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リモートワークに大切な3つの考え方とノウハウ

新型コロナウイルス感染症の影響拡大から、自宅勤務を余儀なくされ、突然リモートワークが始まったという方も多いかもしれません。

急に生活や働き方を変えざるをえなかったり、様々な立場や状況のなかで、 何とか仕事を止めないように、大切な人の生活を守るために踏ん張っている、という方が、世界中にいらっしゃると思います。

今回、リモートワークについてリクルートホールディングスで経験してわかってきた知見を、noteを通じて公開したいと思っています。

みなさんの職種、業種などによっても様々な事情があるので、正直、どこまで「使える」と思っていただけるノウハウになるか。未知数です。働き方の変化は私たちもまだまだ途上であり、多くの失敗や試行錯誤しながら改善を繰り返している最中でもあります。ですが、なるべく「使えるかも」という共通点を整理したいと思っています。

突然の事態に向き合われている方にとって、少しでもお役に立てたらうれしいです。

リモートワークのコツ”3か条”にまとめました

リモートワークというワークスタイルには、様々なギモンや不安が生まれます。

「サボる人が出るのでは」
「テレビ会議は空気感がつかめず敬遠しがち…」
「顔を合わせないと、正直、不安」

実際、約3年前に一部から実証実験を経て導入を始めたリクルートホールディングスでも、リモートワークを進めるにあたり様々な課題に直面してきました。

今回は、リクルートホールディングスで働き方変革を推進してきたチームが、様々な経験や試行錯誤からまとめたノウハウをお伝えしたいと思います。

1. まずは小さな一言から。お互いを信頼し本音で話しあえる関係づくり

様々な背景・考え方を持つ多くの人が関わりながら仕事を進めていくことが求められる職場や組織。私たちは、リモートワークに限らず、組織がうまく機能していくためには、お互いの「人となり」を知ることが大切だと考えています。

■例えば

仕事のことからはじまり
 ・互いの家族のこと
 ・困っていること
 ・今のちょっとした喜び

などなど。

お互いの状況を共有し合う中で生まれる小さな気遣いを通して、ちょっとずつ互いの輪郭がみえるようになれば、背景や考え方の理解も深まるのではないでしょうか。

リクルートでは、“組織のみんなで相互理解を深め、立場を越えて、率直に意見を言える関係性を築くこと”を大切にしています。どんなに立派な環境が整っていても、お互いを信頼し、本音で話しあうことができなければ、成果を生み出すことはできない。本音が話せる関係であること、相互理解を深めることが大切だと思います。

ほんの小さなこと-例えば、体調や仕事以外の活動についてのちょっとした問いかけや気遣い、自己開示を積み重ねることで、そうした関係性を築いていくことができると考えています。

さらに、リモートワークでは、一人ひとりが異なる時間・場所で働き、直接顔を合わせて会話する機会が減ることは避けられません。
急なリモートワークでは、まさにこれで悩んでいる方も多いかもしれません。

オフィスで顔を合わせている時は、表情や声色も含めて意思疎通ができます。しかし、リモートワークでは、音声やテキストでのコミュニケーションが中心に。オフィスとはまったく異なる環境であることを、それぞれが理解し、一人ひとりの意識や行動と、企業側にはマネジメント方法も変えていくことが求められていきます。

■例えば

・終業のタイミングで、1日の業務の中で感じたことやプライベートに関する一言を添えてみる(例えば、急な仕事が入ってバタバタしてしまった、夕飯は○○を食べます!、など)

・会議の冒頭に、最近感じていることを自由に話す雑談の時間を設けてみる

・チャットでわかりにくい発言があったら、躊躇せず「それはこういうことですか?」とこまめに確認する

・会議以外にも、テレビ会議で情報共有を含めた雑談の時間を作ってみる(例えば、オンラインランチ会の時間を作ってみる、など)

