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いまは“第3次”タピオカブーム?タピオカのこれまでとこれからを専門家に聞いてみた

リクルートで働くその道のプロが「仕事探し」や「学び方」「美容」や「食」といった様々なテーマの最新トレンドについて語る番組『トレンドランナー』。第九話のテーマは「食の最新トレンド」。ホットペッパーグルメ外食総研研究員をゲストに迎え、前編は「タピオカの最新事情」について聞きました。

藤井:リクルートがお送りするポッドキャスト「トレンドランナー」。今回はホットペッパーグルメ外食総研から有木真理さんをお迎えしました。よろしくお願いいたします。

有木:よろしくお願いします。

藤井:まずは、ホットペッパーグルメ外食総研について教えてください。

有木:ホットペッパーグルメ外食総研は「ホットペッパーグルメ」のシンクタンク的な存在で、外食業界の発展や進化を目指して外食の調査研究をして発信している部署です。

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藤井:食をテーマに社会の変化を発信されているんですね。有木さんは、ホットペッパーグルメ外食総研でどんなお仕事をされているか教えてください。

有木:私は食のトレンドや文化を研究していて、これからどんなものが流行るのかとか、食がどんな歴史を辿ってきたのかを発信していくことで、より消費者の方々に興味をもってもらうような仕事をしています。

藤井:トレンドとその背景にある深層心理や歴史を含めて、時代を線で見つめながら研究されているということですよね。

タピオカの最新事情

八角:さて、今回、有木さんに解説していただくテーマは、「タピオカの最新事情」です。

藤井:僕ら昭和世代にとって、タピオカといえば白い玉から始まり何回かタピオカブームがきているのかなと思うんですけど、現在はまさにタピオカブームの真っ最中ということなんですかね?

有木:そうですね。今は空前のタピオカブームだと思っています。スイーツのブームは
たびたびやってきますが、タピオカは久しぶりにホームランがきたなと思うくらいのトレンドだなと思っていて、今回のタピオカブームは“第3次”タピオカブームと捉えています。

藤井:第3次なんですね。これまでどんなブームの変遷があったんでしょうか?

有木:1990年代に、中華料理店でデザートとして白いタピオカにココナッツミルクをかけたものがブームになりました。これが第1次タピオカブームです。日本にタピオカが輸入されたことを背景にブームが起こったようです。

藤井:そこから第2次に入っていくんですね。

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有木:はい。第2次タピオカブームは少し時間が経ち、2008年頃と言われています。第2次では、今と同じ黒い大きな粒のタピオカがブームになりました。台湾から専門店が進出したことで、じわりじわりとタピオカドリンクがブームになっていったと言われています。

藤井:そして…、第3次タピオカブームが今なんですね?

有木:そうですね。第3次タピオカブームは、ここ2年くらいかと思います。第3次タピオカブームは、第2次の大きな黒いタピオカはそのままで、タピオカに合わせるドリンクのバラエティーが増えました。

例えば、ウーロン茶を使ってすっきりさせたり…、甘い抹茶ミルクやいちごミルクを使った色がついたドリンクも増えてきました。また、甘味の調整もできるようになってきて、自分に合った「マイタピオカドリンク」を作れるようになってますね。

タピオカはなぜヒットした?

藤井:バリエーションが増えて、自分らしいタピオカを作れるようになった、と。これがヒットした理由はなぜですか?

有木:タピオカブームの背景には理由が3つあると思っています。

1つは、タピオカブームの前に空前の台湾ブームがありました。旅先の人気と食のトレンドはすごく親和性があり、リクルートが運営している「エイビーロード」という海外旅行の検索・比較サイトが調査したところ、台湾は渡航先ランキングで5年連続1位になっているんですね。

さらに、LCCが就航したことで若者が気軽に台湾に行けるようになって、発信力のある若年層の女性が台湾に行きはじめ、旅先で飲んだタピオカドリンクを日本に帰っても飲みたいということがブームにつながっていったのかなと思います。

例えば、ハワイが渡航先で人気だとパンケーキが流行りましたし、韓流ブームのときは韓国料理が日本で大ブームになりましたし…。旅先の人気と食というのはすごく親和性が高いと思います。

藤井:旅と食の連動ということですね!

有木:そうですね。2つ目は、台湾のタピオカドリンク店が日本に進出し、行列を作ったこと。やはり、行列は人を呼びますので、話題性のあるものに人が集まっていったというところで流行ってきました。話題になったことでチェーン店のコーヒーショップやコンビニでもタピオカが手に入る状態になりました。

藤井:台湾の人気店が上陸してきて、行列ができたことでブームに火がついていったということですね。

有木:そして、3つ目はもう言わずもがなの「SNS映え」です。

SNSが出たことで左手にドリンク、右手にスマホを持って自撮りをする人が増えてますよね。インスタグラムの24時間で消える「ストーリーズ」もブームになっていて、行列に並んでいる自分を「今並びはじめました!」から、「1時間半でやっとゲット!」というところまでをストーリーズでアップします。こうしてSNSで一気に拡散されていったということがブームを作った要因かなと思っています。

藤井:「食べる価値」だけじゃなくて「見せる価値」になっていくんですね。

有木:そうですね。SNSがどんどん普及していっている中で、個人がメディア化しています。個人がライターでもありカメラマンでもある。体験のプロセスを撮って発信していくところにタピオカがぴったりフィットしたなと思っていますね。

どうなる?タピオカ第3次ブームの今後

藤井:ブームになると飽きてしまう世の中で、タピオカブームはそのうち去ってしまうんでしょうか…?最後にタピオカ第3次ブームの今後についてぜひ教えてください。

有木:いまは大ブームですけども、これから定着フェーズに入ると思っています。決して一過性のものではなく、これから日本に定着していくものだと思っています。

食べ歩き・飲み歩きが当たり前になっている中で、ドリンクを買って街で飲むシーンはこのまま続いていくと思っています。今みたいに街中にいろんなタピオカ専門店があるという状況は、今後ブランドが淘汰されていく可能性はありますが、日本中の主要な駅や商業施設には必ず一店舗タピオカドリンク店があるという、定着フェーズに入っていくのではと思っています。

また、タピオカは若い女性が飲むというイメージがすごく強いと思うんですけど、絶対に男性の隠れタピオカファンはいっぱいいると思うんですよ。

藤井:なるほど。メンズコスメみたいにね。

有木:その通りです。メンズコスメ、メンズ美容家電…、それからコンビニのメンズスイーツも“男のプリン”というものを作っていますね。男性向けの少しビターな“男のタピオカドリンク”が出ると手に取りやすくていいかもしれません

藤井:ということで、今回はホットペッパーグルメ外食総研から有木真理さんにお話をいただきました。ありがとうございました。

八角:ありがとうございました。

有木:ありがとうございました。

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