」
「いま幼なじみの話をしてたでしょ。あたしっていまでも十分に繊細なんだけど、小学生の頃はすぐ泣く子だったの。あらゆることが心配のタネ