・チャットでは、スタンプを使うなど、コミュニケーションを取りやすい雰囲気をつくる

など、小さな工夫で仕事がしやすくなると思います。

また、「テレビ会議は空気が読めない」、「なんとなく出社した方がエライという雰囲気」。こういった気持ち面の阻害要因を取り除くことも大切です。 リアルな対面では会えない時期ですが、画面を通じてお互いの顔を見ながら会話することで、コミュニケーションがとりやすくなると思います。

2.  雑談から、業務上の相談まで。いつでもコミュニケーションが取れる工夫を

私たちは、リモートワークを円滑に進めていくために、チャットなどのITツールやセキュア環境を整え、できるかぎり、出社することなく、いつでも・どこでも業務が完結できるような体制を目指してきました。

例えば、リクルートには、”よもやま会議”とよぶ種々雑多な相談事を語らう中で、アイデアを練る習慣があります。リモートワークの場合はちょっとした雑談のハードルが上がりがちですが、業務上のやり取りから”よもやま” な雑談まで、いつでもどこでも、オンライン上で相談やコラボレーションができるチャットツールやビデオ会議ツールなどの職務環境を整えることに努めています。併せて、従業員が使いやすい雰囲気づくりも大切にしています。

■例えば

・ITツールの使い方の事例やアイデアを全社員メール/チャットで定期的に発信する

・少人数で、質問しやすいオンライン説明会を実施する

・質問受付チャットを開設する(気軽に質問できるような雰囲気を心掛けています)

などなど。できるだけ具体的な活用イメージを持ってもらえるような工夫をしてきました。

また、クラウドベースでの作成・共有・編集、テレビ会議システムなど、リモート環境でも従業員が円滑に業務を遂行できることも必須です。個人からは難しいですが、今回のような非常時を契機に、様々な企業で従業員をIT面で支えられるよう整備が進むのではないでしょうか。

ご紹介してきたITツールも重要ですが、私たちは、何よりも大切なのは、どのような状況においても「お互いに尊重しあい、チームとしてパフォーマンスを高めていく努力を惜しまないこと」だと考えています。例えばテレビ会議であれば、「率先してカメラをONにし、マイク付きのイヤホンを必ずつける」といった小さな配慮と工夫を積み重ねていくだけでも、会議の質が劇的に向上します。

また、リクルートホールディングスでは、リモートワーク導入当初、TV会議でリモート参加の人が話しにくくなってしまったり遠慮がちになってしまう、ということがありました。リモート環境でも発言がしやすいよう、お互いが声をかけたり意見を求めることも、効果的だと思います。

■Tips:テレビ会議を実施する時のチェックポイント

リモワ記事


3. 一人ひとりが”主体的な行動”を意識する

私たちは、リモートワークを上手に活用するためには、“一人ひとりの主体的な行動”が大切だと考えています。

試行錯誤を重ねてきたなかでわかったのは、それを実現するために、“働いた時間の長さ”を評価するのではなく、“やった成果を評価する”という考え方が大切だということ。

言い換えると、年齢や業務にかかった時間ではなく、その人の出した成果を評価すると決めること。そして、最終的には人事制度も含めて、この考え方を徹底することが重要だと考えています。

具体的な取り組みでお話しますと、リクルートでは、年功序列ではなくグレード(等級)ごとの職務要件や期待役割を定義し、成果ベースで評価しています。ゴール・達成基準を明確にすることで、働く一人ひとりが、自由と裁量をもって仕事ができる環境を作る。そして、一人ひとりが、“受け身”ではなく、”主体的な行動”を意識することで、リモートワークを使いこなすことができると思います。

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多様な働き方の一つとして近年徐々に注目が集まりつつあったリモートワークですが、今回のような非常時・災害時、また育児・介護・疾病などにともなう時間や場所の制約を乗り越えるために有効な手段の一つでもあります。

今、目の前のリモートワークに戸惑い悩んでいる方へ、活用できるアイデアのひとかけらになれたらうれしいです。

■関連リンク:“リモート・マネジメント”のポイント
 リクルートの研究機関であるワークス研究所が、リモートワークにおける仕事のアサインやチーム・マネジメント、TV会議の円滑な進め方について、具体的なポイントをまとめています。
https://www.works-i.com/project/remote/model.html


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