見出し画像

「ダイバーシティ」はアルバイトにも。多国籍の仲間と働くコツ

リクルートで働くその道のプロが「仕事探し」や「学び方」「美容」や「食」といった様々なテーマの最新トレンドについて語るポッドキャスト番組『トレンドランナー』。第八話のテーマは「アルバイトの最新トレンド」。タウンワーク編集長をゲストに迎え、後編は「雇用の多国籍化」について聞きました。

藤井:リクルートがお送りするポッドキャスト「トレンドランナー」。前回に引き続き、タウンワーク編集長の柳谷元樹さんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします。

柳谷:よろしくお願いします。

アルダイバーって何?職場における多国籍化の今

八角:今回、柳谷さんにお話しいただくテーマは…「雇用の多国籍化」です。

「雇用の多国籍化」と聞いて、私と藤井さんは「最近コンビニの店員さんに外国の方が増えたよね?」っていう話をしていたんですけど、実際に雇用の多国籍化って進んでいるんでしょうか?

柳谷: そうですね。まず、これまで多国籍の方を企業が採用するのは、人手不足の解消が目的というイメージが強かったのですが、将来的な戦力として多国籍の方を採用する企業が増えてきています。

さらに、去年4月に「改正出入国管理法」などの施行もありまして、働き手の中にも多国籍の方が増えています。

なかでも、アルバイトからスタートして、店長やリーダーのような企業の重要な戦力として働く方が増えていて、多国籍人材を積極的に活用する企業と、そこで活躍する多国籍のスタッフの双方が、どんどん増えていっています。

タウンワークではこの現象を「アルダイバー」と呼んでいます。

画像1

多国籍人材を引き付けるいろいろな工夫

藤井:「アルダイバー」の背景には、法律の改正もあったり、実際に海外の方も働いていたりすることもあるなかで、企業が海外の方を受け入れるための工夫事例があれば教えていただけますか?

柳谷:はい。まず企業が多国籍人材の採用と育成に強く力を入れられているなかで、「採用→定着→活躍」の3段階があります。

まず、「採用」では、「リッチモンドホテルプレミア浅草」内のプレミアラウンジでは、日本に来ているワーキングホリデーのビザを持っている海外の方に注力して採用活動をしています。

結果として、現場のオペレーションを単純化することで、業務を細分化して、入ったらすぐに覚えてすぐに実行できるような体制を整えるということに取り組んでいます。現状、「リッチモンドホテルプレミア浅草」内のプレミアラウンジの現場は、全体の66%が多国籍人材になっています。

藤井:3人に2人は多国籍人材になっているとはすごいですね!

柳谷:オペレーションが細分化された環境で働いていると、働く方の満足度も高いようで、その方が母国に帰られたときに「あの場所めちゃくちゃ働きやすかったよ!」と話して、新たにワーキングホリデーにいらっしゃる方が働いたり、日本に旅行するときにそのホテルに泊まったり、良い循環が生まれることも見込んでおられるようです。

藤井:まるで旅行の口コミみたいな感じですね!バイトでもそうやって世界で動いているんですね。これが採用段階ですね。採用の次は「定着」ですね。

職場で楽しく活躍してもらうための取り組み

柳谷:最初にコンビニの事例もありましたが、例えば「ローソン」には細長いレジがあると思うんですが、あのレジは何かトラブルが起こったときに、三ヶ国語でマニュアルが出てくるんです。

あと、子ども服で有名な「ミキハウス」では、現場に入られた多国籍の方のスタッフと日本人のスタッフ間で、コミュニケーションや文化のギャップがよく起こる中で、そこを解消するための人材を設置して、日々現場で起こっているコミュニケーション・文化ギャップを丁寧に解消している動きもあります。

藤井:アルバイトのダイバーシティ…「アルダイバー」を実現するために、企業も試行錯誤をしているんですね。最後に「活躍」ですね。

柳谷:「定着」段階でも取り上げた「ミキハウス」は、日本人のスタッフと同等に評価するのは当たり前ですが、店舗売上を上げた販売員の方も評価しておられ、昇進して店長になれらた方もいらっしゃいます。

画像2

多様な仲間と働くコツは’違いを理解しあうこと’

藤井:アルバイトをダイバーシティ化するのは、企業の戦力にもなっていくなかで、日本人と外国人の価値観や認識の違いが原因で起こる職場の問題はあるのでしょうか?

柳谷:はい。たとえば職場のデスクに関する話題で、日本人は仕事が終わったらデスクをきれいに片付けて帰るのが良しされる感覚があると思いますが、外国籍の方の中には、一見、散らかったように見える状態で帰ったりする方もいるそうで、理由を聞いたら、「このほうが、明日の朝来たらすぐ仕事できるじゃない?」みたいなことがあったりします。

藤井:その方はだらしないんじゃなくて、効率や生産性を意識されているんですね。認識の違いやものの見方をお互いが理解しあうために「なんでなの?」と聞くのはすごく大事だということですよね。

雇用の多国籍化が進む中、求められる向き合い方

八角:さて、「雇用の多国籍化」をテーマにタウンワーク編集長の柳谷さんにお話を伺ってきましたが、最後に「雇用の多国籍化」が進んでいく上で、大事なことってなんでしょうか?

柳谷:多国籍の方は、わざわざ母国から日本にいらっしゃっているので、いつまでに手にこういう職つけたいとか、いくら貯めたいとか、明確な計画があります。また、二ヶ国語や三ヶ国語を既に習得している優秀な方も多いです。

でも、いままでは多国籍人材が日本の職場に入るときに企業側が十分にサポートできてこなかったことで、能力や意思がある方であっても活躍できなかったということが多かったように思います。

今後、労働力が足りないというのが当たり前な時代のなかで、企業側も優秀な方は国籍なく活躍していただくのが当たり前の世界になっていくと思うので、「採用・定着・育成」それぞれの段階において、きちんと向き合って将来のために投資していくことが企業側には求められるのかなと思います。

藤井:企業側もダイバーシティ経営というのを、アルバイトという場で学んでいくとても良い機会になっていきそうですよね。ということで、今回のゲストはタウンワーク編集長の柳谷元樹さんでした。ありがとうございました。

八角:ありがとうございました。

柳谷:ありがとうございました!

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!