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はじめに


「左側の食器を見つけられない」
「車椅子自走時、左側によくぶつかる」
etc…
左半側空間無視は臨床でもしばしば認められる症状であり、STでもリハビリ対象になるのではないでしょうか。

半側空間無視はADLにも大きく影響するため、症状の軽減を目指し、これまでもさまざまなリハビリが検討されてきました。
視野が欠損しているわけではなく、認識ができないだけで、刺激の入れ方を工夫したり、促したりすると先ほどまでは気づけなかった対象を認識することができたりします。

石合(2008)は左半側空間無視について、

左半側空間無視の症状は、空間性注意の右方偏倚のみでなく、非空間性性要因が合わさった総称としての症状である。そのため、左半側空間無視患者に対するアプローチにおいては、合併する非空間性要因に対しても働きかける必要がある。

石合純夫:半側空間無視へのアプローチ,高次脳機能研究,28:247‐256,2008

と述べています。

無視側へ注意を喚起させるため、感覚刺激の入力を用いる方法があります。
過去の報告では、聴覚的な刺激が視覚探索を助けるなど、半側空間無視の治療的介入において、聴覚的刺激が効果的な介入方法の1つであることが示されています。

半側空間無視は視覚的情報の認知が苦手になるイメージでしたので、聴覚的刺激によってその認知が変わる…??
と私は疑問に思ったものです(゜゜)

今回は、半側空間無視のにおける聴覚的刺激の効果を報告した過去の研究文献を参考に、その関連性をご紹介していきます!

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